雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第三十六話

「ランサーが乱入して来たか。」

アインツベルンの森での戦いを使い魔越しに観戦していた雁夜は呟く。

「でもランサーのマスターであるロード=エルメロイは不在と。」

聡明なロード=エルメロイの事だ、きっと先日のビル爆破の一件から衛宮切嗣が並ならぬマスターである事を理解し警戒しているのだろう。

「流石だな。」

雁夜はロード=エルメロイのその洞察力と判断力に感心する。プライドの高い普通の魔術師であったなら今頃、工房爆破の報復行為としてアインツベルンの本拠地に攻め入っているだろう。

 

「で、ロード=エルメロイの代わりに言峰綺礼と遠坂時臣がアインツベルンを攻撃しているのか。」

冷静に分析するが、雁夜には理解出来ない事が一つあった。

キャスター討伐後、明らかに全陣営から袋叩きにされるだろうアサシン陣営のマスターである言峰綺礼が出来るだけ多くの陣営を排除したいがためにアインツベルンに攻め入るのは理解出来る。

でも何故今まで工房に篭っていた遠坂時臣までアインツベルンに攻め入っているのだ。いかにアサシン陣営と同盟関係にあるとしても、「魔術師殺し」の異名を持つ衛宮切嗣と対峙するのは割に合わない行動としか考えられない。

 

雁夜が悩みながら観察を続けていると、時臣が綺礼を先に行かせ、自身はその場に残った。

「そうか…遠坂時臣は言峰綺礼が衛宮切嗣と邪魔されずに戦うのを可能にする為のサポート役で、元から衛宮切嗣と戦うつもりは無いのか。」

雁夜は理解する。

 

良い策だ。雁夜は素直に感心した。魔術師の殺害に長けている衛宮切嗣は恐らく今回の聖杯戦争において一番警戒するべきマスターだ。その衛宮切嗣を抑えるには、同じく強力なマスターで、尚且つ魔術師としてではなく聖堂教会の代行者として強力な言峰綺礼をぶつける他ない。

 

そんな事を考えている内に、ランサーの乱入によって一時的な硬直状態にあったサーヴァントの戦いが再開された。

「さて、これで戦いの流れが変わるのかな?」

雁夜は呟くのだった。

 

さて、順調にセイバーとキャスター討伐の為の共闘関係を結び戦闘を開始したランサーであったが、キャスターの戦略、螺旋城教本(プレラーティーズスペルブック)による海魔の大量召喚及び使役といった戦法を前に苦戦していた。

「こいつはセイバーが苦戦する訳だ…」

ランサーは言う。

「斬っても斬ってもキリがない。」

そう、ゲイ・ボウの呪いで対城宝具を封印しているセイバー同様に、対軍もしくは対城宝具を持たないランサーにとって数の暴力は脅威なのだ。

 

「クッ!」

セイバーも同様に苦戦している様子だ。

 

「増援が来たと思ったらその程度ですか。神はつくづく貴方を見捨てていらっしゃるようですね。ジャンヌ。」

そんな戦局を見たキャスターは勝ち誇り言う。

 

「ああ、嘆かわしい。何と嘆かわしいのでしょう。」

キャスターは言う。

「こんな状況でも神のご加護を信じられてらっしゃるのですか⁉ジャンヌ‼」

 

キャスターがそう言った時だった。

激しい雷鳴と共に、もう一騎のサーヴァントが乱入してきたのは。

 

 




第三十六話です。

やっとライダー陣営を登場させる事ができました。
アインツベルンの森でのサーヴァントの戦いは、明日か明後日には終わるはずです。

今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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