リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生   作:M.T.

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第3章(非)日常編③

夕食をみんなで食べた。

 

宇田川君が不機嫌だったので訳を聞いてみると、夕食の準備をしている時に、魅神君が相浦さんの目を盗んで夕食にデスソースを大量に入れようとしていたとの事だった。

 

その後、魅神君は、相浦さんが作ってくれた料理を無駄にしようとした罰で、宇田川君と黒須君にボコボコにされたらしい。

 

タコ殴りにされた魅神君は、笑いながらごはんを食べていた。

 

反省しているそぶりは全く見られなかった。

 

…どうなってんのこの人の体とメンタル。

 

食事の後、急にモノクマが現れた。

 

『やっほー!みんな、ちゃんと殺人の計画立ててる?…っていうかオマエラ、コソコソ何かやってるみたいだけど、何してんの?ボクだけのけ者…もとい、のけグマにするとか酷くない?』

 

…アルターエゴのことか?

 

なんとか、バレないように話をごまかさなくちゃ。

 

「んだよ、別にあからさまに校則に違反してるわけじゃねえからいいだろ。」

 

佐伯君がめんどくさそうに言った。

 

『なるほど!バレなきゃ何やっても罪にはならないってわけ!…いやあ、さすが佐伯クン!あったまいー!』

 

モノクマは、わかりやすく皮肉を言った。

 

…このまま話を続けられては、アルターエゴの事がバレてしまう。

 

なんとか話題を変えられないか…?

 

「…さっさと本題に入れ。まさかとは思うが、貴様の勝手な憶測で私達を吊るすために、わざわざ姿を現したわけじゃないだろうな?」

 

アーニャちゃんは、憶測で人を判断するなという正論を盾に、モノクマを急かした。

 

…ナイスな躱し方だな、とあたしは思った。

 

『まあ、これ以上問い詰めても結論は出ないだろうし、いいでしょう。今回はズバリ!オマエラにスペシャルな動機を持ってきてあげたよ!』

 

動機、か。まあ予想はついてたけど。

 

今回は何だ…?

 

『うぷぷ…今回の動機…それはね…』

 

 

 

 

お金だよ!』

 

…。

 

…。

 

は?

 

『この中で一番早く人を殺した人には、もれなく100億円をプレゼントしちゃうよ!』

 

…バカバカしい。あたしたちは、どんなに心の弱みにつけ込まれても、ここまで生き残ってきたんだ。

 

今更お金なんかで人を殺すわけがない。

 

その考えを、小林さんが代弁してくれた。

 

「テメェ…何がしてぇか知らねえけどよ、今更金なんかで殺すと思ってんのか!?あぁ!!?このクソクマァ!!!」

 

どうやら、お金程度で友達を殺すと思われた事が気に食わなかったらしい。

 

不良モードでモノクマを脅していた。

 

『チッチッチ、甘いね、小林さん!…人はね、その気になればお金のために何万人でも何億人でも殺す生き物なんだよ!相手がたとえ家族や友達だろうとね!…すでに、この中にいるんじゃない?どうしてもお金が欲しいって思ってる人がね。』

 

「お金の力って怖いよね〜。だってさ、すでにもうお金のために人を殺してる誰かさんがいるでしょー?」

 

魅神君は、アーニャちゃんを見ながら言った。

 

「…ふん。」

 

アーニャちゃんは、そっぽを向いた。

 

…確かに、この中にお金が欲しい人がいることは否定できない。

 

すでに金の奴隷…もとい真樹さんは、お金を何に使うかの計算を始めている。

 

『まあ、そこのゲロブタあたりは、明日には誰か殺してるんじゃない?』

 

…真樹さんの事か。

 

『あ、そうそう。あと、オマエラに追加ルールの報告をしなきゃね!』

 

「追加ルール?」

 

『同一のクロが殺せるのは、最大で2人まで!』

 

「…どういうつもりです?貴方は、僕たちに殺し合いをさせたかったのでは?」

 

『だってさー、自分以外の全員殺して脱出、なんて真似されたら学級裁判もクソもなくなっちゃうでしょ?…じゃ、そういう事で。まったねー!』

 

モノクマは上機嫌で去っていった。

 

