リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生 作:M.T.
全員、裁判場に着いた。
席には、赤いバツ印のついた遺影が2枚増えていた。
…法正君と、銀杏田君だ。
「…。」
あたしは、3枚の遺影から目を逸らした。
『みんな揃ったね!じゃあ、始めるよー!ドキドキワクワクの学級裁判を!』
学級裁判開廷!
『まずは、事件のまとめからだね!じゃあ、議論を開始してくださーい!!』
議論開始
宇田川「僕がファイルを読み上げます。被害者は銀杏田 冷。死亡時刻は、午前1時半頃。男子更衣室で、刺殺による失血で死亡。以上です。」
魅神「んで、死体はそのまま発見された、と。」
「それは違うよ!!」
反論
魅神「はー?俺の発言のどこがおかしいんだよ。」
…魅神君の発言には、明らかな矛盾があった。それを証明する証拠はないか…?
【使用コトダマ:磔の死体】
論破
「…死体は、発見後、誰かの手によって磔にされてるんだよ!」
黒須「それを証明出来る方はいませんか?」
…それは。
【提示コトダマ:九十九君の証言】
「九十九君、君が死体の第一発見者だよね?」
九十九「ああ、更衣室に入ろうと思ったら見てしまったんだ!!!銀杏田君の死体を!!!うおおおおおおおおおお!!!」
宇田川「その時には、死体は磔にされていなかったと?」
九十九「ああ!!間違いない!!!」
アナスタシア「…それが事件の後の出来事なら、今重要じゃない。事件の状況を整理するのが先だ。」
「…そうだね。じゃあ、次は事件の詳細について議論しようか。」
奴目「とりあえず、使われた凶器について話し合わない?」
議論開始
真樹「アイスピックとか?」
相浦「…刃物を使ったのでは?」
千葉崎「ドライバーかもしれんぞ?」
…相浦さんの意見に賛同したい。
【使用コトダマ:消えた包丁】
同意
「厨房から包丁が消えていたんだ。犯人は、それを使ったんだと思う。」
九十九「なるほど…じゃあ、次は犯人は誰か、を絞ってみようか!!!」
真樹「え?いきなり…?」
「うーん…とりあえず大体の犯人像を絞るくらいは、できるんじゃないかな?」
議論開始
金剛寺「…あの状況から察するに、犯人は男性では?」
千葉崎「なぜそう言い切れる?誰にでも犯行は可能だったはずじゃろ?」
「それは違うよ!!」
反論
千葉崎「余の意見のどこが間違っておるというのじゃ!!」
金剛寺「いえ、ですから、女性は男子更衣室には…」
千葉崎「それは常識の問題じゃろうが!!犯人が、こんな状況で、そんな事をいちいち律儀に守る奴だとでも思っておるのか!!」
…いいや、女子は男子更衣室に入れない。だって…
【使用コトダマ:更衣室についての校則②】
論破
「校則に書いてあるでしょ?女子が男子更衣室に入っちゃいけないんだよ。」
魅神「入ろうとしたら、ガトリングガンでエメンタールチーズみたく穴だらけにされるんだと。おお、こわいこわい。」
千葉崎「むぅ…」
宇田川「…となると、金剛寺君の言う通り、犯人は男子という事になりますね。」
金剛寺「そんな、どんな秘密があったのかは存じ上げませんが、何もウチの執事を殺さなくても…」
金剛寺さんは泣き始めた。
…信頼してた執事が殺されたんだから、当然か。
黒須「話を戻しましょう。…ええと、誰方か犯人の手がかりに繋がりそうなものを知っていませんか?どんな物でも構いません。見つけたものがあれば、言ってくださると嬉しいのですが…」
…見つけたもの?アレの事か?
【提示コトダマ:薬品の染み込んだハンカチ】
「…更衣室で、こんなものを見つけたんだけど。」
奴目「なにそれ?ハンカチ?…うわっ、臭っ!!」
相浦「…強力な麻酔薬、でしょうか。」
佐伯「これが落ちてたって事は、薬に詳しい奴の犯行って事か?」
…薬に詳しい人…指名した方がいいのだろうか?
