雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
最強のサーヴァントではないが、優秀なサーヴァントを召喚することが出来たものだ。
ケイネスはランサーと今後の聖杯戦争の作戦を考えながらそう思う。
ランサーのサーヴァントとして現界したディルムッド・オディナは、二本の槍−ゲイ・ボウとゲイ・ジャルグ−を宝具として装備している。対人宝具ではあるものの、その槍の力は強力だ。事実、セイバーとの戦いでは腱に治癒不可の傷を負わせた。また、ステータスも悪くはなく、もちろん槍技は言わずもがな。戦略的に使えば聖杯戦争を勝ち抜くことも夢ではないだろう。
そんな事を考えていると、火災探知機のベルが鳴った。
「主よ、敵陣営からの襲撃かと。」
ランサーは言う。
「ああ、恐らくセイバー陣営だろう。奴ら今直ぐにでも槍の呪いを消したいらしい。」
ケイネスは同意し、冷静にランサーに指示をだす。
「一回に降りてセイバーを向かい撃て。私はセイバーのマスターをやる。」
「主よ、了解した。」
指示をランサーは霊体化し、一階に向かった。
それを見たケイネスも、セイバーのマスターとの戦闘に備えるべくして、自身の魔術礼装である月霊髄液を展開する。
「お互いの秘術を尽くしあっての競い合いができるというものだ。」
ケイネスがそう呟いた瞬間、冬木ハイアットホテルは爆破解体された。
爆破の様子を使い魔越しに見ていた雁夜は、あまりにも常識離れした行動に感心にすら近いものを感じていた。
ビルごと爆破だと…噂には聞いていたが凄まじいな。
雁夜は思う。
流石のロード=エルメロイでも、ここまで常軌を逸した攻撃を受けるとは思っていなかっただろう。
やはり警戒するべき敵だ。
雁夜は衛宮切嗣に対する警戒を強める。
だが、雁夜にはもう一つ考えなければならない事があった。
それは勿論ランサーのマスター、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの生死である。
ビルの最上階からの落下となると地上百数メートルの高さからの自由落下であるが、ロード=エルメロイクラスの魔術師になると、それすら耐えてしまうかもしれない。いや、生き残っている可能性の方が高いだろう。
だが、まだ真相はわからない。雁夜はランサー陣営の安否がはっきりするまで、ランサー陣営に対する警戒を緩めないようにすると決めるのであった。
翌朝
最上階に魔術工房を作成し、行動の拠点としていたホテルを爆破されたケイネスは、郊外の廃墟に拠点を移していた。そこに一から魔術工房を組み直すのは癪だが、ビルごと破壊されてしまっては仕方ない。
「それにしてもビルごと爆破とは。噂には聞いていたが衛宮切嗣はやはり魔術師からぬ殺し方を用いるのだな。」
ケイネスはランサーに話し掛ける。
「はい。卑怯な輩…許せません。」
ランサーは切嗣の外道な戦法に怒りを隠せない。
「いや、良い。これは私の失態だ。」
「勿論奴の行動は許される物ではないが、実戦では褒められるべき事なのだろう。」
ケイネスは冷静に賞賛を送る。
「さて、ランサーよ。魔術工房の作成が終わった。作戦会議の続きをしようではないか。」
ケイネスとランサーは戦略を練り直すのだった。
第二十三話です。
切嗣がケイネスの工房をビルごと爆破しました。
ここまでは原作通りなんですが、この二次創作ねケイネス先生は一味違います。ランサー陣営はどんな戦略を取るのでしょうか?
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。