「…あたし、絶対お金なんかでみんなを殺したりなんかしないから!!…みんなもそうだよね?」

 

あたしは、みんなに確認をした。

 

「…と、当然です!…私、皆さんのうちの誰かを殺して手に入れるお金なんて、いりません!」

 

「あの胡散臭い学園長が、本当にお金をくれるとも思えませんしね。どうせ、人を殺して裁判で生き残ったとしても、お金は貰えずに学園長に殺されるのがオチです。」

 

「オレも、お金よりみんなの方が大事だ!!!」

 

「ボクはお金なんていらないのだー!!」

 

「お金は諸悪の根源です。そんな雑念は捨てて、共に我らが父に祈りを捧げましょう!」

 

「俺もいっかな〜。俺は、スリリングなゲームを楽しめりゃそれでいいからさー。」

 

「余は、ここの暮らしにも慣れてきたしのぉ。平和が一番じゃ。」

 

「…私にも処刑人としてのプライドがある。いくら金を積まれても、こんな状況で殺しをするのは私のプライドが許さん。」

 

 

「…100億!!?そんだけありゃあ、一生遊んで暮らせるどころか、豪邸に住んで、毎日上手いもん食って、キレーなねーちゃんと遊びまくって…やりたい放題じゃねえか!!ウッヒョー!たまんねー!!」

 

(佐伯君!!?)

 

「…なーんてな。冗談だよ。みんなを殺して手に入れたモンに囲まれたって、そんなのは本当の幸せじゃねえだろ?」

 

(…佐伯君、意外といい事言うじゃんか…)

 

良かった。みんな、あたしと同じ意見だ。

 

…そうだよね、みんな、人を殺してまでお金を手に入れるなんて、望んでないよね。

 

「…奴目さんも、皆さんと同じ意見ですよね?」

 

「…え?あ、うん…」

 

「おいゲロブター。まさかとは思うけど、この期に及んで変な気起こしたりしねーだろーな?」

 

「ひぅううぅ…!」

 

みんなの確認が終わった後、流れ解散となった。

 

 

部屋で寝る準備をしていると、ドアのノック音が聞こえた。

 

ドアを開けると、奴目さんが立っていた。

 

「…あのさ、メグメグ。こんな時間に悪いんだけど、娯楽室にあるカラオケに行かない?」

 

時計を見ると、まだ9時台だった。

 

「いいけど…なんで急に?」

 

「なんかさ、みんなともっと仲良くなりたいなって思って!つぐみんとかタケちゃんとかも誘ったから、メグメグもおいでよ!」

 

「…え。魅神君も誘ったの?」

 

「ほーらー、文句言わない!」

 

結局、あたしたちはカラオケに行く事になった。

 

 

カラオケには、全員来ていた。

 

「あれ?意外…アーニャちゃんも来てたんだ。」

 

「私がカラオケにいちゃダメか?」

 

アーニャちゃんが凄んできた。

 

「いや、別に…ダメでは、ない…です…」

 

つい、萎縮してしまった。

 

「アーニャちゃん、カラオケに行った事ないらしいからさ。体験させてあげようと思って。…リサっち。マイク取って。」

 

「メダル30枚。」

 

「…やっぱいいや。自分で取るよ。…はーい、じゃあ歌うよー!」

 

 

みんな、それぞれ歌った。

 

奴目さんは、見事な歌声を披露してくれた。

 

真樹さんとあたしは、イマドキの女子が歌うような曲を歌った。

 

意外にも、宇田川君が結構上手かった。

 

…ボイパを趣味にしてるのとなんか関係あんのかな?

