雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第二十四話

「アサシンに詳しく捜査させましたところ、キャスターとそのマスターは宮間町から隣町をまたに掛け、就寝中の児童を次から次へ、夜明けまでに十五人を誘拐。恐らく今、世間を騒がしている連続殺人犯と同一人物ではないかと。彼等は何の配慮も無く魔術を行使し、その痕跡の秘匿を一切行っていません。最早聖杯戦争その物が全く眼中に無いのでは無いのかと。」

綺礼はアサシンに調べさせた情報を時臣に報告する。

 

「いや、聖杯に興味がないという事はないだろう。それではキャスターがセイバー陣営の関係者を襲撃したことと辻褄が合わない。」

時臣は否定する

 

「ですがそれでは何故児童を誘拐、殺すのですか?」

綺礼は尋ねる

 

「恐らくキャスターは誘拐殺人というエサを使って、自身の工房におびき出すつもりなのだろう。」

時臣は答える。

 

「と、言いますと?」

綺礼は再び聞く。

 

「キャスターのサーヴァントは最弱のサーヴァントと呼ばれている。だがそれは一対一で面と向かって戦った時の話しでしかない。」

時臣は説明する。

 

「キャスターのサーヴァントは魔術師のサーヴァント。即ち、工房の中で戦うこととなれば、最早最弱などではなく、かなり強力なサーヴァントになる。」

時臣は続ける。

 

「恐らくキャスターは、魔術を使った児童の連続誘拐殺人という聖杯戦争その物すら破綻させかねない行動を意図的に起こし、聖杯戦争の破綻を恐れる陣営を工房におびき出して優位に戦うつもりなのだろう。」

時臣は終えた。

 

「それはマズイですね…」

綺礼は言う。

 

「監督役の権限を使って、多少のルール変更は出来ますが…」

綺礼の父であり、聖杯戦争の監督役である言峰璃正が言う。

 

「よろしくお願いします。」

時臣は言う。

 

今回の聖杯戦争のダークホースであるキャスターを確実に消す。そんな強い思いとともに、時臣は通話を終えるのであった。

 

翌朝、聖堂教会の末端として聖杯戦争の監督役を務めている言峰教会から、全陣営に向けて、集合を伝える信号弾が上げられた。

 

それを見た雁夜は悩んでいた。

使い魔の烏を送るべきか、自分は−と言っても人形であるが−で行くべきか。

本来なら前者一択の悩みであるが、雁夜には策があった。

 

「全マスターが使い魔越しに見ている前で言峰綺礼の手の甲を改める…」

雁夜は試したかった。

倉庫街での戦いで得た情報から、アサシンがまだ現界している事はわかっている。全マスターが見ている前でそれを証明すれば全陣営がアサシン討伐に向かい、そのマスターを保護していた教会は信用を失うだろう。

アサシン・アーチャー同盟を壊滅させる手にはなる。

 

一見完璧に見える雁夜のこの策であるが、二つのリスクがあった。

 

一つ目は聖杯戦争が混戦化である。雁夜がアサシン陣営と教会の不正を証明すれば、全陣営は教会に対する信頼を失うだろう。そこで、アサシン陣営を消した後、教会の定めるルールさえも無視して、如何なる手段をも用いる輩が出るかもしれない。

 

二つの内雁夜が最も恐れる二つの目は、人形の消失である。教会に実際に出向けば、他マスターに自分の居場所を伝えている事になり、衛宮切嗣の様に手段を選ばないマスターに狙われる可能性が無視出来なくなる。人形を用いている以上、雁夜が死ぬという事はないが、まだ一騎のサーヴァントも脱落していないこの時点で人形を失うのは痛すぎる。

 

どうしようか。雁夜は悩むのであった。




第二十四話です。

そろそろキャスター討伐編に入ります。
原作ではここら辺でキャスター陣営とランサー陣営が危なくなってきますよね。

次回、悩んだ末に雁夜が決めた結論とは!?

楽しみにしていてくれると嬉しいです。
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