ていうか、短時間でお気に入り登録が増えてませんか!?
無人機の乱入によって中止されたクラス対抗戦は、学園側が生徒たちに一日デザート無料券を配ることで、不満を抑えられた。もちろん箝口令も敷かれたが、無人機だと分かっている生徒は、かほ達以外だれも居なかったので意味が無かった。なお、戦闘に関わったかほ、セシリア、鈴は厳重に箝口令を敷かれ、その対価としてデザートフリーパスを貰っている。
そして、無人機騒動から数週間後のことである。
「シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒが到着したか」
「色んな意味で大物よねぇ」
「デュノア社の令嬢に、シュヴァルツェ・ハーゼ隊長か……」
その時のかほは少し懐かしむような顔をしており、楯無は気になった。
「どうしたの、かほちゃん? フランスとかドイツに縁があるの?」
「む? いや、お前は私の趣味を知っているだろう。それに関わっている」
「そういえばかほちゃん、戦車のプラモを作るのが趣味だったわね」
かほは、実家にいる時はプラモデルを作っていることが多い。主に戦車や空母などをメインに作っている。さすがにスペースの問題があるので寮では作ってはいないが、代わりに『ある物』を作っているため、暇をすることは無い。
「そっか、ドイツと言うと戦車とか有名よね」
「始まりはイギリスだがな。そして私たちがイメージする戦車の始まりはフランスだ」
「だから気になるの?」
「……まあな」
だが、それ以前に、かほには懐かしさを感じさせるものがあった。
(
うさぎと聞いて思い出すのは、前世で『ウサギさんチーム』として活躍した、M3中戦車・リー。最期を迎える時に、泣きながら「逝かないで」と言い続けていた彼女のことを、かほは思い出すのだった。
ラウラ・ボーデヴィッヒには尊敬している人物がいる。自身が所属するクラスの担任、織斑千冬だ。だが今は、そんな憧れの人物から説教を受けている。
「ボーデヴィッヒ。なぜ私がお前を呼び出したか分かるな?」
「いえ……」
「分からないことを正直に打ち明けるのは、良い事だな。では教えよう。今日の実習についてだ。私は言った筈だぞ。『代表候補生は、同じグループの生徒に乗り方の指導を行なえ』と。だがお前が取った行動は何だ?」
「それ、は……」
「『乗れ』の一言で何もしなかったな? あの時一番遅れていたのはお前のグループだったという自覚はあるのか?」
「…………」
すっかり落ち込んでしまったラウラに、千冬は小さくため息をつく。代表候補生は、一般の生徒よりもISに乗っている時間が長い。しかし感覚だけで乗っているとなれば、その後の動きも感覚任せになってしまう。その事が無いように、人にも教えれるように、乗り方のコツも知っておいてほしかったのだ。
「ここは、ISを使うとはいえ学校だ。全員がISに乗ってきたという訳でもなく、この学校で初めて乗る生徒だって居るんだぞ。全員をお前と一緒にするな」
「……申し訳ありません」
「……お前は、『ここの生徒はISをアクセサリーと勘違いしている』と思っているな」
「っ!?」
自分が思っていることを見抜かれ、少しだけ肩が震えた。だが千冬は呆れることも怒る事も無く、あることを考えた。
「……ならば、私の特訓を生き抜いた者たちと暮らしてみるか?」
「教官の特訓を、ですか?」
「そうだ。お前と同じ歳だった頃に、私の特訓を最後まで生き抜いた生徒だ。あいつ等の根性は凄いものだぞ。不屈とは彼女たちのためにある言葉だろうな」
(教官にそこまで賞賛させるほどの上級生だと……!? どんな人間なんだ……)
ラウラの心に、名も知らぬ生徒への疑問が生まれた。
かほが語っていた、戦車の始まりはイギリスって、合ってますよね? 今の戦車の形の始まりはフランスのルノー戦車で合ってますよね? こう言う歴史のものって間違えると大変なので、不安です……。