人物指定
「…宇田川 譲治君、心当たり無いかな?」
宇田川「…僕、ですか?…いえ、全く。」
佐伯「嘘つけ!!もう怪しいのはお前しかいねーんだよ!!」
宇田川「落ち着いてください。そんなハンカチ、僕は知りません。」
奴目「でも、この中で薬に一番詳しいのは、ジョージ君、君だよね?」
宇田川「だからって僕が犯人とは限らないでしょう?」
魅神「嘘つけよー。怪しすぎんだよお前ー。」
…ちょっと待って、本当にこんなに簡単に犯人が決まっちゃっていいの?
「みんな、もう一回落ち着いて議論してみようよ。」
真樹「…確かに、意外と早く犯人決まっちゃったけど…でも、もう議論する必要ないでしょ?」
「もっとちゃんと考えて!!」
真樹「ひぃいいい!!」
議論開始
宇田川「僕は犯人ではありません。」
佐伯「嘘つけ!現に犯人が落としたハンカチが見つかっただろ!!」
「…いや、多分違うんじゃないかな?」
反論
佐伯「はぁ!?オレなんか間違った事言ったか!?」
…佐伯君は、確かに間違った事を言った。そう言える根拠は…
【使用コトダマ:小林さんの証言】
論破
「小林さんが教えてくれたんだけど、そのハンカチ、死体が発見された時は落ちてなかったんだって。…だから、犯人が落としたものとは言い切れないんじゃない?」
小林「うん!!そんなハンカチ、最初はなかったのだ!!」
佐伯「…じゃあ、犯人と、ハンカチを落とした奴は別って事か?」
黒須「そう考えるのが自然でしょうね。わざわざ、一旦更衣室を出て行った後で戻る理由はないでしょう。…銀杏田君が磔にされていたのも、九十九君が死体を発見した後でしたし…おそらく、ハンカチを落とした人物と、磔にした人物は同じでは?」
相浦「…なんのためにわざわざこんな事を…」
黒須「捜査を撹乱するためのイタズラ、と言ったところでしょう。」
宇田川「言っておきますが、僕ではありませんからね。僕がこんな、子供じみたイタズラをするわけがないでしょう。」
真樹「じゃあ、誰がこんな悪質なイタズラを…?」
魅神「俺でーす!さぁせんしたー。」
一同「!!!?」
魅神「いやー、まんまと踊らされてるお前らの顔、傑作だったわwwwこりゃあ仕込んだ甲斐があったわー。」
佐伯「て、テメェ…!なんでこんなクソみてぇなイタズラしやがった!!」
魅神「えー?だってさ。その方が面白くなりそうだったから。ただ学級裁判すんのなんて、もう飽きたんだよねー。…だ、か、ら、俺がスリルっていうスパイスを加えてやったのよ。いやあ、みんなこのまま宇田川クンを犯人にしちゃうんじゃないかって思って、ちょっとヒヤヒヤしたよw」
金剛寺「そんなくだらない事のために、わざわざウチの執事の死を弄んだんですの!?ふざけないでくださいまし!!!」
魅神「いいねえ…その表情!!最っ高にゾクゾクするねぇ!!!」
奴目「一歩間違えば君も死んでたんだよ!?どうしてこんな…」
魅神「結果的に死んでねえからいいだろー?…俺はな、一歩間違えば死ぬっつー、スリリングなギャンブルがしてぇだけなんだよ!!生きた心地がしないシチュエーションで、運良く生き残る…それこそ最高のエンターテインメントだろうがよぉ!!」
佐伯「いかれてやがる…」
真樹「そんなクソギャンブルにアタシらを巻き込んでんじゃねえよ!!」
魅神「怖いなぁ〜、言っとくけど、暴力はナシだぜ〜?」
アナスタシア「…なぜ今になって白状した?」
魅神「いや、だって夏川ちゃんがもう気づいちゃったっぽいし?これ以上茶番を続ける理由はないかなって。」
黒須「茶番って…貴方が始めた事じゃないですか。」
魅神「ん〜?」
「…みんな、魅神君に怒ってる暇があるなら、早く議論を始めようよ。」
