リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生   作:M.T.

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第4章 非日常編②

みんな、裁判場に着いた。

 

今回も、遺影が2枚増えていた。

 

黒須君と九十九君の遺影だった。

 

「…モモゾー…」

 

小林さんは、俯いていた。

 

…小林さんは、きっと九十九君の事が好きだったんだ。

 

それなのに九十九君が殺されてしまったから、きっと犯人の事を許せないと思ってるはずだ。

 

あたしは、何としてでも犯人を見つけなきゃいけないと思った。

 

…小林さんのためにも。

 

 

みんな一通り席に着いた。

 

『全員揃った?』

 

「…魅神さんの姿が見えませんが?」

 

『ああ、魅神クンなら、モノウイルスに感染してるから、無菌室でお留守番だよ。裁判には、中継っていう形で参加してるから、そのまま裁判始めるよ!』

 

魅神君の席を見ると、大きなタブレットが立て掛けてあった。

 

『やっほー!みんな、もう裁判場に着いたー?俺は梨でも食いながら裁判見てるから、頑張って裁判してね〜!』

 

「ふざけんな!!君も参加しろ!!」

 

『夏川ちゃんこっわ〜い!』

 

魅神君は、梨を頬張りながら煽ってくる。

 

『よし、全員揃ったね!じゃあ、始めよっか!ドキドキワクワクの学級裁判を!』

 

 

 

学級裁判開廷!

 

 

 

『まずは、事件のまとめからだね!じゃあ、議論を開始してくださーい!!』

 

 

 

議論開始

 

佐伯「…じゃあ、今回はオレがファイル読むわ。被害者は九十九 百三。死亡時刻は午後11時頃無菌室のベッドで横になった状態で死亡。死因は刺殺による失血死。心臓部に、刃物で刺されたような痕が見られる。…みんな把握してるだろうけど、一応な。」

 

千葉崎「無菌室で死んだんじゃから、病死ではないのか?」

 

 

「異議あり!!」

 

 

反論

 

千葉崎「お主、余の申したことが間違っておると申すか!!」

 

…アレを見せてみよう。

 

 

【使用コトダマ:モノクマファイル】

 

 

論破

 

「佐伯君が言ってくれたけど、九十九君は刃物で刺されて死んでるんだよ!」

 

千葉崎「そうじゃったの。…すまん。」

 

宇田川「次は、凶器の特定ですかね。」

 

「凶器なら、心当たりがあるよ。」

 

 

【提示コトダマ:消えた刺身包丁】

 

 

「…刺身包丁が、厨房から消えていたんだ。…それで刺し殺したんじゃないかな?」

 

魅神『ふーん。…ところでさー、九十九キュンは本当にただの刺殺だったのかにゃ?変わったとことかなかったー?』

 

アレの事かな?

 

 

【提示コトダマ:九十九君の死体】

 

 

「…それって、九十九君がモノウイルスに感染して発病してたって事?」

 

魅神『そうなんだよー。なんで感染しちゃったのかなー?』

 

アナスタシア「どうせ貴様のせいで感染ったんだろ。」

 

相浦「…でも、待ってください。そもそも、魅神さんの病気の原因は何なんでしょうか…?」

 

 

議論開始

 

 

千葉崎「知らん。どうせ不潔にしてたせいじゃろ。」

 

アナスタシア「化学室にあったウイルスだろ。」

 

佐伯「悪いモン食ったとかじゃねえの?」

 

…アーニャちゃんの意見が正しそうだな。

 

 

【使用コトダマ:盗まれたモノウイルス】

 

 

同意

 

「化学室にあったウイルスが盗まれていたらしいんだ。それを、体内に取り込んだんじゃない?」

 

小林「なる…誰かが、ウイルスをタケヒトにチューシャしたんだね。」

 

「その事については、ちゃんとウラを取ってあるよ。」

 

 

【提示コトダマ:九十九君の言動】

 

 

「…魅神君。君は、九十九君にウイルスを注射されたんだよね?」

 

魅神『そーそー。』

 

小林「テメェら、適当な事言ってんじゃねえぞ!!百三を悪者にして、どういうつもりだよ!!?」

 

相浦「…こ、小林さん…!…落ち着いてください…!」

 

「…議論を続けようか。…それで、魅神君はウイルスに感染して、どういうわけか九十九君にもうつったって事だよね?」

 

魅神『そゆことー。』

 

アナスタシア「…ねえ、犯人に心当たりがあるんだけど。」

 

「心当たり?」

 

アナスタシア「…いただろ?誰も入れない密室の中で、一人だけ九十九を殺せた奴がな。」

 

…それって。

 

 

人物指名

 

 

「…君なら、犯行が可能だよね?

