ガーリー・エアフォース RTA 難易度ACE COMBAT   作:TLS中毒患者

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友人に見せて貰ったツイッターにて深刻なネタ被りが有ったので初投稿です。やっぱりこのガリフォと言う作品とRTAを重ね合わせる人はいたんやな、って……
あ、作者はツイッターやってません。日頃からウカツ!!な発言が多いので向いてないと思ってます。

2/23追記 アカウント作ってみたは良いけど絡み方含めて右も左も分からねぇ……


~出撃前日

 シューティングゲーだと思ったらギャルゲーだったでござるなRTAはーじまーるよー。

 前回はシャンケル博士にシミュレーションゲイ♂ムをさせられ、グリペン姉貴のデータに興奮した博士が機械に掛けようとしたところを阻止した所まで来ました。

 

 自衛隊基地の朝は早いです。起床ラッパに合わせてこちらも起床したらすぐにNRTN君の自宅へ向かいましょう。本難易度では本編とややXデイスケジュールが異なっているのですが、上海上陸作戦の決行が厚木訪問の二日後になっている上に、この日はNRTN君の早朝マラソンをファントム姉貴が阻止しに来ますが、NRTN君の筋力ステータスが足りている場合は実は放置しても構いません。ですが、本チャートではフラグ回収の為に同行します。

 

 河川敷に着いたらジャズ野郎とファントム姉貴を呼び出しておきましょう。このタイミングで呼び出しておかないとNRTN君がここを通過するまでに二人の到着が間に合いません。走って来たNRTN君に対して優しい暴力を咥えようとする(殺しに掛かっている)ファントム姉貴を面白半分で眺めてからNRTN君を捕まえます。この方がNRTN君が消耗しているので確実です。

 

 捕まえたら『良く分かる米国の心理講座』を二人に開いて貰う事により、NRTN君の米国と今回の作戦の真相への理解が深まります。これもNRTN君覚醒の片鱗フラグです。四章までの物を全部回収しないとグリペン姉貴改装イベントが発生しないので、回収忘れをしないようにしようね(合計いっ敗)。

 どうやらジャズ野郎も表向きはおとなしくDARPAの所属という事になっていますが、あんまり国の事は信頼していないみたいですね。

 

 「貴方も変わっていますね。一介の兵士がアニマにそこまで肩入れするなんて」

 

 「半年近くライノの相方を務めちゃいるが、俺はアイツの泣き顔も知らねぇんだ。あの笑顔だってきっと本物じゃねぇ。大方そう思わないようにさせられてるんだろうよ。実用性第一は良くも悪くもあの国らしいところさ」

 

 「でも、彼女は貴方の曲には惹かれていた、と」

 

 「それがアイツの感情を呼び覚ますトリガーになるかもしれねぇ。そう思って俺は今でも戦闘中にジャズを聴いてる。あの木偶野郎には感情抑制何たら……まぁいい、兎に角リミッターなんて可能性殺すもん付けるんじゃねぇとは言ってはあるがな……」

 

 ここの会話の内容はファントム姉貴とライノ姉貴の好感度の合計値で変わり、一定値以上だとサイドストーリーでジャズ野郎が彼女を見て気に食わねぇとぼやいていた原因の一端が垣間見えます。ちなみにこの次元ではライノ姉貴のロールアウトが一年ほど早いです。

 この後、NRTN君が自分はどうすればいいのかと聞いてきますが、ここでの選択肢は

 

 「MNHA姉貴には説明した方が良い」

 

 です。この章でMNHA姉貴が真実を知る事はありませんが、この後のお出かけタァイムの後にイベントシーンのフラグが経ちます。これもまたMNHA姉貴完全理解ルートのフラグなので選択肢を間違えてはいけません。

 

 NRTN君と別れたら章末ミッション前の好感度稼ぎタァイムです。

 

 ここはイーグル姉貴を連れ出しておきましょう。彼女の勘は鋭いので放置しておくと無意識にNRTN君とMNHA姉貴のデートを妨害する原因になりかねません。我々の(フラグ)を守れぇ!!(にほんへ)

 ショッピングモールでパフェを奢るとイベントCG「強さの秘訣」を回収できます。イーグル姉貴にあ~んされたいな俺もな~。因みにこのイベントCGの発生条件は、ここまでの模擬戦で全て彼女にスコアで勝っている事です。

 なぜそこまで強いのか?と聞かれたら

 

 「年季が違う」

 

 と答えましょう。

 実はこ↑こ↓、シュレディンガーフラグ入りの選択肢「天才なんだよ、俺は」も含まれるのですが、テキスト量が他の選択肢に比べ2倍以上あるのでRTAではまず選びません。まぁ、1、2か所くらいフラグ回収見逃しても……バレへんか……あ、実際はトゥルーエンドコース開通の為のシュレディンガーフラグは全てを回収する必要は無く、2、3個は見逃しても大丈夫です。ただしトロコンをするなら全回収必須なので注意しましょう。誰かトロコンRTA走って♡ 走れ(豹変)。

 