宇田川「そうですね…無駄話に時間を使いすぎました。」
魅神「つまんねーの。」
「…じゃあ、次は銀杏田君の、死亡時の状況について議論しようか。」
議論開始
真樹「イチョウダは、刃物でブッ刺されたんだろ?」
相浦「それで、抵抗も虚しく殺害されてしまったと…」
「それは違うよ!!」
反論
奴目「メグメグ!君、つぐみんの言ってることが間違ってるって言える根拠はあるの!?」
相浦「…ごめんなさい、私何か間違った事言いましたか…?」
…相浦さんの発言が正しくない根拠。それは…
【使用コトダマ:モノクマファイル】
論破
「銀杏田君の死体には、抵抗した痕は残ってなかったんだよ。」
真樹「え!?でも、イチョウダは誰かに殺されたんでしょ!?抵抗せずに、ただ殺されるのを黙って待ってたって事になるじゃん!」
黒須「ハンカチの睡眠薬を使ったわけではないとすると…そうなりますね。」
金剛寺「…自殺の可能性は?」
宇田川「…低いでしょうね。自分ではさせない部分にまで刺し傷があったので。」
佐伯「じゃあ、銀杏田の奴、自分が殺されるのを受け入れたって事かよ!?普通そんな事できっかよ!?」
…そう、普通できないはずなんだ。…でも彼の事だ。あの人が相手なら、あり得たかもしれない。
人物指定
あたしは、躊躇いながらも、ゆっくりとその人を指差した。
「金剛寺 恵麗奈さん、君なら何か知ってるはずだよね?」
金剛寺「わ、
議論開始
金剛寺「
「異議あり!!」
反論
金剛寺「
「…確かに、普通に考えればそうかもしれない。でも、あの校則には穴があったんだよ!!」
【使用コトダマ:更衣室についての校則①】
論破
「…そう、あの校則には、『自分』の電子生徒手帳を使え、なんて一言も書いてなかった!!…使った電子生徒手帳で性別が判断されるんだとしたら、女子でも、男子の手帳を使って男子更衣室に入る事は出来るよね!?」
相浦「…可能なんですか、そんな事!?」
『うん。できるよ。うぷぷ…まさか、校則で禁止されてないからってそんな非常識な事をする生徒がいるとは思わなかったけどね。』
金剛寺「で、でも、そもそも人に電子生徒手帳を貸してはいけないと…」
「うん。貸すのはダメだよ。だけど…」
【提示コトダマ:更衣室についての校則③】
「…借りたり、盗んだりするのがダメとは一言も書いてないよね!?」
金剛寺「なんなんですの!?さっきから!!
「でもさ、さっきおかしな事言ってなかった?」
金剛寺「おかしな事…?」
…そう、金剛寺さんの発言には、明らかな矛盾があった。
【提示コトダマ:動機】
「…金剛寺さん、さっき『どんな秘密があったのかは存じ上げませんが』って言ってたよね?…でもさ、犯人の動機が今回配られた『秘密』とは限らないんじゃないの?…君が犯人じゃないなら、どうして犯人の動機を知ってるのか、教えてくれるかな!?」
金剛寺「そ、それは…だ、だって…普通、動機って言ったら、学園長先生がお配りになったものだと…」
「…顔色が悪いよ。何かやましい事でもあるの?」
金剛寺「…う。」
金剛寺「うるっせぇんだよクソがぁ!!!」
金剛寺さんが、口汚くあたしを罵り始めた。
あの気高くて華麗な金剛寺さんからは、とても想像もできない一面を露わにしながら。
魅神「あーあ。ついに本性を現したね。」
金剛寺「さっきから黙って聞いてりゃ、人の揚げ足取ってるだけじゃねえかよ!!そこまで言うなら、私がやったっつー証拠を見せてみろよ!!!」
「…わかった。順を追って説明するよ。」
千葉崎「まず、夏川殿は、女子でも男子更衣室に入れると言っておったが…どうやって入ったのかのう。」
「…それは。」
…考えろ、どうやって、あの校則をかいくぐったんだ?
