雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
この時点で
雁夜は20歳。
時臣は22歳。この作品では時臣は高校卒業した直後に時計塔に渡り四年間過ごすという設定です。
時計塔と彷徨海の合同講義を受けながら、遠坂時臣は彷徨海代表の講師に感銘を受けていた。
蒼崎雁夜という名のその講師は自分と同じ日本出身で、自分よりも二歳も若いのにも関わらず、魔術協会三大部門の一つである彷徨海の代表講師を任されるという才能溢れる魔術師である。
自分にも「雁夜」という名の幼馴染がいたが、その幼馴染は魔術から逃げ出した落伍者であり、目の前にいる「雁夜」とは大違いである。
だが時臣は知らない、二人の雁夜は同一人物であるということを。
さて、時臣がそんな事を考えている間に合同講義は終わり、講堂から退出した雁夜はケイネスに話し掛けられた。
「素晴らしい講義であった。流石彷徨海にその名を馳せる天才は素晴らしいな。」
その言葉に嘘は無く、ケイネスは本心から感心していた。まだ講師になって一年経ってすらいない雁夜が合同講義を成功させたからである。
その言葉に雁夜は謙遜しながら答える。
「いえいえ、自分などロード=エルメロイの足元にも及びませんよ。」
「ところで蒼崎雁夜殿、貴方の予定が空いていればの話しなのだがこれから合同講義の成功を祝して夕食と行かないかね?」
ケイネスは提案する。元々彷徨海の天才と呼ばれる雁夜には興味があったのだが、今回の合同講義を経て、雁夜の話を聞いてみたいと思っていたのだ。
「俺の予定は空いていますから、是非とも行きましょう。」
雁夜も答える。今こそ蒼崎を名乗っている雁夜であるが、本来は「間桐」の生まれ、聖杯戦争にマスターの一人として参加しなければならなくなるかもしれない。勿論、聖杯戦争の存在をケイネスに知らせるつもりはないが、時計塔の降霊学の権威であるケイネスの話しを聞いておいても損はないと思ったのである。
夕食の場で雁夜とケイネスは魔術についての議論を交わし合った。主に降霊や実戦(雁夜は聖杯戦争の名を出さなかったが)についてであった。
後の第四次聖杯戦争のマスターである二人はお互いこの議論から多くを学んだ。特にケイネスは魔術師の殺し合いである実戦は礼儀作法の整った決闘とは違い、如何なる手段を用いても勝った物が正義であるということを学び、後の聖杯戦争で活かす知識を得ることが出来た。
夕食を終えたケイネスは感心していた。
彷徨海の天才である蒼崎雁夜はただ単に魔術の才能があるだけでは無く、実戦に関する知識も深かったからだ。下劣な手段を用いる魔術師がいるというのは気に入らないが、事実ではあるのだろう。
また雁夜も感心していた。
ケイネスの降霊学についての知識は流石としか言い様が無く、サーヴァントの召喚•運用に役立つかもしれない知識を学ぶことが出来たからである。
雁夜はもう一時間程議論を続けたいとも思ったが生憎フライトの時間が迫っていたので、ケイネスと連絡先を交換した後ヒースロー空港に向けて出発するのであった。
第十二話です。
純粋な魔術師としてのケイネスが好きな方々すみません。聖杯戦争で活躍するかっこいいケイネス先生が見てみたくてやってしまいました。(実は雁夜が強くなり過ぎているかもしれないので、パワーバランスを保つ目的もあります。)実戦についての知識を得たケイネス先生が聖杯戦争でどの様に活躍するか楽しみにしてくれると嬉しいです。
あと、次話では雁夜に令呪が宿ります。
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。