今回は、アーキタイプ・ブレイカーのキャラも登場しますが、名前だけです。ご了承ください。
IS学園の生徒会室。そこに設置されてる複数の机のうち『生徒会長』と書かれた座席に座っているのは、水色の髪と赤い瞳が特徴的な少女、更識 楯無である。
別の机で書類を一枚一枚丁寧に読み、何かを基準にして分けているのは、西住 かほである。
「はぁ、全然思いつかない……。かほちゃ~ん。スピーチの原稿考えて~」
「今度の入学式でお前が言うやつだろうに……。却下だ。部活動関係の書類の手伝いをしているのは誰だと思ってる」
「容姿端麗、成績優秀、だけれど朝に弱くて食いしん坊なかほちゃ~ん♪」
「前半の二つだけ言っていたら、手伝いも考えてやったのだがな」
「かほちゃんのケチ~!」
「ケチ言うな! 自分の仕事を放棄するな!」
そんな二人のやり取りを苦笑しながら聞いているのは、楯無のメイドであり生徒会副会長の布仏 虚である。
「二人とも、紅茶が入りましたよ。一度休憩にしましょう」
「ありがとう、虚さん」
「ナイスタイミング~!」
ダージリンの香りを楽しみながら、息抜きをする二人。すると、かほは一枚の書類を手に取った。
「今年入学してくる、代表候補性のリストか」
「えぇ。今年はすごく多いわよ~」
「一組にはセシリア・オルコットにシャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ。二組には凰 鈴音。三組にはヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーにロランツィーネ・ローランディフィルネィ。四組には……ほう、簪が入るのか」
「本当に、あの子も頑張ったのよ~!」
「しかし、一組の方だけで3人もいるのか。随分と偏っていないか?」
「それは、別項目に入っている生徒が理由よ」
「っ! 篠ノ之 箒……。かの天災博士の妹か……」
「代表候補生じゃないけれど、彼女は重要人物。警護と言う理由で組み込んだみたい」
「なるほどな……」
さて、読者の方々は「何故かほと楯無は親しげなのか」と疑問に思った事だろう。その理由は簡単である。かほは、楯無と幼馴染なのだ。
この世界における西住家は、布仏家と同等に扱われるほどの名家である。そのため楯無との接点も多く、彼女の妹の更識 簪とも仲が良い。一時は姉妹仲がこじれそうになり、その仲介をしたのも彼女であった。
かほの生徒会での役職は、生徒会補佐。会長はもちろんのこと、副会長や書記といった役職の補佐をするのが仕事だ。これは、幼馴染という理由だけではなく、生徒会にふさわしいと言われるほどの実力を持っているからである。
「しかし、シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒ、そして凰鈴音は入学式に遅れるとあるな?」
「機体の最終調整やら何やらで、遅れるみたい」
「なるほどな」
紅茶を飲んで一息ついたかほは、窓から見える青空を見つめる。
(今年は……面白い一年になりそうだな。なにせ、前世では“彼女”が二年の時に、あの伝説が始まったのだから……)
今年の代表候補生が多いのも、何かの運命かもしれない。そう思ったかほは、小さく微笑んだ。
読んでいただき、ありがとうございました。次の投稿は来年になるかもしれませんが、どうか気長にお待ちください。