雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第四十六話

言峰教会に着いた綺礼は、父であり今回の聖杯戦争の監督役を務める璃正に出迎えられた。

 

「その様子だと上手く行かなかったようだな。」

璃正は綺礼にそう話かけるが、綺麗には璃正と悠長に話している余裕はなかった。そう、綺礼は時臣の治療をしなければならなかったからだ。

璃正もやはりそれを察したのか、それ以上のコミュニケーションを避け、自室へと戻った。

 

その様子を確認した綺礼は、時臣を床に寝かせ、酷く損傷している腕と脚に治癒魔術をかける。

基本的に魔術は見習い課程を修了した程度の知識しか持っていない綺礼であったが、唯一治癒魔術においては師である時臣にも肩を並べる程の才能があった。

その治癒魔術は確かに時臣の傷を癒し、完治させるまでに至った。

「...ありがとう。綺礼。」

傷を完治しても未だに身体の負担を癒し来れていない時臣は、弱々しく綺礼に礼を言う。

 

「師よ、傷は完治しましたがお身体の負担はまだ残ったままです。今日はお休みになり、お身体の疲れを取り除くのが宜しいかと。」

そんな時臣の礼に綺礼は気遣いで応える。

 

「そうさせて貰うよ...ハハッ、不甲斐ないな、私は。」

時臣は綺礼のその気遣いに甘える節を伝えると、深い眠りに着くのであった。

 

同刻、郊外にある魔術工房から使い魔を通じてアインツベルンの森での三つの戦いを観戦していた雁夜は、今回の戦いで得た新情報を纏めていた。

「まず一番大きいかったのはアサシンの脱落かな...」

雁夜はそう呟く。

「固有結界内に侵入させることができなかったからわからなかったけど、ライダーの宝具は最低でも対軍宝具の固有結界で、一度に七、八十程度のアサシンの軍勢を祐に潰すことが出来る物だな。」

そう、雁夜はアサシンが脱落した事こそ言峰綺礼の手の甲を視認したことでわかったが、肝心のアサシン脱落のその場を見ることができなかったのである。

 

「次は...マスター達の戦いだな。」

「参加者の中でも特に強力だと思われるマスター達の戦いだったが...やっぱりそのマスター達の中でも優劣があるみたいだな。」

雁夜は冷静に分析する。

 

「あの四人の中で闘いに勝利もしくは優勢に闘いを進めたのはロード=エルメロイと言峰綺礼の二人。」

「そのうち、言峰綺礼はサーヴァントを失って敗退したが、教会に生きたまま辿り着いたため、新たなサーヴァントを得て再参加する可能性もある。」

「もう一人の勝者であるロード=エルメロイは明らかに実戦慣れしている様子で、その礼装はとても強力。」

勝者達の分析を終えた雁夜は、敗者達の考察に移る。

 

「闘いに負けた、もしくは闘いおいて劣勢だったマスターは遠坂時臣と衛宮切嗣の二人。」

「遠坂時臣は、サーヴァントこそ健在なものの、両腕両脚をロード=エルメロイの魔術礼装によって切り刻まれ、更には魔術礼装を破壊された。言峰綺礼に救護されたため、怪我の治癒こそされるだろうが、礼装なしで今後どうするかは不明。」

「一方の衛宮切嗣は、言峰綺礼との戦闘でこそ劣勢に陥り、足に重傷を負ったが、銃器や刃物の扱いは流石としか言い表しようのないレベルで、まだ十分な警戒が必要な相手。」

 

四人のマスターに関する考察を終えた雁夜は、今後の戦略に着いての考察に移るのであった。




第四十六話です。

時臣が負った心の傷と、礼装の損壊、さらにアサシンの脱落により、アーチャー・アサシン同盟がどうなるか楽しみにしていてくれると嬉しいです。

あと、雁夜の戦略もアサシンの脱落により少し変わります。

今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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