雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第六十九話

ライダーの「王の軍勢」に対してギルガメッシュが自身の能力の限界を尽くすべく乘離剣エアの真名を開放-天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)-したのとほぼ同刻。アイリスフィールの安楽死を行った数時間前から冬木市民会館にいたセイバーとケイネスは、侵入者が入ってきた事に気が付いた。

 

その侵入者−ギルガメッシュのマスター、言峰綺礼−がセイバーと自身の前にその姿を現したのを見たケイネスは言う。

「言峰綺礼、貴様は聖杯戦争から脱落し、聖堂教会の保護下にあるはず...」

「こんなところに何の用かね?」

 

ケイネスのその問いかけに、綺礼は答える。

「ふっ、簡単な事さ...」

そう言いながら綺礼は令呪の刻まれている左手の甲をケイネスとセイバーに見せる。

「聖杯戦争に参加する一マスターとして、聖杯を奪いに来たのだよ。」

 

綺礼の左手の甲に宿る令呪の存在を信じる事の出来ないセイバーは綺礼に言う。

「馬鹿な⁉言峰綺礼、貴様は自身のサーヴァントであるアサシンを失ったはず‼」

 

綺礼はセイバーのそんな驚嘆にも冷静に答える。

「聖杯は私に二度目のチャンスを与えたのだ。」

 

しかし、それだけではセイバーは納得出来ない。

「それでは、貴様のサーヴァントは何処にいるのだ⁉」

 

「私のサーヴァントなら今頃、冬木大橋でライダーと闘っているだろう。」

綺礼は答え、問い返す。

「ところでセイバー、貴様のマスター、衛宮切嗣は何処に行ったのだ?」

「そして、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトよ、貴様のサーヴァントはどうしたのだ?」

 

セイバーが綺礼のその質問に答える前に、ケイネスが回答する。

「衛宮切嗣はバーサーカーのマスター、蒼崎雁夜に倒されて何処かに消えた。」

「また、私のサーヴァント、ランサーはセイバーとの決闘の末聖杯戦争から脱落した。」

「故に私とセイバーが主従関係を結んだと言うわけだ。」

 

「衛宮切嗣が負けただと⁉」

これまで冷静だった綺礼は、宿敵衛宮切嗣の敗退にひどく驚き、問い返す。

 

「ああ、そうだ。それも蒼崎雁夜は無傷のまま衛宮切嗣を仕留めたのだ。」

綺礼の問いかけに、ケイネスは冷静な口調で答え、言う。

「噂をすれば何とやらだな...」

 

ケイネスがそう言ったのとほぼ同時に、ケイネス、セイバー、そして綺礼の前に新たな侵入者、蒼崎雁夜がその姿を現した。

 

綺礼は雁夜の来訪に驚くが、雁夜はそんなことは気にせずにケイネスに尋ねる。

「それが聖杯で間違っていませんよね?ロード=エルメロイ。」

 

雁夜の確認にケイネスは答える。

「ええ。これこそが聖杯です。」

 

「では...第四次聖杯戦争の最終局面を始めましょうか。ロード=エルメロイ、セイバー、そして言峰綺礼殿。」

ケイネスの回答を聞いた雁夜がそう宣言し、遂に第四次聖杯戦争最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

同刻。冬木大橋では、「王の軍勢」を固有結界ごと破壊されたライダーが自身の元マスター、ウェイバーに最後の質問をしていた。

 

「そう言えば、一つ聞き忘れていたことがあったのだ。」

ライダーは切り出す。

「ウェイバー・ベルベットよ。臣下として余に仕える気はないか?」

 

ライダーのその問いに、ウェイバーは涙を流しながら答える。

「貴方こそ...貴方こそ僕の王だ。貴方に仕える、同じ夢を見させてほしい!」

 

ウェイバーの回答に、ライダーは満足気に頷くと、ウェイバーの主としての最初で最後の命令を下す。

「生きろ、ウェイバー。生きて貴様の王の生き様を語り継ぐのだ。」

 

そしてライダーは駆け出す。

自身最後の疾走へと。

 




第六十九話です。

ライダーの敗退シーンは最後まで書くか悩んだのですが、疾走を始めたところで終わるのが一番綺麗だと思ったのでここで終わりにしました。(要望があれば書きます。)

あと遂に聖杯戦争最後の戦いが始まりました。

今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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