雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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補足

呪術に関する情報は
Typemoon wikiの魔術のページを参考にしてください。


第五十ニ話

言峰教会を出発してから少しして、雁夜(人形)は間桐邸に辿り着いた。

帰路の途中、蟲の新たな使い道を思いついた雁夜は、一刻でも早くそれを試すべく間桐邸に着いて直ぐに準備を始めた。

 

蠱毒−

それは古くから東洋に伝わる呪術の一種であるそれは壺や箱などに様々な蟲を閉じ込めることによって強制的に共食いをさせ、最後まで生き残った生命力の強い一匹の蟲を使って行われる。

 

呪術はセイバー、ランサー、そしてアーチャーの三大騎士クラスとライダーのサーヴァントがクラス別スキルとして持つ対魔力を無視して効力を発揮する。だが生憎、雁夜にはその蠱毒を使って他人を呪い殺す術を知らないし、臓硯も一応は西洋魔術使いなのでそもそも呪術を学んでいないため、蠱毒に関する文献は残されていなかった。

 

だがしかし、それは雁夜の想定の範囲内。雁夜は蠱毒を使って選び抜いた蟲達を混ぜ合わせて出来るより強力な蟲達を使役しようと考えたのだ。そして何より、蠱毒で創り出した蟲は呪術的に創造された物であるから、それらを交配させて出来る蟲ももしかしたら対魔力を持つサーヴァントに対して有効かもしれない。

 

自身が先ほど創り出した蟲ではバラエティが足りない為、間桐邸の庭で百足、鋏虫、蜚蠊、そして蟷螂などを捕まえた雁夜は、五つの壺を用意し、それらに捕まえた蟲と創り出した刻印蟲、翅刃虫、視蟲、軍噛蟲、そして変臓蟲を入れ蓋をし、放置した。

 

「まあこんな物かな...」

全ての工程を終えた雁夜はそう呟き自室に戻る。

「どんな蟲が出来るか楽しみだな…」

「聖杯戦争が終わったら日本か中国、それか中東の魔術組織に行って呪術を学ぶのも良いかもな...」

そんな事を呟いていると、雁夜は流石に疲れて来たことに気がついたので仮眠を取ることにした。

 

 

雁夜の言峰教会からの帰宅から間桐邸庭での蟲取りまでの一連の動作を使い魔越しに見ていたケイネスは、疑問を感じられずにいられなかった。

 

...間桐邸に帰ったところまでは良い。特に問題はなかったからな...

ケイネスは心の中でそう呟く。

「だがしかし、間桐邸の庭で行っていたアレは何なんだ。」

「蟲を捕まえている様だったが、間桐雁夜が用いる蟲は野生の蟲ではなく魔術によって創り出された物の筈であろう。それとも、野生の蟲から新たな使い魔を創り出すのか...?」

ケイネスは悩む。

 

「主よ、私が聖杯から与えられた知識にアレを説明出来そうな物があります。」

主のケイネスが長考しているのを見たランサーが言う。

 

「ランサーよ、それは何だ?」

ケイネスは素直に尋ねる。

 

「恐らくですが...アレは東洋に伝わる『蠱毒』という呪術の準備をしているのではないかと。」

 

「呪術だと⁉」

ケイネスは驚きを隠せない。西洋魔術の総本院である魔術協会では呪術は魔術とされておらず、誰も研究しようとしない魔動であるからである。

 

ケイネスの驚きを見たランサーは続ける。

「はい。聖杯の知識によるとアレは壺や箱などの密閉空間に数々の蟲を閉じ込めて共食いをさせ、最後まで生き残った一匹を使って発動する禍々しい呪術だそうです。まだ確定したわけではありませんが、考慮に値するかと。」

 

「ふむ。確かに考えられなくもないな。だがもし本当に呪術であったなら、限りなく危険だ。」

 

ケイネスの言葉を聞いたランサーは尋ねる。

「何故ですか?」

 

「ランサー、お前の持つ対魔力は西洋魔術に対抗するスキルであって、呪術には対抗できないのだよ。」

 

ランサーは驚くが、ケイネスは冷静に答える。

「安心しろ、ランサー。まだ呪術の工程が全て終わった訳ではないのだろう?対抗策を考える時間はまだある。」

 

「そうでしたね、主よ。」

ランサーは言い、二人は対抗策を考え始めるのであった。

 




第五十ニ話です。

雁夜がどんどん蟲使いになって行きますね。
でもこれでやっと人形を壊すきっかけが出来ました。
今の雁夜人形を壊せるのは相性的にケイネス先生しか居ません。強さだけなら綺礼と切嗣も人形より上なんですが相性が…

明日からストーリーが進むと思います。
今回も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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