 イーグル姉貴とのお出かけタァイムが終わったら、立てたフラグを回収する為に急いで公園にイクゾー。デッデッデデデデッ カーン デデデデッ 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 日の長い夏と言えど日が傾き、夕方に迫りつつある自然公園に設けられたベンチには、二人の少年少女が離れすぎとも密着しているとも言えぬ微妙な距離感を保って座っていた。

 どこかもじもじしながらもポニーテールに髪を結わえた少女、明華が鳴谷慧に対して口を開く。

 

 「でも良かった~。今日は慧がバイトの呼び出しとかですっぽかさなくて」

 

 「あぁ、今日一日はフリーになるよう、上司が日付調整してくれたからな」

 

 「モルガンさんのこと? あの銀髪でジャケットいつも着ている」

 

 彼女はモルガンとは面識がある。よく遅刻寸前だとか言って早朝から慧を叩き起こしに来るからだ。彼の準備中に少し世間話をしたら仲良くなり、今では偶に「いつもうちの慧がお世話になっています」と手作りの弁当まで作ってあげている仲である。

 

 「そうそう。ヘマこくと蹴っ飛ばされるけど、凄い教育には熱を入れてくれるんだ」

 

 慧は日々の地獄のような鍛錬を思い出す。モルガンとファントムの二人掛かりによる徹底的なシゴきは、確かに自分の体力の向上と操縦技術に磨きを掛けていった。それは既に、一介の学生が持つ物としてはイレギュラーの境地になりつつある。

 つくづく自身が平凡な学生から離れていくことに肩を竦めながらも、同時に彼女が横にいる、今この瞬間に感じる日常のありがたみと言うものを思い知らされた。

 

 だからこそ……彼女には打ち明けるべきなのだろう。今の自分が置かれている現状を。

 

 彼女の前でなら特殊な専用機の専属パイロットでは無く、一介の少年として自分はいられる。けど、自分がそんな二面性を抱えている事を隠し続けて良い物だろうか。かのモルガンに今朝こう言われた。

 

 『んなガキの頃から一緒にいるなら身内同然じゃねぇか。そういう人間は大事にしろよ、俺みたいに後悔してからじゃあ遅いんだからな。で、その上で落とし前はテメェでつけな』

 

 モルガンもかつて自分と似た境遇にあったらしく、彼女(ファントム曰く彼?)はその事で悔やんだと言う。

 動き出した物語はもう止まらないだろう。けれど、今ここで全てを投げ出して唯の避難民生活に戻るのは何か違う気がする。

 何が違うのかは具体的には分からない。けれど……いや、多分グリペンのせいだろう。あの食いしん坊で寝坊助のペールピンク髪のアニマを、自分はもう放ってはおけない。

 

 「なぁ、明華」

 

 「なぁに、慧」

 

 「俺さ……明華を世界で一番大事な人だと思ってる」

 

 ぶふぅ!? と少女が出しちゃいけないような濁音が公園中に響き渡り、気道に唾が入ったのか激しくむせる。当然だ。本人がその気で言っているのでは無いとは言え、恋する乙女から聞けば、さぞそれは告白の言葉に聞こえた事だろう。

 

 「お、おい、大丈夫か?」

 

 「けふっ、けふっ……あ、あんた何を一体いきなり」

 

 「世界で一番? 大事?」

 

 「あぁ」

 

 「本気で、言ってる?」

 

 明華は耳たぶまで真っ赤にし、動揺も顕わに黒目が右と左を行ったり来たり。そして両手の指を付き合わせたりと何やら忙しい事になりながらも恐る恐る尋ねる。

 しかし、慧の方はと言うと、さも当然と言った様に語り始めた。

 

 「当然だろう。明華とは一番付き合い長いし、子供の時から今も何かと助けて貰っているし。何というか……俺の居場所、っていうか……うーん、いざ口にするとなると難しいな……」

 

 「……後半良く聞こえなかったけど、もう一回、言ってくれる?」 

 

 何かに期待しているのか、眼を爛々と輝かせて慧に詰め寄る明華。その鬼気迫る様な気迫に押されてか、慧は先程うっかり出た本音(・・)を思わず引っ込めて、当たり障りのない(と本人は思い込んでいる)言葉を選んでしまう。

 

 「恩人……そう、恩人だよ。世界で一番感謝しなきゃいけない人だ」

 

 「……それだけ?」

 

 「それだけって、ん……とにかくすげーありがたいと思って「はい、30点」」

 

 スパーンッ!! と小気味良いハリセンの音が公園中に響く。慧は突然後頭部を叩かれたことに驚きつつ周囲を見渡すと、いつの間にか自分が座っていたベンチの後ろには自衛隊で世話になっているPMC所属のオッドアイのアニマ、モルガンが何故か不機嫌そうな面構えでハリセンを手にして立っていた。

 

 「も、モルさん!? 何でここに!? 俺は今日は休みだって話じゃ!?」

 

