リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生 作:M.T.
…嘘だ。
あんなに明るくて、みんなを盛り上げてくれていた奴目さんが。
むやみやたらにお金はせびるけど、本当はいい人だった真樹さんが。
…あたしは、そんな二人を殺した犯人が許せなかった。
「うぉわぁああああああああ!!!」
「ぎゃわあああああああああああ!!!」
叫び声を上げたのは、佐伯君と小林さんだった。
「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
九十九君は、仲間の死を嘆き悲しんでいた。
「…。」
宇田川君は、顔を真っ青にしながら呆然と突っ立っていた。
「…奴目殿…真樹殿…」
千葉崎さんは、座り込んで抜け殻のようになっていた。
「おお、神よ…」
黒須君は、二人の死体に向かって祈りを捧げていた。
魅神君とアーニャちゃんは、相変わらず平気そうな顔をしていた。
「皆さん!ブレーカーをつけてきたんですけど…どうし…」
「!!!」
帰ってきた相浦さんが、見てしまった。
目の前の惨状を。
「そんな…奴目さんと、真樹さんが…」
「いやぁあああああああぁあああああああああ!!!」
『あー、起きちゃったね。殺人が。』
モノクマが後ろから現れた。
『それじゃ、お待ちかねの捜査タイム!!みんな、学級裁判に向けて頑張って捜査してよね?』
「待て。」
『何?アーニャちゃん。』
「…今回の殺人は、暗闇の中で起きた。…貴様は、事件当時の状況を把握できているのか?」
『ああ、それなら…この監視カメラは、暗闇に対応した機能が付いておりますので、映像の方はバッチリです!…それじゃ、ファイル送っといたから参考にしてね!』
モノクマは去っていった。
「…ごめんなさい、私、捜査から抜けます…」
相浦さんは、泣きながらカラオケボックスを後にした。
「そんな…貴女が捜査してくれなければ、正しいクロを特定できないかもしれないんですよ…?」
黒須君は彼女を引き止めた。
「…ごめんなさい。…私、正直それでもいいと思ってるんです。…奴目さんは、こんな私と仲良くしてくれた、大事なお友達だったんです。…真樹さんも、皆さんが思っているより悪い人じゃありませんでした。…皆さんの足を引っ張ってしまう事は分かっています。…ですが、二人が亡くなってしまった今、私にはもう生きる気力なんて…」
…誰も、責める事はできなかった。
きっと、彼女の心はもう限界だったんだ。
「…無理に参加しようとしなくていいですよ。…元気になったら、いつでも戻ってきてくださいね。」
宇田川君は、優しく声をかけた。
以前の彼なら、「個人の感情で人の足を引っ張るな」とか言いそうだったけど…
…宇田川君も、変わったんだな。
「…はい。…ありがとうございます。」
◇
…まずはファイルに目を通そう。
1人目の被害者は、奴目 美羽。
死亡時刻は、午前0時頃。
3階の娯楽室にあるカラオケボックスで、椅子に座りながら死亡していた。
死因は、刺殺による失血死。
心臓を刃物のようなもので背後から一突きされたような痕がある。
【コトダマ入手:モノクマファイル①】
心臓を、刃物のようなもので背後から刺されたとある。
2人目の被害者は、真樹 亞里沙。
死亡時刻は、午前0時頃。
3階の娯楽室にあるカラオケボックスで、床に倒れた状態で発見された。
死因は脳挫傷。
頭部に打撲痕があり、出血している。頭蓋骨は陥没しており、何者かに殴られたと思われる。
【コトダマ入手:モノクマファイル②】
何者かに殴られたとある。
「…ん?…これは。」
血の付いたマイクが転がっていた。
血は、多分真樹さんのものだろう。
【コトダマ入手:血液の付いたマイク】
真樹さんの血液が付着している。
「あれ…?真樹さんが何か握ってるな…」
これは…?白い布片…?
見たところ、手袋のようだ。
【コトダマ入手:白い布片】
手袋が破れたもののようだ。
…もう少し調べてみよう。
ん?真樹さんの爪に何かこびりついてるな…これは…血?
【コトダマ入手:爪にこびりついた血液】
真樹さんの爪に付いていた。誰のものかは不明。
「…僕から少し報告が。」
発言したのは、宇田川君だった。
「奴目君と真樹君の飲んでいた飲み物から、睡眠薬が検出されました。」
【コトダマ入手:睡眠薬】
二人の飲み物に入っていた。
「ボクからもホーコクなのだー!!!なんか、ミウのうめき声が聞こえる前、『ボスッ』っていう音が聞こえたのだ!」
「それは僕も聞きました。」
【コトダマ入手:小林さんの証言】
妙な音が聞こえたという。
「あと、なんかずっと『ゴー』っていう音も聞こえなかった?」
「…そんな音しましたか?」
「もしかして、空気清浄機の作動音じゃない?」
「多分それ!」
【コトダマ入手:空気清浄機】
小林さんが作動音を聞いたという。誰かがスイッチを入れていたのだろうか。
「…なあ、俺からも一個いいか?」
佐伯君が報告に来た。
「昨日、作品の続きを作ろうと思って美術室に行ったんだよ。そしたら、木材とか色々無くなってたんだよ。」
「…でも、それ今関係ある?他にもなんか作りたかった人がいて、それで持ってったんじゃない?」
「いや、オレ、自分の作品には絶対に触らせない主義だから、探索の後は立ち入り禁止にしてたんだよ。…ちょっとトイレ行ってる間に勝手に入られたのかなぁ…」
「君が知ってる中で、美術室に入ったのはあたしと君と奴目さんだけなんだよね?」
「…だと思ってたんだけどな。」
【コトダマ入手:消えた美術室の備品】
いくつか無くなっていたらしい。
【コトダマ入手:美術室の入室状況】
美術室探索組以外は美術室には立ち入っていないはずだが、佐伯君の目を盗んで何者かが侵入した可能性あり。
「うむ。余は、どうやら重大な発見をしてしまったようじゃ。」
千葉崎さんが報告に来た。
「イスに、刃物のキズのようなものと、凹みがあったぞ。…キズの位置は、奴目殿の死体の位置と一致しておったわ。」
【コトダマ入手:ソファのキズと凹み】
キズは、奴目さんの刺し傷と同じ場所にあった。
「…もしかして…ねえ、ちょっといい?」
「…あ、お主!まだ捜査のとちゅ…」
ガバッ
ソファのカバーを外すと、端に血の付いたナイフが取り付けられた長い木材があった。
木材は、棒のようなものが取り付けられ、回転するようになっていた。
【コトダマ入手:謎のオブジェ】
片端に血の付いたナイフが取り付けられており、回転するようになっている。
「ねえー、コレ何だと思うー?」
魅神君は、暗視ゴーグルを持ってきた。
「…どうしたのそれ。」
「イスの下に落ちてたー。」
【コトダマ入手:暗視ゴーグル】
ソファの下に落ちていた。犯人が使ったものだろうか?
「なんか、向こうの部屋で妙なものを見つけたぞ!!!」
報告したのは、九十九君だった。
九十九君が連れてきたのは、空き部屋だった。
「見てくれ!!!この部屋、家電が全部付けっ放しになっているんだ!!!」
「なにこれ…こんな事してたら、ブレーカーがすぐ落ちちゃうじゃんか!!」
「…ん?…!!」
「…そういう事か。」
【コトダマ入手:付けっ放しの家電】
家電が、空き部屋で付けっ放しになっていた。
【コトダマ入手:ブレーカー】
ブレーカーが落ちたのが、停電の原因と思われる。
「アーニャちゃんからは何か報告ある?」
「…参考になるかはわからないけど、このカラオケ大会を企画したの、奴目じゃないらしい。」
「…じゃあ、誰?」
「黒須が、たまには息抜きもいいんじゃないか、奴目の歌でみんなをリフレッシュさせよう、的な事をアドバイスしたそうだ。」
【コトダマ入手:アーニャちゃんの証言】
カラオケ大会を企画したのは、黒須君らしい。
最後にアルターエゴにも意見を聞こうと思ったが、モノクマの監視の目があって、聞くことはできなかった。
『オマエラ、そろそろ学級裁判始めちゃいますよ〜?至急、赤い扉まで集合してください!!』
あたしたちは、エレベーターに乗り込んだ。
…そして、エレベーターが動き出す。