Story in ancient times, and then…   作:名も無き呟き

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Asriel君が難産でした···。
キャラ崩壊注意です。


A new friend(新しい友達)

「あ、Fioraさんだ!ママ、Fioraさんが来たよ!!」

 

「あら、もう来たの?···ママは今ちょっと手が離せないから、お出迎えしてくれるかしら?」

 

「うん!」

 

ボクはママのそばをはなれて、ドアを開けにいく。男の子は女の子を"えすこーと"しなきゃいけないってパパが言っていたし、それに一番にボクがあいさつしたい。ボクがドアにたどり着くと同時にノックがして、「ごめんください」というきれいな声が聞こえる。

 

「はーい!今あけます!」

 

うんと背のびをして、ドアノブに手をかけてまわす。重くて少したいへんだけど、ボクは男の子だから頑張らなくちゃ。力をこめてドアをひっぱる。ゆっくりだけど、なんとかドアを開けられた。ひと仕事終わり。ボクは空いたドアの向こう側にいって、にっこりと笑いながらあいさつをする。

 

「こんにちは!Fio······」

 

でも、ボクの声は途中でとぎれてしまった。だってFioraさんのとなりに、知らない男の子がいたから。あわててボクはすぐうしろに立っていたママの背中にかくれる。知らないだれかさんは怖いもん。服のすそをつかんでいるとママはやさしく頭をなでてくれて、そうしたらFioraさんがママにあいさつをした。

 

「お茶会に招待してくれてありがとう、Toriel。元気な貴女に会えて嬉しいわ。」

 

「こちらこそ、来てくれてありがとう。···あら?ひょっとしてその子が······」

 

「ええ。ほら、Bell···」

 

Bell(ベル)、というのがあの男の子の名前らしい。ボクはほんのちょっぴり気になって、おそるおそるママのうしろから顔を出す。Bellはニコッと笑っていて、ママにあいさつをするところだった。

 

「こんにちは、女王様。僕の名前はBellです。今日はお茶会にまねいていただいてありがとうございます。」

 

「まぁ、丁寧な挨拶をありがとう。Bell、貴方はとっても礼儀正しくていい子ね。」

 

うふふ、とママが笑ってボクの背中を押す。ボクと同じくらいの身長のBellが目の前に立って、Fioraさんにそっくりな銀色の目でまっすぐボクを見て、にこにこと笑っている。

 

「こんにちは、王子様。僕はBellです。今日はお茶会にまねいていただいてありがとうございます。」

 

王子様、という言葉にソウルがはねた。パパやママといっしょにいるとあんまり気にならないけど、Bellみたいに初対面の子からすればボクは王子様なんだ。そう思うとなんだかそれはボクが"特別"みたいでうれしくて、でもちょっぴり気恥ずかしくて、はにかみながらボクはあいさつをした。

 

「···こんにちは、Bell。ボクは···Asriel。これからよろしく、ね···?」

 

ボクは手を差しだす。相手と仲よくするには、あいさつをして目と目を合わせればいいんだってママが言ってたからね。ボクはなんだかBellなら安心できる気がして、まっすぐに目を見てあいさつができた。Bellも笑顔でボクの手を握り返してくれた。ボクと違って毛はないけどあったかい。握った手をはなして、テーブルにつく。ママの正面はFioraさんで、ボクの正面はもちろんBellだ。

テーブルの上にはママ特製のバタースコッチシナモンパイが置いてあって、いい匂いがする。のみものはパパが育てている金色の花のハーブティで、角砂糖をふたつ入れるのがボクのおきにいり。ハーブティーもパイも湯気がたっていて、体の底から温かくなれそう。ママがパイをきり分けて、みんなに一切れずつ配る。もう待ちきれないって思ったけど、お行儀が悪いからがまんがまん。ボクは自分のカップに角砂糖をふたつ入れた。ちらりと見ると、Bellも同じ数の角砂糖と、ミルクを入れていた。Bellと好みがいっしょなことがまるで"友達"みたいでうれしかった。

 

「さ、パイもお茶も冷めないうちに頂きましょう。みんなで食べれば、幸せな気分になれるわ。」

 

ママの言葉を合図にして、ボク達はお茶会をはじめた。パイもお茶もいつもどおり···ううん、それ以上に美味しくて、ボクはパイを三切れも食べちゃった。ママはちょっと渋い顔をしていたけど、Fioraさんと大事な話があるらしくて、ボクとBellで遊んでいらっしゃいと笑顔で送り出してくれた。まぁ、遊ぶといってもHomeの中だけど。

···でも、どこで遊んだらいいのかな?ボクはいつも庭でのんびりお昼寝をしたり、お花の世話を手伝ったりしてるけどBellはどうなのかわからないし。そもそも訪ねてきてくれたBellになにかを手伝わせるのは······

 

「···あの、王子様。」

 

「!う、うん、何?」

 

「僕、王様にも挨拶をしたいと思ってるんですが···良かったら、会わせてくれませんか?」

 

「パパに?うん、もちろん。こっちだよ。」

 

ボクは庭にむかって、Bellといっしょに歩く。いつも1人で歩いている道をだれかと歩くのは新鮮で、ついボクは横目でチラチラとBellを見てしまう。そして見てしまうのは目が合ったら話しかけよう、と思っていたのもあった。

