雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第五十四話

キャスターが未遠川にて大海魔召喚の儀式を成功させてから数分後、雁夜(人形)は未遠川沿岸にあるビルの屋上から大海魔とセイバー・ランサー・ライダー同盟の戦いを観戦していた。

 

セイバーとライダーも十分に戦ってるけど...あのサイズの無限再生を繰り返す化け物相手は厳しいかな...

雁夜は心の中で呟く。

 

あの化け物は今はキャスターからの魔力供給で現界してるんだろうけど...アレが上陸して捕食を開始したら聖杯戦争どころじゃないな...

 

そう、あの大海魔が未遠川の中でキャスターからの魔力供給によって現界を保っている内は、冬木に住む人々に見られるだけで済む故、後ほど暗示などで記憶を改ざんすれば良い。

だが、あの大海魔が上陸し、冬木の街を破壊しながら人々を捕食し始めてしまうと聖杯戦争どころではない。魔術の秘匿を保つのがとても難しくなってしまうし、更に大海魔自体の討伐もより難しくなってしまう。

 

さて...どうするべきか...

雁夜がそんな事を考えていると、雁夜の視界にケイネスが入ってきた。

 

「間桐雁夜殿でよろしいかな?」

ケイネスのそんな問いかけに、雁夜は答える。

「ああ、そうだが...」

雁夜の答えを確認したケイネスは、直ぐさま言う。

「アーチボルト家九代目当主、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、間桐雁夜に決闘を申し込む。」

 

雁夜はケイネスの申し込みに少し驚きつつも冷静に尋ねる。

「それは今ではなければならないのか?」

キャスターの大海魔召喚による混乱の為、雁夜が決闘を後回しにしたいということは十分に理解出来るが、ケイネスには時間がなかった為、今しかないと答える。

 

雁夜は少し落胆したようだったが、承諾する。

「この間桐雁夜、その申し出を受けよう。」

そう宣言した雁夜は、人形が持っている限りの蟲達を現界させる。勿論、その蟲達には先刻蠱術で創り出した蟲も含まれている。

 

雁夜が蟲達を現界させたのに合わせてケイネスも月霊髄液を展開する。

「Fervor,mei Sanguis」(沸き立て、我が血潮)

 

そして、初期設定をする

「Automatoportum defensio: Automatoportum quaerere: Dilectus inscrisio:Dilectus dissensio 」

 

初期設定を終えたケイネスは、直ぐさま攻撃に移る。

「scalp」

ダイヤモンドさえ切り裂くその水銀の刃は高速で雁夜(人形)に迫り、その身体を楽々と切り刻む。

 

しかし、これで終わる蟲魔術は柔ではない。

「変臓蟲!」

雁夜がそう叫ぶと、イトミミズの様な蟲が雁夜(人形)の負傷し、失った皮膚や肉をとなる。

 

「ほお...使い魔を変体させて自身の肉体を補ったか。」

ケイネスは感心し、呟く。

 

「そういう事だ」

雁夜はそう言いつつも、蟲達にケイネスを襲わせ、その蟲達を拳銃で援護射撃する。

しかし勿論、月霊髄液の自動防御によって防がれる。

 

「クソッ!」

雁夜はそう言い、蟲達に更なる魔力を送り込む。

さらに、蠱術で創り出した一際大きく強力な蟲でケイネスを攻撃する。

 

その不気味な蟲を見たケイネスは言う。

「それが呪術で創り出した蟲か。」

「素晴らしい、だが...」

「Scindo」

ケイネスの詠唱に答えて、月霊髄液の一部が分裂し、

「scalp」

それに従い、雁夜が呪術で創り出した蟲を真っ二つに切断する。

 

だがその悍ましい蟲は身体を真っ二つにされた程度では止まらなかった。呪術の特性「負の感情の増大化」が蟲を影響し、憎悪や恨みなどの負の感情を溜め込んでいるからだ。更に蠱術で造られているため生への執着は普通の蟲とは比べ物にならない。蟲は甲高い鳴き声をあげると、傷口から体液を垂らしつつも、二体の蟲となってケイネスに向かって行く。

 

「何と...」

「しかしそれなら。」

ケイネスは攻撃に回していた一部でその蟲二体を包み、圧縮する。

流石の蟲もコレを耐え切る事が出来ない。潰された蟲はなす術も無く液体と化した。

 

「見事。」

雁夜は言う。

しかし、雁夜(人形)の変臓蟲が尽きない限り、ケイネスに雁夜(人形)を倒す事は出来ないし、雁夜(人形)も月霊髄液の自動防御を突破しなければならない。

 

戦いはまだまだ続くのであった。




第五十四話

人形とケイネスの戦いが始まりました。
明日は多分それの続きと大海魔処分だと思います。

今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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