雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
セイバー、ランサー、そしてライダーの三騎のサーヴァントがキャスターとの戦闘を終えた事を確認した雁夜は、今回の戦闘で新しく得られた情報を整理していた。
勿論、最初に考察するのはキャスターだ。
「キャスターの宝具はあの『螺旋城教本(プレラーティーズスペルブック)』とか言う魔道書。使用者の魔力を殆ど必要としない宝具の能力は、海魔と呼ばれる使い魔の一種を無制限に召喚し、それがダメージを負った場合には再生させるといったもの。宝具としての種類は対軍宝具。評価はA+ランク。」
「宝具こそ強力なものの、キャスター自体のステータスは全体的に見ても低く、恐らく宝具特化型のサーヴァントだと思われる。」
「バーサーカーに宝具を強奪させるには丁度良い相手だが、潜伏先が割り出せていないから、その案件はキャスターが次に姿を現す時か、キャスター陣営の潜伏先が判明するまで保留。」
キャスターについての考察を終えた雁夜は、他の情報の整理に移る。
「ライダーの宝具の『神威の車輪』は真名解放可能。その『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』はキャスターが宝具の力を何処まで解放したか解らない為、確かではないが、現時点では同じA+ランクの対軍宝具である『螺旋城教本(プレラーティーズスペルブック)』よりも強力な宝具だ。」
「次はランサー陣営だが、ランサーが特に問題なく現界・戦闘している事から、予想通り、マスターのロード=エルメロイはまだ健在だと考えられる。」
「まあ、こんなものかな。」
新情報全ての考察を終えた雁夜はそう言うと、使い魔の烏との視覚共有を再開した。
勿論、もう一つの戦いであるマスター同士の戦いを観戦するためだ。
その戦いの開戦の火蓋は、アーチャーのマスター、遠坂時臣により切って落とされた。
言峰綺礼を先に進ませた後、時臣は誰もいない−いや、そう見える−に向かって言った。
「出て来たまえ。そこから見ているんだろう。」
その返事として返って来たのは、言葉ではなく、鉛玉だった。しかしそんな事もあろうかと自身の魔術礼装であるルビーを埋め込んだステッキを構えていた時臣は、自身の目の前に炎の壁を作る事で余裕を持って優雅に対処する。
その炎の壁に飲み込まれた銃弾は、その融解熱を祐に上回る熱に耐えきれず、液化する。
「話し合いで解決出来ないとは...残念だよ。」
想定内の出来事であったが、それでも残念だった時臣は言った時臣に返って来たのは、更なる銃撃だった。
迫り来る銃弾を前にして時臣はまたもや炎の壁を展開する。
しかし、銃弾の射手である舞弥とて一度通用しなかった戦術を繰り返し持ちいるような馬鹿ではない。
そう、舞弥は炎の壁が一時的に時臣の視界を奪う事に気が付き、時臣がそれを展開している間に距離を詰め、近接戦に持ち込もうと考えたのだった。
これはまさに時臣の予想外の展開であった。
時臣が炎の壁を消したその瞬間、舞弥はダガーで時臣に斬りかかった。
第三十八話です。
時臣さんの優雅な戦いはどうなるのでしょうか。明日を楽しみにしてくれると嬉しいです。
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。