雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第三十三話

「…いたわ」

遠見用の水晶玉で侵入者、つまりキャスターを索敵していたアイリスフィールは、遂にキャスターを捕捉した。

 

「アイリスフィール、敵は誘いを掛けています。」

アイリスフィールの隣で共に水晶玉を覗いていたセイバーは言う。

「人質…でしょうね。きっと。」

アイリスフィールは、キャスターが連れて来ている児童たちについて触れる。

 

「私が直に出向いて救い出すしかありません。」

セイバーがそう言った時だった、キャスターが水晶玉越しにセイバーとアイリスフィールの方を向いて微笑んだのだ。

「…⁉千里眼を見破られている!」

アイリスフィールは酷く驚いた。

 

そんなアイリスフィールの心境を知ってか知らないでか、キャスターは語り始める。

「昨夜の約定通り、ジル・ド・レイ、まかりこしてございます。我が麗しの聖処女ジャンヌに今一度、お目に掛かりたい。」

そう言ったキャスターは、丁寧に頭を下げる。

 

それを見たセイバーは、焦り出す。

「アイリスフィール!」

 

「まあ取次ぎはごゆるりと。私も気長に待たせて頂くつもりです。」

そんなセイバーの焦りを見透かした様にキャスターは言う。

「それなりの準備をして参りましたからね。」

 

そう言ったキャスターが指を鳴らすと、キャスターの周りにいた子供たちが正気を取り戻した。

「さあさあ坊や達、鬼ごっこを始めますよ。」

「ルールは簡単。この私から逃げ切れば良いのです。」

「さもなくば…」

そう言ったキャスターは、連れていた子供たちの一人の頭を鷲掴みにして、強引に持ち上げた。

キャスターが何をしようとしているかわかったセイバーは叫ばずにはいられない。

「辞めろ!」

そんなセイバーの叫びも関係なしに、キャスターは子供の頭を握り潰した。

その動向を見ていた子供たちは一斉に逃げ出す。

「さあお逃げなさい。100を数えたら追いかけますよ。」

キャスターは呑気に宣言した。

 

「ねえジャンヌ、私が全員捕まるまでにどのぐらい掛かりますかね?」

それを聞いたアイリスフィールは、言う。

「セイバー、キャスターを倒して。」

勿論セイバーも同意した。

「はい!」

 

騎士としてあんな暴挙を許すわけにはいかない。

そんな決意と共にセイバーはキャスターの元へと走る。

絶対に止めてみせる。

セイバーがそう考えたとき、キャスターの声が響き渡った。

「ようこそジャンヌ。」

セイバーとの対面に、キャスターは嬉しそうだ。

「いかがですか?この惨状は?」

「痛ましいでしょう?」

キャスターの言葉を聞いたセイバーは、その惨劇を起こしたキャスターと、それを止められなかった自分に腹が立ち、歯を食いしばる。

「私が憎いですか?ええ、憎いでしょうね。神の愛に背いた私が断じて許せないはずだ。」

 

セイバーはキャスターより子供に気を取られる。

「その子を離せ、外道。」

 

セイバーのその言葉を聞いたキャスターは子供を解放した。

解放されたその子供はセイバーに駆け寄り、抱きつく。

しかしそれすらキャスターの計算の内。

子供の身体を突き破って海魔が出現し、セイバーを拘束した。

「⁉」

あまりのショックと怒りで、セイバーは言葉を発することが出来ない。

その間にもキャスターはセイバーを包囲すべくして海魔を召喚する。

正気を取り戻したセイバーは自分を拘束していた海魔を風の魔力で粉砕すると、剣を構え、戦いに備えるのであった。




第三十三話です。

遂に戦闘開始しました。
原作通りの展開は次話の前半で終わりで、次話の後半からは、オリジナル展開がはじまります。

今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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