閃きアナグラム
次々と浮かんでくるピースを当てはめて…
これだ!!
「…佐伯君の手帳?」
千葉崎「な、なんじゃと!!?犯人は、佐伯殿の電子生徒手帳を使ったというのか!!?」
佐伯「で、でも俺はちゃんと自分の手帳を持ってるぞ!?」
…それは、アレの事か。
【提示コトダマ:壊れた電子生徒手帳】
「…それって、例の壊れた手帳の事だよね?」
佐伯「そうだよ!」
「…それ、多分佐伯君のじゃないよ。」
【提示コトダマ:佐伯君の証言】
「…それ、多分金剛寺さんの手帳だよ。トイレに行く途中、ぶつかって落としたんでしょ?多分、その時にすり替えられたんだよ。」
佐伯「な、何ィ!!?」
相浦「…でも、それって校則に引っかからないんですか?」
「佐伯君。確認だけど、君は自分で金剛寺さんの手帳を手に取ったんだよね?」
佐伯「お、おう。」
「だったら校則に引っかからないはずだよ。『お互いに手帳を借りた』っていう認識になるからね。」
宇田川「…佐伯君が手に取った手帳が壊れていれば、それが犯人のものかどうか確認する術はなくなる…だから、わざと壊したんですね。」
「…実際、佐伯君も、手に取った手帳を自分の手帳だと勘違いしてたしね。」
黒須「では、次は壊し方ですかね…」
議論開始
小林「ぶっ叩いたんだよきっと!!」
宇田川「…高電圧で壊したとか…」
奴目「水没させたのかもよ?」
魅神「燃やしたとか?」
…魅神君の意見が近そうだ。
【使用コトダマ:電子生徒手帳の弱点】
同意
「…さすがに燃やしたわけじゃないと思うけど、多分熱を加えたっていうのは合ってると思うよ。この電子生徒手帳、長時間高熱にさらされるとすぐ壊れるらしいから。」
真樹「でも、どうやって…」
…あったはずだ。その条件を満たせる場所が。
【提示コトダマ:サウナの中の電子生徒手帳】
「…多分、ずっとサウナの中に置きっ放しにしたんだよ。」
真樹「あ、アタシが見つけたやつ!!コンゴウジ!あれ、アンタのだったの!?」
金剛寺「黙れメスブタがぁ!!!」
真樹「ひぃいい…!」
金剛寺「…ていうかさ、テメェらいい加減にしろよマジで!!」
議論開始
金剛寺「そもそも、佐伯のバカが手帳を落として壊したのかもしんねえじゃねえかよ!!熱暴走で壊れたとは限らねえだろ!?」
「異議あり!!」
反論
金剛寺「今の発言のどこがおかしいんだよ!!」
【使用コトダマ:電子生徒手帳の耐久性】
論破
「電子生徒手帳は、うっかり落とした程度じゃ壊れないんだよ!!」
金剛寺「…だったら、私が壊す方法を知ってんのはおかしいだろ!!?それがわかんのなんて、相浦しかいねえんだからよ!!」
「それは違うよ!!」
反論
金剛寺「私が壊す方法を知ってるって言いたいわけ!?」
【使用コトダマ:銀杏田君の発言】
論破
「銀杏田君が、相浦さんに手帳の解析をお願いしたんだって。…主人の君なら、その内容を知っててもおかしくないと思うけど?」
金剛寺「はぁあ!?」
奴目「でも、それだと説明できない事があるよ。」
「…奴目さん?」
奴目「…私、レイ君の死亡時刻から20分くらい経った頃かな、レナっちの姿を見てるんだよね。でも、全然変わった様子はなかったよ?」
黒須「…そういう事ですか。もし刺殺したなら、返り血が付いているはずですから、犯行直後は、それを落とすために部屋にいるはずですからね。」
奴目「特に、レナっちの事だから、シャワーで帰り血を落として、元通りの状態に着替えるには、20分じゃ足りないはずなんだけど…。」