でもなかなか目が合わない。だってBellはまっすぐに前を見続けているから。なんどかじーっと見てみたけど合わなくて、もうあきらめようかなと思っていたら、ふいにバッチリと目が合った。Bellはちょっとおどろいた顔をしていて、なんだかおもしろかった。

 

「ねぇ、Bell。ボク、さ···Asrielって名前なんだ。」

 

「はい。」

 

「···だから、その······"王子様"って呼び方はくすぐったいし、なんだか他人行儀だから···Asrielって名前で呼んでくれないかな?···ボクも、BellのことはBellって呼んでるから。」

 

「···王子様を、ですか?」

 

「うん。呼びにくかったら"As"でもいいよ。···だめ、かな···?」

 

ボクの提案に、Bellは困っているみたいだった。あごに当てている手が、指先から白い羽根に変わっていくくらいに―――

 

「···え?」

 

B()e()l()l()()()()()()()()()()()()()()()

まるで花が咲いたみたいに、たくさんの白い羽がBellの手をおおって···Fioraさんみたいな翼に変わっていく。でもそれに気づかないくらいBellは悩んでいて、しかもよく見ると首のあたりにも羽が3、4枚くらい生えている。少し混乱したけど、たぶん、ボクの提案がBellの心を動揺させちゃって、魔法が解けちゃったんだろう。すごく申し訳なくなった。

······でも、どうしてBellはわざわざ翼を腕に変身させていたんだろ?べつに隠す必要なんて······

 

「······あっ。」

 

突然声を上げて、Bellが腕組みを外した。そしてゆっくりと両翼を広げて······ボクがまばたきをした間に腕へと戻っていた。首の羽もなくなっていた。Bellはほっぺたをちょっと赤くして、恥ずかしそうにボクを見て、小さな声でささやいた。

 

「···ママには、ないしょにしてくれる?僕、いま魔法の練習もかねてこうしてるんだ。」

 

ボクも小さな声でささやき返す。ほんのちょっぴり、いじわるな条件をつけて。

 

「ボクのこと···Asrielって呼んでくれるなら。」

 

Bellは一瞬無言になったけど、すぐにささやき返してくれた。

 

「···わかった。······Asriel、僕と君との間のやくそくだよ。もしいったら···友だちやめる。」

 

「えぇ!?···うん、ぜったいにいわない。だって友だち同士のやくそくだもん。」

 

Bellはボクの返事を聞いて、にっこりと笑った。ボクもそれににっこりと笑い返した。

それから庭に着くまでのほんのちょっとの間、色んなことを話した。やっぱりBellはFioraさんの子どもで、しかも実はボクより2才もお兄さんだった。すごくびっくりしたけど、ボクよりも言葉をたくさん知ってる理由がわかってなっとくした。それに顔が本当にFioraさんにそっくりだったから、まちがいじゃなくて安心した。よく見ると目の大きさとか、鼻の形とかが少しちがうけど、遠目から見たら見わけがつかないくらいに似ている。でも髪の毛の色だけはぜんぜんちがう。Fioraさんは目よりも透き通った色の銀色の髪の毛だけど、Bellはこげ茶色に近い色だ。Fioraさん曰く「お父さんの髪の色とそっくり」なんだって。いろいろ理由があってパパとは会えないらしいけど······。それを教えてくれた時のBellの横顔がすごくさみしそうで、なんだかボクまでさみしくなってしまった。お互いちょっと重い足どりで庭に入る。

 

「着いたよ。ここが庭······あ!パパ!!」

 

入るとパパが道具を片づけているところだった。僕は駆け寄って、ぎゅっと抱きつく。シャツ越しにあったかくてふわふわしたパパを感じた。

 

「おや、Asriel······と、君は確か···」

 

「Bellと申します。···お会いできて光栄です、陛下。」

 

「あぁ、やっぱりBell君か!大きくなったね。君とは君が赤ちゃんの頃に一度会ったきりだったから···改めてよろしく頼むよ。」

 

「はい、陛下!」

 

「ははは···"陛下"なんて他人行儀な呼び方はしないでくれ。Asgore、で構わない···もちろんToriもね。」

 

「···善処します。」

 

パパはまたおもしろそうに笑った。ボクもつられてちょっと笑うと、Bellがまた困った顔をしたからか、パパは笑うのをやめてBellに話しかけた。

 

「···Bell君、君は凄く礼儀正しくて真面目な子なんだね。君が私を"陛下"と呼びたいなら無理強いはしないよ。好きな風に呼んでくれて構わない。」

 

でも、とパパが言った。その言葉を聞いたボクはちょっとドキドキした。だいたいその後、パパはボクにとってちょっと恥ずかしいことをいうんだ。例えば···

 

「···Asrielと仲良くしてやって欲しい。この子にはまだ、友だちが居ないからね···。それに、Bell君みたいなお兄さんが居たら私達も安心できる。」

 

···とかね。パパがボクのことをすごく大切に思ってくれていて、心配しているのが伝わってきて恥ずかしくなる。だからボクはパパのそばを離れて、Bellと手を繋いだ。

 

「大丈夫だよ、パパ。ボクたち、もうとっくに友だちだから。ね、Bell?」

 

Bellに向かって笑いかける。Bellも笑い返してくれて、それから僕に向かって言ったんだ。

 

「うん。Asrielは、僕の大切な友だちだよ。」

 

「「ね!」」

 

ボクたちの声が揃う。一瞬パパは驚いた顔をして固まったけど、次の瞬間にはすごくうれしそうに笑った。

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