雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
雁夜は聖杯戦争前のリサーチによりウェイバー、龍之介以外の全てのマスターを知っています。
セイバーもランサーのその宝具の能力に気がついたらしく、纏っていた鎧を捨てた。
「防ぎえぬ槍ならば、防ぐより先に切るだけのこと。覚悟してもらおう、ランサー」
セイバーはそう言って構えを取る。
「思い切った物だな。乾坤一擲、ときたか。鎧を奪われた事の不利を鎧を捨てることの利点で覆す。その勇敢さ、潔い決断。決して嫌いではないがな。この場に限って言わせてもらえば、それは失策だったぞ。セイバー。」
ランサーは忠告する。
それを受けたセイバーは答える
「さてどうだか。諫言は、次の撃ち込みを受けてからにして貰おうか。」
そう言って、セイバーは剣に纏わせていた魔力を一気に放出した。その勢いで、セイバーは一気に間合いを詰める。
セイバーがまさにランサーを切り捨てようとした時であった。ランサーは地面に落ちていた短槍を蹴り上げ、開帳する。
ランサーはセイバーからの切り込みを受けたが、マスターの治癒魔術によって直ぐ回復した。セイバーは直撃さえ逃れたものの、腱を切られたらしい。
「アイリスフィール、私にも治癒を。」
セイバーは白人の女に尋ねる。
「掛けたわ…掛けたのに…そんな…」
アイリスフィールと呼ばれた女は理解出来ない、という風に言う。
「治癒は、間違いなく効いているはずよ。セイバー、貴方は今の状態で完治している筈なの。」
「我がゲイ・ジャルグを前にして、鎧が無意だと悟ったまでは良かったがな。が、鎧を捨てたのは早計だった。そうでなければ、ゲイ・ボウは防げていたものを。」
嬉しい事にランサーが自身の宝具についての解説を始めた。
雁夜は持っていたメモに
「黄色の短槍、ゲイ・ボウ。与えた傷を治癒不可」
「赤い長槍、ゲイ・ジャルグ。魔力の流れを遮断」
と書き込む。
更に幸運な事にセイバーとランサーはお互いの真名を名乗りあった為、雁夜は自身のメモに
「セイバー。真名アーサー王。宝具はエクスカリバー。詳細な能力は不明。
「ランサー。真名ディルムッド・オディナ。」
を付け加える事が出来た。
だがアーサー王なら尚更バーサーカーが有利だ。ランスロットのは円卓随一と言われた言われた剣士であり、剣技ではアーサー王を遥かに上回る。
雁夜はそう考えた。
そして、ランサーのマスターの位置を探すために、使い魔の位置を変える。
「クソッ、流石ロード=エルメロイだ…」
ランサーのマスター、ロード=エルメロイが魔術でその身を隠していた事に事に苛立つ雁夜であった。
ふとその時、雁夜は興味深い物を見つけた。
「セイバーのマスター、衛宮切嗣とそのサポーターか。」
「こいつは使えるな…」
そう呟やいた雁夜の口角が釣り上がる。
そして、遂にそのタイミングは来た。
ライダーとそのマスターが乱入して来たのである。
ライダーは大声で自身の真名をイスカンダルと名乗り、セイバーとランサーを部下に勧誘し、隠れていたアーチャーを挑発し実体化させるなど、場を混乱させた。
こうも事が上手くいくと、雁夜はもう笑みを隠す事が出来ない。
にやけながら、雁夜は秘策を使う。
「蒼崎雁夜が令呪を持って命ずる。バーサーカーよ、第二の宝具、『己の栄光のためでなく(フォー・サムワンス・グロウリー)』の真の能力を解放、アサシンに擬態し、衛宮切嗣のサポーターの女の武器を奪ってこい。決して殺すなよ」
第二十話です。
雁夜が秘策を使いました。
令呪を使ってまで舞弥の武器を奪うのは何故なのか、楽しみにしていてくれると嬉しいです。
今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。