金剛寺「ほら見ろ!!テメェの妄想は穴だらけなんだよ!!」
議論開始
九十九「気合いで蒸発させたんじゃないか!!?」
黒須「…何かで返り血を防いだのでは?」
千葉崎「返り血を浴びぬよう、マッハで動いたのかもしれんぞ?」
…黒須君の意見に賛同したい。
【使用コトダマ:消えた傘】
同意
「…傘で防いだんじゃないかな?それなら、返り血を浴びる部分は最小限で済むからね。」
金剛寺「…ぐっ、で、でも、証拠はあんのかよ証拠はぁあ…!」
アナスタシア「…そんなに無実を証明したいなら、今すぐ自分の手帳を見せろ。」
金剛寺「…え?」
「それが金剛寺さん、君の手帳なら、今まで疑った事を謝るよ。…君が犯人じゃないなら、見せてくれるよね?」
金剛寺「え…えっと…」
アナスタシア「先に言っておくが、失くした、なんていうのはナシだぞ。」
真樹「ほら、さっさと見せろよ!!」
金剛寺「やめろっつってんだろクソがぁあああ!!!」
奴目「レ…レナっち?」
「…どうやら、その動揺っぷりは、君が犯人って事で良さそうだね。…じゃあ、答え合わせをするよ。」
金剛寺「やだ…お願い…やめて…やめてやめてやめて…!」
クライマックス推理
次々と頭の中に浮かぶピースを組み立てて…
…これが、事件の真相だ!!
Act.1
まず、犯人は、執事である銀杏田君に、電子生徒手帳の仕組みを調べてくるように命令したんだ。相浦さんに、手帳の弱点を教えてもらった銀杏田君は、それをそのまま犯人に報告した。手帳の弱点が熱だって知った犯人は、自分の手帳をサウナに置いた。…でも、ここで犯人は致命的なミスを犯してしまったんだ。なんと、自分の手帳を、真樹さんに発見されてしまった。…まあ、そこで真樹さんが詮索しようとしなかったのが、犯人にとっての救いだったんだけどね。
Act.2
自分の手帳が完全に壊れた事を確認した犯人は、その後、自分の手帳と男子生徒の手帳をすり替えるために、佐伯君に接触した。犯人は、佐伯君とわざとぶつかり、自分の手帳と佐伯君の手帳を床に落として、佐伯君よりも先に彼の手帳を回収した。残った犯人の手帳を自分の手帳だと勘違いした佐伯君は、そうとも知らずに犯人の壊れた手帳を回収してしまったんだ。
Act.3
そして、傘と包丁を盗み、佐伯君の手帳を手に入れた犯人は、彼の手帳を使って堂々と男子更衣室に入っていった。そこであらかじめ男子更衣室に待機させていた銀杏田君を、傘の先端に包丁をくっつけた凶器で銀杏田君をメッタ刺しにして殺害。銀杏田君は、犯人が自分の主人だったから、抵抗できずにそのまま死んでしまったんだろう。犯人は、そのまま男子更衣室を後にした。
Act.4
部屋に戻って、最低限の返り血の処理をした犯人はそのあと、アリバイ作りのために、奴目さんの前に姿を現した。返り血は傘で防いでいたから、本来返り血の処理で費やすはずの時間を省略することができたんだ。そして、銀杏田君の死体を、男子更衣室に来た九十九君が目撃したというわけだよ。…まあ、九十九君がみんなを呼びに行っている間に、魅神君が更衣室に侵入して、死体を磔にしたり薬の染み込んだハンカチを落としたりっていうくだらないイタズラを仕掛けたわけなんだけど…。
「…これが事件の真相だよ。…そうだよね!?
『超高校級の令嬢』金剛寺 恵麗奈さん!!!」
「っ、うぁああああああああああああああぁああああああああああああぁああぁああああああああああああぁああああああああ!!!!」
金剛寺さんは、大声で叫んだ。