雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
雁夜がそんな思考にふけっている時、セイバーは未だにキャスターの海魔による包囲から抜け出すことが出来ずに、焦りと苛立ちを募らせていた。
キャスターの戦法は自身の唯一の宝具である螺旋城教本(プレラーティーズスペルブック)を用いた海魔の無限召喚・無限再生というシンプルなものである。しかし、この戦法はランサーの槍の呪いによって本来の対城宝具を封印して戦う事を余儀無くさせられているセイバーにはとても効果的な戦略である。否、効果的過ぎると言ったほうがただしいか。仮にも対軍宝具である螺旋城教本(プレラーティーズスペルブック)の海魔の軍勢を対軍宝具もしくは対城宝具無しで倒すのは、優秀といえど常識の範囲内のステータスしか持たないセイバーには不可能である。
「どうですか?久しぶりに味わう絶望の味は?」
自身の優位を確信しているキャスターは、セイバーに言う。
「クッ、まだだ。」
セイバーは諦めない。
左手手さえ使えれば…
そうセイバーが考えたとき、第三のサーヴァントが乱入して来た。
「どうやら随分と苦戦している様ではないか。セイバー。」
第三のサーヴァント、ランサーは言う。
「ランサー!」
思わぬ援軍に、セイバーは驚きを隠せない。
「貴様、私とジャンヌの会合を邪魔するとは、許せん。殺す。殺す!殺す!殺す‼」
セイバーとは対照的だったのがキャスターで、キャスターはランサーの乱入に怒りを露わにし、発狂する。
「生憎だが、セイバーはこの俺との先約があってな。お前なんぞに倒させるわけにはいかないのだ。」
ランサーは言う。
「それのみならず、俺はお前の所行を許せない。我がマスターも同意見だ。」
ランサーは続ける。
「騎士の誇りに掛け、お前を倒す!」
ランサーは宣言した。
その宣言を聞いたセイバーも誓う。
「私もだ‼」
「そういうわけだ。キャスター。ここからは俺とセイバーの二人を相手にしてもらう。」
そう言ったランサーは、二本の槍、ゲイ・ボウとゲイ・ジャルグ構える。
「おのれおのれおのれおのれおのれ‼」
キャスターは相変わらず狂ったままだ。
だがそんな精神状況下でもキャスターは戦局の変化に対応し、新たな海魔を召喚する。
ランサーは、二本の槍で海魔を斬り始めた。
同刻、アインツベルンの森には、キャスターとランサーとは別の侵入者がい二人いた。
「流石はアインツベルンといったところか。魔術による霧と結界で並の魔術師なら森に入ったら最後、出られないだろう。」
その侵入者の内の一人。遠坂時臣は言った。
「ええ。私も数多くの魔術師を倒して来ましたが、これ程の結界はなかなか」
もう一人の侵入者、言峰綺礼は言った。
「ふむ。さっきから監視されているね。」
「ここで二手に別れよう。私はここに残り、私達を、監視している二人組みを倒す。」
「綺礼、君は城の方を確認して来てくれ。」
「わかりました。師よ。」
綺礼は言った。
第三十五話です。
騎士二人がキャスターを相手どっている時、アインツベルンの森に侵入したのは綺礼と時臣でした。
今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました