「ステータスはトレーニングで上昇するらしいし、ここから伸ばしていこう。錬成を使った戦術も組めるから・・・うん、戦えるはずだよ」
例え自分に力がなかろうと、戦うことはできるはずだ。錬金術は、魔力が少なくても使えるので、錬成について詳しく調べれば、少なくとも私よりは戦えるようになるだろう。まあ、錬成と錬金術が同じなら、だけど。
「そうですよ、南雲くん!先生も同じ非戦系?とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲くんは1人じゃありませんからね!」
畑山愛子 25歳 女 レベル:1
天職:作農師
筋力:5
体力:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理、土壌回復、範囲耕作、成長促進、品種改良、植物系鑑定、肥料生成、混在育成、自動収穫、発酵操作、範囲温度調整、農場結界、豊穣 天雨、言語理解
南雲くんがそれを見て絶望していた。同じだと思っていただけに傷が深かったようだ。
「愛ちゃん・・・悪気が無い分性質が悪いわね・・」
「では、訓練を始める。魔術系と物理系に分かれて別の訓練を行う。呼ばれた者は、俺についてきて、残りは、そちらの宮廷魔術師団についていくように」
愛ちゃんは座学と畑の見回りと、畑を耕しにいったらしい。
今日の訓練の様子を見て、ステータスの影響が大きく出ていることがよくわかる。魔術の感覚の実験ついでに、身体強化の魔術をかけながらでも、差が出てしまう。だが、強化された身体の感覚に慣れていない感じだったので、まだまだ伸びそうだ。
(魔力が増えたから出力が変わったのかな?なら、魔術のバリエーションが増えるかも・・・。鍛錬次第でが変わるなら修行次第で・・・神秘の隠匿・・・はここで意味があるのかな?この世界は神代らしいけど、真エーテルがあるかどうかはわからないから、慎重に行動しよう・・・)
それから二週間、この世界の魔法について調べた。
・この世界で適正のない魔法を使うには、属性・威力・射程・範囲・魔力吸収(体内から魔力を吸い取る)の式が必要で、後は誘導性や持続時間等付加要素が付く式を加えた魔法陣を描かなければいけない。
魔力吸収できるのは、オドであってマナではないので、宝石剣ゼルレッチのようなものを作れると思ったが、なかなか難しい。
・この世界では、魔力が多い者は、ステータスが高くなる。
おそらくだが、魔力の一部から、身体強化に回しているのだろう。
・この世界には魔術回路は存在せず、魔法は魔法陣と詠唱に依存していて、魔物の固有魔法以外で、シングルアクションの魔法は存在しない。
・魔物の固有魔法は、全身に魔力が直接巡っていて、魔力が変質する。その魔力が生み出していると言われる。体内で変質した魔力は、骨や肉に浸透し、驚異的な身体能力を与える。
この変質した魔力とは、魔術刻印に近いもので、魔法陣も詠唱も必要としない。だが、魔力自体が変質・・・?やっぱりこの世界の魔法に関しては、一から勉強しないといけなさそうだ。
図書室で魔法について調べていると、ドスンという音がして、目を向けると本を落として南雲くんが司書に睨まれていた。
「南雲くん、大丈夫?」
「あ、藤丸さん。ありがとう、大丈夫だよ」
一緒に落とした本を片付け終えると、南雲くんが自嘲気味に微笑んで、ステータスプレートを見せてくれた。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:2
天職:錬成師
筋力:12
体力:12
耐性:12
敏捷:12
魔力:12
魔耐:12
技能:錬成、言語理解
「藤丸さんのも見せてくれない?」
そう言われ、わたしのステータスプレートを見せる。
藤丸立香 17歳 女 レベル:2
天職:マスター
筋力:60
体力:50
耐性:40
敏捷:60
魔力:150
魔耐:60
技能:令呪、応急手当、緊急回避、瞬間強化、全体強化、ガンド、オーダーチェンジ、全体回復、霊子譲渡、コマンドシャッフル、オシリスの塵、イシスの雨、メジェドの目、
南雲くんは、それを見て苦笑いしていた。こんな状況でも、諦めずにここでしっかり調べものをしてるだけでも、十分すごいと思うんだけどな。
この世界の魔力の使い方にも慣れて、いつものトレーニングで筋肉が・・・女子力と引き換えに上がった・・・・。成長速度にも補正がかかっているのかもしれない。
秘密兵器も完成し、魔術と魔法を合わせて魔術を補助したり、魔法を魔術を補助することに成功した。
「よぉ、南雲。なにしてんの? お前が剣持っても意味ないだろうが。マジ無能なんだしよ~」
「ちょっ、檜山言い過ぎ!いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」
「なんで毎回訓練に出てくるわけ?俺なら恥ずかしくて無理だわ!」
「なあ、大介。コイツさぁ、なんかもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」
いったい何が面白いのかニヤニヤ、ゲラゲラと笑う檜山達はそんな調子でハジメを人目につかない方へ連行していく。
「いや、一人でするから大丈夫だって。僕のことは放っておいてくれていいからさ」
一応、やんわりと断ってみるハジメ。
「はぁ?俺らがわざわざ無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの?マジあり得ないんだけど。お前はただ、ありがとうございますって言っとけばいいんだよっ」
そう言って、檜山がハジメを殴ろうと拳を握るが、その拳はハジメには