 

魅神 嶽人君。」

 

魅神『…はぁー?何言っちゃってるんですかー?』

 

小林「うるせえ!!テメェが百三を殺したんだろ!!?」

 

「…と、とりあえず落ち着いて議論してみようよ。」

 

 

議論開始

 

 

小林「どうせコイツが犯人に決まってんだろうが!!」

 

魅神『えー…俺が犯人とは限らなくね?だってさ、入ろうと思えば誰でも部屋に入れたっしょ?防護服あるし。』

 

 

「それは違うよ!!」

 

 

反論

 

魅神『何が違うんだよ、言ってみろよー。』

 

…アレを見せてみよう。

 

 

【使用コトダマ:無菌室の入室状況】

 

 

論破

 

 

「無菌室には、誰も入ってこなかった。そう証言したのは、魅神君、君だよね!?」

 

魅神『そーいやそうだったね。』

 

アナスタシア「どうせこいつが九十九にウイルスをうつしたんだろ?」

 

魅神『えー…それはちょっと暴論じゃねーの?同じ部屋にいたから、勝手にうつったのかもよ?

 

 

「…うーん、多分違うんじゃないかな?」

 

 

反論

 

魅神『何が違うんだよ、言ってみろよー。』

 

…アレを見せてみよう。

 

 

【使用コトダマ:モノウイルスの感染経路】

 

 

論破

 

「モノウイルスは、感染者の体液を体に取り込むことでしか感染しない。…空気感染なんて、しないんだよ。」

 

魅神『あー…これは流石に言い逃れできねえか。』

 

小林「お前が百三にウイルスをうつしたんだな!?」

 

魅神『えー…ちょっと待ってよー。俺はウイルスに侵されて、病気でつらかったんだよー?人に感染すどころじゃないと思うんだけど?』

 

 

「それは違うよ!!」

 

 

反論

 

魅神『何が違うんだよ、言ってみろよー。』

 

…アレを見せてみよう。

 

 

【使用コトダマ:モノウイルスの発病】

 

 

論破

 

「感染したからって、必ずしも発病するとは限らないよ。…魅神君。君はさ、もしかしてウイルスに耐性があって、発病しなかったんじゃないの?」

 

…それなら、起きた魅神君がやけに元気だったのも説明がつく。

 

宇田川「つまり、今までの話を整理すると、九十九君にウイルスを注射されたがウイルスが効かず、仕返しとして逆に九十九君にウイルスをうつして、動きが鈍ったところで刺した、という訳ですか?」

 

千葉崎「でも、九十九殿はどうして魅神殿にウイルスを?」

 

アナスタシア「…多分、魅神を殺すつもりだったんだと思う。…動機まではわからないけど。」

 

佐伯「でも、魅神が九十九にウイルスをうつし返したのは、もう確定なんだろ?」

 

魅神『…そうだよ!みんな大せいかーい!!俺が、九十九キュンにウイルスをうつしましたー!!』

 

小林「んなっ…!!テメェ、なんでそんな事…!!」

 

魅神『だって、アイツ俺を殺そうとしたんだもーん。ムカついたからやり返しちゃったー!…まあでも、仕返しのためとはいえ、ウイルスをうつす為にガチムキの野郎とベロチューしたのは、自分でやっててゲロ吐きそうになったけど☆』

 

小林「テメェ…ナメた真似しやがって…!!」

 

魅神『お?チューだけにナメるってか?小林ちゃん上手い事言うねー!座布団2枚!!』

 

アナスタシア「こいつのくだらないおふざけは置いといて、こいつがウイルスを九十九にうつしたのは確定したわけだ。」

 

佐伯「…犯人は決まりだな。」

 

…ちょっと待って。

 

本当に、こんな簡単に犯人が決まっちゃっていいの?

 

…何か、見落としてる事があるんじゃ…

 

『うぷぷ…もう犯人が決まったようですね?…では、投票ター』

 

相浦「待ってください!!」

 

 

学級裁判中断

 

 

『…おや?』

 

相浦「…まだ、それだと説明できない事があるんですよね、夏川さん!」

 

…そう。真相は、まだ奥底に眠っている。

 

「…確か、魅神君以外の人でも、九十九君を殺せる方法があったはず…考えろ…!」

 

 

閃きアナグラム

 

 

次々と、頭の中にピースが浮かんでくる。

 

それを…素早く拾って、組み合わせて…

 

…これだ!!

 

 

「…地下の隠し通路?」

 

宇田川「そんなもの、ありましたか?」

 

「…それを裏付ける証言があるよ。」

 

 

【提示コトダマ:アーニャちゃんの証言】

 

 

「アーニャちゃんが教えてくれたんだけど、診察室と無菌室を繋ぐ隠し通路があったんだって。」

 

アナスタシア「…でも、本当にそれを使って殺したかどうかは…何か証拠でもあるのか?」

 

…アレを提示すべきか?

 

 

【提示コトダマ:地下空間の血痕】

 

 

「アーニャちゃん、地下空間に血痕があったって言ったよね?…それって、犯人が隠し通路から九十九君を殺して、凶器を回収する時かなんかに付いた血じゃないの?」

 

アナスタシア「…。」

 

相浦「…でも、どうやって犯人は、隠し通路を使って九十九さんを…?」

 

「…多分、天井のスキマか何かから刺身包丁を貫通させたんだよ。」

 

宇田川「証拠はあるんですか?」

 

…アレが証拠になるかもしれない。

 

 

【提示コトダマ:ベッドを貫通する刀傷】

 

 

「ベッドを貫通する刀傷があったんだ。…長い刺身包丁なら、ベッドを貫通して心臓を刺すことくらいはできるんじゃない?」

 

相浦「…でも、犯人はどうして九十九さんを…?何か恨みでもあったんでしょうか…。」

 

アナスタシア「…計算違い、とか?」

 

相浦「…け、計算違い?」

 

佐伯「どういう事だ!?」

 

アナスタシア「…九十九は、魅神を殺すつもりでウイルスを感染させたんだろ?…でも、結果的に魅神は発病せず、返り討ちに遭った。…もしかして、九十九は今回の事件の犯人の共犯で、犯人と一緒に魅神を殺すつもりだったんじゃないか?」

 

千葉崎「それで、九十九殿は自分を犯人に見せかけるつもりだったんじゃな?そうすれば、実行犯を特定できなかった余らはおしおき、実行犯と九十九殿の二人が『卒業』できるからのぉ。」

 

魅神『…それが正しいとすると、動機になりそうなのは…』

 

…アレしかないな。

 

 

【提示コトダマ:九十九君の好感度】

 

 

「…九十九君の好感度が10だったんだ。…これって、犯人が九十九君と恋仲で、一緒に脱出するために魅神君を殺そうとしたって事じゃないの?」

 

相浦「…九十九さんと恋愛しそうなのは、この中では一人しかいませんね。」

 

…あの人だろうか。

 

 

人物指名

 

 

「…君なら、何か知ってるんじゃない?

 

小林 功里さん。」

 

小林「…ボクなのだー!!?」

 

相浦「…小林さん、正直に言ってください。きっと、九十九さんはあなたを恨んでいません。だから、話してください。…ね?」

 

小林「はぁあああああああぁあああ!!?ふざけんじゃねえよ!!何の根拠があってそんな事ほざいてやがんだ、このクソ共がよ!!!あぁ!!?」

 

 

議論開始

 

 

小林「俺が百三と殺人計画を企ててたって言いてぇのか!!?ふざけんな!!!…大体、テメェのトリックが合ってるとして、百三と連絡する手段なんて無えだろ!!?どうやって殺人を計画すんだよ!!!」

 

 

「それは違うよ!!」

 

 

反論

 

小林「あぁ!!?何が違うってんだ、言ってみろよオラァ!!!」

 

…アレを見せてみよう。

 

 

【使用コトダマ:無菌室の電話】

 

 

論破

 

「…無菌室にある電話を使えば、無菌室の中にいなくても会話が可能だよね?」

 

小林「俺は犯人じゃねえっつってんだろうがよ!!!俺が犯人だっつー証拠が無えだろうが証拠がよ!!!」

 

 

「異議あり!!」

 

 

反論

 

小林「あぁ!!?何が違うってんだ、言ってみろよオラァ!!!」

 

「君さ、さっき変な事言わなかった?」

 

 

【使用コトダマ:魅神君の証言】

 

 

論破

 

「魅神君がモノウイルスを注射された事を知ってたのは、魅神君が九十九君の怪しい言動を指摘するまでは、あたしと魅神君本人、そして犯人しか知らないはずなんだよ!!…どうして小林さんが知ってたの?」

 

小林「そ…それは…テメェだって言ってたじゃねえかよ!!『化学室から盗まれたウイルスが原因だ』って!!」

 