 「あぁ、今日はお前は確かに休みだよ? 俺だってたまたま近くを散歩してただけだ。けどな……ヴァカか少年。あれか? お前正真正銘のヴァァァァァァカなのか?」

 

 バカを巻き舌風に言ってわざとらしく強調するモルガンは、マリアナ海溝よりも深いであろう少女の心に負った傷を代弁すべく溜息を吐くと、言葉を続ける。

 

 「途中までは良い感じだったのになんだよ、嬢ちゃんに詰め寄られた瞬間日和やがって。テメェそれでも玉金付いてんのか? あぁ? 明日っからまた鍛え直してやろうか?」

 

 「すみません……アレだけは勘弁してください……」

 

 慧が恐れているアレと言うのは、文字通り死ぬまで運動させられる地獄の特訓メニューである。2、3回経験があるとは言え、アレを毎日の特訓のコースに組み込まれるとなると最早地獄を超越した何かになる。モルガンは突然の登場に唖然としている明華に軽く会釈をすると、

 

 「よう、いつも差し入れの弁当ありがとな。この前のから揚げ弁当美味しかったぜ」

 

 「え? あ、はい……ありがとう、ございます」

 

 「……んな感じで良いんだよ、テメェも少しは見習いやがれ」

 

 小声で慧に耳打ちしてから小突くと、咳払いをしてから携帯端末を確認し、つい先程決まった仕事の内容を伝える。

 

 「え~、コホン。コホンコホン……がはごほげぼふぁ!?」

 

 「モルさんが吐血した!?」 

 

 「ちょっ……大丈夫ですか!?」

 

 「あ~、気にすんな。口の中に仕込んでいたトマトジュースが先程の少年が繰り広げたラヴコメの波動を受けて漏れ出しただけだ。俺が見るにはちょっくら青臭過ぎたぜ」

 

 シリアスな空気を破壊しつつハンカチで口の端を拭うと、彼の纏う雰囲気が少しだけ張りつめた物になる。その気配の変化を察してか、慧は自然と背筋がピンとしていた。

 

 「良く聞け少年。明日からテメェは数日間の教育合宿だ。集合は0330に小松基地前。詳しい内容はバスで移動中に説明する、以上!!」

 

 「随分と早い時間から合宿があるんですね……」

 

 「ま~、うちのクライア……じゃなくて店長はせっかちでなぁ。大雑把な内容は研修の後に実戦試験形式、見事合格すれば明後日には帰れるだろうよ。と言う訳で、そろそろ帰って寝ておかないと明日キツイぜ?」

 

 勿論嘘である。その正体は上海上陸作戦の決行が明日に決まったと言う事だ。

 ただの棚卸のバイトにしては異常な時間からの研修に唸る明華だが、ある程度面識のあるとは言え、まだ正面切って「何か裏があるでしょ?」とは聞けたものでは無かった。モルガンはこれも織り込み済みだ。故に彼女を傷付けず、それでいて悟られない様、表向きは彼のバイトの教育係の先輩として振る舞い続ける。少なくとも、慧が自らの口で彼女に真実を告げるその日までは。

 

 「分かりました」 

 

 「んじゃ、俺はこの辺で失礼するぜ。デートの邪魔して悪かったな」

 

 慧の了解を確認すると、モルガンは手をヒラヒラと振って足早に公園を去っていった。

 

 「……ねぇ、慧」

 

 「何だ?」

 

 「やっぱり……モルガンさんの言っている事って、嘘、だよね? ホントは裏でもっと凄い事しているんでしょ?」

 

 「明華……」

 

 「だっておかしいよ。高校生なのに夜勤同然の研修が有ったり、空襲の時も良く分からない怪我して戻ってきてたし、普通に変だと思ってた。ずっとずっと前から」

 

 返す言葉も無かった。明華は心のどこかでは気づいていたのだろう。モルガンの言っていたことは恐らくは自分が知りたくない答えを知らなくていいようにする為の気遣いであったことを。

 

 「でも、教えてくれなさそうだったから……ねぇ、慧。私じゃ、力になれない?」

 

 一息着いた後の意を決した問いかけに、慧は何も答えられなかった。心の底で悪いと思いつつも、自分にとって精神的に支えてくれる存在を、日常に、唯の高校生に戻れる場所を失ってしまう事をどこかで恐れていた。

 ……いや、そんなものは唯の自分で決めた勝手だ。だから、

 

 「じゃあさ……明日も弁当、作ってくれよ。行きにバスの中で食べるからさ。そしたら俺、研修を最速で終えて帰って来られるかもしれないし」

 

 「……分かった。じゃあ、バスで食べやすいようにおにぎりとおかず、作っておくから」

 

 今この瞬間は、これでいい。

 だけど、この出撃で上海の空を取り戻したら、必ず彼女に理由を説明して、謝ろう。

 それが俺の、戦場から生きて帰る理由なのだから。

 

 ◆◇◆

 

 イベントシーンが終わった所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 次回はいよいよ燃えないゴミ(ブロウラー軍団)と対峙します。

 




MNHA姉貴を救いたい……救いたくない?
本小説のテーマの一つです。

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