雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
ランサーの乱入後、セイバーはランサーと共闘し、アサシンの軍勢と戦っていた。
かの名高き円卓の騎士団の長、アーサー王とフィオナ騎士団が誇る一番槍、ディルムッド・オディナという、考えうる中でほぼ最強の騎士達は、勇猛にアサシンの軍勢を相手取り戦う。
それだけ聞けば、セイバーとランサーの圧勝に終わる戦いの様にも聞こえる。
だが、相手のアサシンも山の翁として暗殺教団の長を務めた英霊そう一筋縄には倒せない。具体的に言えば、セイバーとランサーの不利は二つの要因によって起こされていた。
一つ目はアサシンの数。単純に頭数で上回るアサシン達はその数の利を最大限に活かし、セイバーとランサーを苦しめていた。もとより対人宝具しか持っていないランサーと、ランサーの槍の呪いによって切り札の対城宝具を封じられているセイバーにとって、数の不利は、不快極まりないディスアドヴァンテージだ。
二つ目はアサシンの実力。頭数だけで考えるのなら、先程セイバーとランサーが同様に共闘して戦ったキャスターの召喚する海魔の方が多いだろう。しかし、分体化して一騎一騎の戦闘力が弱まっているとはいえ、アサシンもサーヴァントの端くれ。その強さは海魔とは比べものにならない。
以上の二つの理由から、セイバーとランサーは苦戦を強いられていた。
「クッ...!こいつら、数が多い上に一騎一騎がそれなりに強い。」
ランサーは嘆く。
そんな時、その戦場に新たなるサーヴァントが現れた。
金色の粒子が集合するかの様に霊体化を解いたそのサーヴァント−アーチャー−は、セイバーとランサーに言う。
「どうやら苦戦している様だな。雑種共。」
それを聞いたセイバーは言い返す。
「何をしに来た、アーチャー!」
アサシンを倒せない苛立ちから感情的になっているセイバーを見て、アーチャーは愉快そうだ。
「ふむ。時臣にアサシンを援護してお前らを倒せと命じられたのだが、そこのアサシン相手に苦戦しているのを見るのも一興かと思ってな。」
「アーチャー、いい加減にしろ‼」
セイバーは苛立ちを爆発させる。
「いや、手を出さないというのなら、良いではないか。」
セイバーと対照的に、ランサーは冷静さを保っている。
「だが、ランサー、アーチャーの態度は許し難い‼」
「クククッ、雑種共が戯れる姿はいつ見ても飽きぬ物よの」
アーチャーは相変わらずだ。
セイバーとランサーがそんなやり取りをしつつもアサシンとの戦闘を続けていると、更にもう一騎のサーヴァントが乱入してきた。
自身の宝具である「神威の車輪」に乗って現れたライダーは、言った。
「何だ、五騎ものサーヴァントが集まってドンパチやってるのか。」
「実に楽しそうではないか。」
「征服王!」
その乱入を見たセイバーは嬉しそうに言う。
「また新たな雑種か。」
しかし、そんなセイバーとは対照的にアーチャーは不満気だ。
「そう言えば、貴様とセイバーはこの我を差し置いて『王』を名乗っていたな。」
そう、アーチャーはライダーがセイバーとランサーの援護に向かう事だけではなく、他人が王を名乗っていることも気にいらないのだ。
「そう言われても余は王であるからな...」
そんなアーチャーの指摘に、ライダーは困ってしまう。
「何か余の『王道』を示せる方法はないかのう....そうだ! アレが有るではないか!」
「アーチャー、そこで見ているが良い。」
そう言ったライダーが何かの力を使ったと思われたその瞬間、五騎のサーヴァントとライダーのマスター、ウェイバーは日差しの照り尽くす砂丘にいた。
後方から聞こえる足音にウェイバーが振り向くと、そこには万を祐に超える軍勢があった。
「肉体は滅び、その魂は英霊として「世界」に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち。時空を超えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!イスカンダルたる余が誇る最強宝具『王の軍勢』なり!!」
ライダーが自慢気に言う。
しかし、それも納得できる。
ランクEX対軍宝具。独立サーヴァントの連続召喚。
軍神がいた。マハラジャがいた。以後に歴代を連ねる王朝の開祖がいた。そこに集う英雄の数だけ伝説があり、その誰もが掛け値なしの英霊だった。
「王とは、全ての臣民の羨望を集め、誰よりも鮮烈に生きる者。」
「「「然り、然り、然り」」」
「故に、王は孤独にあらず!」
「「「然り、然り、然り」」」
ライダーは、英霊たちに号令を掛ける
「蹂躙せよ!」
それを聞いた軍勢は、アサシンを蹂躙した。
第四十四話です。
ライダーが「王の軍勢」を発動した理由が無理矢理ですみません。
どうしてもここでアサシン退場させたかったんで。
この回で時臣の運命がわかる人にはわかる筈です。わかったら凄いですが笑
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。