雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
第三者の介入により、切嗣、綺礼、時臣の闘いは一時的に中断された。
その第三者がかの魔術協会総本部、倫敦時計塔に名を馳せる魔術師のケイネス・エルメロイ・アーチボルトである事にいち早く気が付いた時臣は、ケイネスに言う。
「これはこれはロード=エルメロイ殿、お目に掛かる事が出来、光栄の極みでございます。」
まず挨拶を済ませた時臣は、本題に入る。
「先程、私が遠坂家の当主として不名誉な闘いをしているとのご指摘を受けましたが、そこの衛宮切嗣は卑怯な手段や現代兵器を用いて数多くの魔術師を暗殺してきた魔術師の面汚し。貴方の魔術工房をビルごと爆破した張本人でもあります。そう、これは闘いではなく駐罰なのです。」
時臣は弁明するが、ケイネスは最初からそんなことは気にもしていないので、答える。
「その件に関しては注目を集める為に言った故、特に深い意味はなかった。誤解させてしまい申し訳ない。」
ケイネスは続ける。
「それにしても駐罰か。遠坂殿、実戦に置いて幾ら卑怯な手段を使おうが、現代兵器を用いてビルごと爆破しようが関係ない。やられた方が悪いのです。」
ケイネスは自身の実戦経験から編み出した自論を述べ、続ける。
「しかも、今日私はそこの衛宮切嗣を援護する為にここに来た。」
ケイネスのその言葉に、一同は驚きを隠すことができない。そう、何故ケイネスは自分の工房をビルごと爆破した張本人を援護しようというのか。
三人の中でも一番驚いた切嗣は問う。
「何故だ、何故、僕を助ける?」
ケイネスは冷静に答える。
「此方には此方の事情があるのだ。」
そう、時は少し前−丁度時臣と綺礼がアインツベルンの森に侵入した頃−に遡る。
雁夜同様に使い魔越しにサーヴァント同士の戦闘及び時臣の舞弥とアイリスフィールとの闘いを観戦していたケイネスは、セイバー陣営が圧倒的不利な状況に陥ってしまっている事に気が付いた。
他陣営から見て、強力なマスター衛宮切嗣と最優のサーヴァントと呼ばれるセイバーがこの早い段階で脱落するのはとても都合の良い事だろう。
そう、他陣営から見れば、の話だ。ケイネスのサーヴァントであるランサーは、ゲイ・ボウによる治癒不可の傷という絶対的なアドヴァンテージをセイバーに対して持っている。
更に、ここでセイバー陣営が敗退してしまえば、パワーバランスは崩れ、アーチャー・アサシン同盟の聖杯戦争優勝がほぼ確実なものになってしまう。
ならば衛宮切嗣をサポートしてアーチャー・アサシン同盟を食い止めるしか有るまい。
ケイネスは考えた。それ故、わざわざ危険を冒してまで、アインツベルンの森まで自分自身で出向いたのである。
「まあ今、それはどうでも良い事では無いか。」
ケイネスは切嗣に言った。
「我々は今から戦闘をするのだ。私が遠坂時臣を倒すかららお前は言峰綺礼を頼んだぞ。」
ケイネスがそう言ったのを合図に、四人は戦闘に戻るのであった。
第四十話です。
ケイネス&切嗣対時臣&綺礼が遂に始まりましたね。
どうなるか楽しみにしていてくれると嬉しいです。
ところで最近リアルが忙しく…
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。