「あたしは、化学室から盗まれたウイルスが原因かもしれない、って言っただけで、魅神君が誰かに注射されたなんて一言も言ってないよ?飲まされたのかもしれないし、傷口に塗られたのかもしれない。…さらに言っちゃうと、魅神君自身がわざとウイルスを体内に取り込んだ可能性だってあったよね?」

 

小林「なんだよそれ!!…カマかけやがって、そんなのただの揚げ足取りじゃねぇかよ!!」

 

「…それに引っかかってくれるって事は、犯人なんじゃないかなって思って。」

 

小林「ふざけんな!!…大体、テメエのトリックが全部合ってたとして、俺がウイルスに感染してないのはおかしくねえか!!?」

 

宇田川「…確かに、床の下から刺したとはいえ、凶器を回収する時などに多少は体に血が付くはずですからね。」

 

「…それは。」

 

 

議論開始

 

 

千葉崎「マッハで回収したんじゃろ!」

 

相浦「血が体に付かないように何かで防いだとか…」

 

佐伯「付いた後でキレイに拭いたのかもしんねーぞ!?」

 

魅神『血が付かないようにうまく刺したのかもよー?』

 

…相浦さんの意見が正しそうだな。

 

 

【使用コトダマ:消えたゴム手袋】

 

 

同意

 

「ゴム手袋で、手に血が付かないようにしたんじゃない?」

 

魅神『だってさ。小林ちゃーん。もう観念しちゃいなよ〜。』

 

 

 

小林「…そうだよ。俺が、百三を…殺しちまったんだ!!!…でも、何で殺しちまったのかわかんねえんだよ!!!計画通りなら、嶽人!!お前が死んでたはずなんだ!!!なのになんで!!!」

 

「…それは。」

 

【提示コトダマ:九十九君のベッド】

 

「…小林さん。…ベッドを刺す時、ちゃんとそこに誰が寝てるのか確認した?」

 

小林「できるわけねえだろそんな事…!声出しちまったらバレるし、顔を確認しようにもベッドが邪魔でできねえし…」

 

「小林さん、君が魅神君だと思って刺したのは、九十九君だったんだよ。…魅神君は、九十九君に自分が寝ていたベッドを譲ったんだ。」

 

小林「…そんな…!」

 

…もう、終わりにしよう。こんな裁判。

 

「…小林さん。今から事件の真相を話すよ。」

 

 

クライマックス推理

 

 

頭の中に浮かび上がった漫画のコマに、ジグソーパズルのように適切なピースをはめていく。

 

…できた。これが、事件の真相だ!!

 

 

Act.1

 

まず、犯人と恋仲になって、犯人からの好感度が10に達した九十九君は、魅神君を殺して自分が罪を被って、実行犯と一緒に『卒業』する計画を思いついたんだ。そして、その計画のために化学室にあったモノウイルスを盗み、魅神君に注射したんだ。ウイルスに感染した魅神君は、そのまま無菌室送りとなった。そして、九十九君は、自分も感染したと言って、無菌室に一緒に入ったんだ。

 

 

Act.2

 

こうして九十九君は、魅神君が逃げないように見張る事ができ、かつ自分と魅神君以外部屋にいないという、犯行の罪を被るのに理想的な状況を作り出した。一方、犯人は診察室の電話で、無菌室にいる九十九君と作戦を話し合い、そこで隠し通路の存在を知ったんだろう。犯人と九十九君は、魅神君の殺害計画の打ち合わせをして、犯人は計画に必要な刺身包丁とゴム手袋を盗んでおいた。

 

 

Act.3

 

でも、ここで九十九君と犯人にとって、最大の誤算が生じてしまうんだ。…なんと、魅神君にはウイルスが効かなかった。効いたフリをして作戦を全て聞いていた魅神君は、同士討ちを誘う作戦に出たんだ。魅神君は、九十九君にウイルスをうつして動きを封じた。そして、動きの鈍くなった九十九君を、自分のベッドに寝かせたんだ。

 

 

Act.4

 

そんな事を知らない犯人は、九十九君との打ち合わせ通り、隠し通路を通ってベッドの真下まで行った。そして天井から刺身包丁を貫通させ、そのままベッド越しに魅神君ーではなく、魅神君と入れ替わった九十九君を刺し殺してしまった。…犯人は、きっと後悔しているだろうね。だって、手違いで最愛の人を殺してしまったんだから。

 

 

「…犯人は、君だ。…そうだよね、

 

 

 

『超高校級の拳法家』小林 功里さん!!!

 

「あ…あああ…そんな…ボクが…モモゾーを…」

 

小林さんは、ショックで泣き崩れていた。

 

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