 

相浦さんにも好評だったようだ。

 

相浦さんは、恥ずかしいからと言ってほとんど歌わなかった。

 

黒須君は、教会で聞くような曲ばっかり選曲していた。

 

聞いてて眠くなってしまった。

 

アーニャちゃんは、外国語の童謡を歌っていた。

 

意外と可愛らしい趣味のようだ。

 

九十九君は、声量が大きすぎて近くにいた佐伯君にマイクを取り上げられていた。

 

正直、鼓膜が破れるんじゃないかと思った。

 

佐伯君は、なんかチャラそうな曲ばっかり歌っていた。

 

千葉崎さんは、カラオケで歌う代わりに和歌を詠んでいた。

 

魅神君は、変な声を出してマイクを壊そうとしていたので、強制的にやめさせた。

 

…小林さんの歌は、聴くに耐えなかった。

 

あの無邪気な性格からは想像もつかないような禍々しい歌声を披露し、その場にいたほぼ全員を戦慄させた。

 

なぜか、千葉崎さんと魅神君にはめっちゃウケてたけど。

 

一通り歌った後は、雑談をした。

 

「楽しかったね!」

 

「…小林さんの歌は…ちょっとアレだったけどね。」

 

「…良く言えば音痴悪く言えば地獄。」

 

「アーニャちゃん、それ結局どっちも悪く言ってるでしょ…っていうか、人が濁して言ったことをオブラートに包まずに言うのやめようよ…」

 

「そうか?余は、とても良いと思ったのじゃが…」

 

「…マジでアンタどんな耳してんの…」

 

「えへへへ…もう一曲歌っちゃおっかな?」

 

「やめろ!!」

 

つい、止めてしまった。

 

あの歌声をまた聞かされるのを体が恐れたせいか、反射的に声が出ていた。

 

「…ねえ、みんな。私から一ついい?」

 

奴目さんが、何か言いたそうだった。

 

「…私、メグメグに意見聞かれたとき、迷ってたんだ。」

 

「え?」

 

「…私の家、お金で困っててさ…お父さんが、友達にすごい額の借金押し付けられちゃって…私の、歌姫としての活動でも返せるかどうかわかんないくらいのね。…だから、家族のみんなを助けてあげるためにも、どうしてもお金が欲しかった。お金なんかいらないって、言えなかった。…本当にごめんね。」

 

「そっか。…あたしからも、ごめんね。そんな事情があったなんて知らなくて…無理矢理言わせようとしちゃってたんだよね。」

 

「…奴目さん…家族を助けようとしてたんですね。…すごい、立派だと思います。」

 

「エラいぞ!」

 

「うむ。お主は家族想いじゃのう。」

 

「…ありがと。…メグメグ、つぐみん、コトちゃん、りむりむ…」

 

「…そうだ!だったらその借金返すの、オレらも手伝ってやるよ!」

 

「…コタちゃん…でも…」

 

「オレらをなんだと思ってんだ?ここにいる超高校級全員の力を合わせれば、奴目ちゃんの借金を返せる額稼ぐのなんて、あっという間だろ!?」

 

「皆さんで協力しましょうね。」

 

「…コタちゃん、ひー君…」

 

「うぉおおおおおおおおお!!!奴目君!!すまなかった!!!君がそんな悩みを抱えてるなんて…気づいてやれなくて、本当にすまなかった!!!」

 

九十九君が号泣していた。

 

「…つくもも君…いいよ、私の方こそ、ごめんね、」

 

奴目さんが、本心を話してくれた。

 

誰も、責める人はいなかった。

 

今度こそ、心から信頼し合えたような気がした。

 

 

その後、数十分くらい雑談を続けていた。

 

「…あれ?奴目さんと真樹さん、もう眠いの?」

 

「…うん、ちょっとね。」

 

「ダメだよ、自分の部屋で寝ないと…って、もう寝てる…」

 

ブツンッー

 

急に目の前が真っ暗になった。

 

「えっ、何!?停電?」

 

「暗いのだー!!」

 

ボスッ

 

「ッ゛ー!!!ゲホッ、あ゛ッ…」

 

奴目さんの声だ。

 

「えっ、ちょっと…アンタ何を…キャァアアアアアアアアアアア!!!」

 

ゴッ

 

真樹さんの声が響いた。

 

「…ブ、ブレーカーが落ちたのかも…私、見てきます!」

 

足音がして、しばらく経った。

 

電気が回復した。

 

…信じられない光景が、目に飛び込んできた。

 

そこでは、頭から血を流して倒れている

 

 

 

『超高校級のネイリスト』真樹 亞里沙の死体と、

 

椅子に座ったまま胸から血を流して死んでいる

 

 

 

『超高校級の歌姫』奴目 美羽の死体が発見された。

 

【生徒数】残り10名

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