リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生 作:M.T.
あの魅神君が死んだ。
さっきまで、みんなの事を煽ったりしていたのに。
どうして…
『んもー…ぷんぷん!!』
モノクマがなぜか不機嫌だった。
「…なんでテメェが不機嫌なんだよ。…内通者が死んだからか?」
『違うよバーカ!!あんなヘッポコ内通者なんてどうでもいいよ!…今回は、誰が犯人かわかんないんだよ!!』
…え?
「…なんじゃそれ!!犯人がわからんじゃと!?お主、何をやっておったのじゃ!!」
『それが、ちょうど魅神クンが死ぬシーンだけ、監視カメラに何も映らなかったんだよ!』
「…じゃあ、今回の学級裁判は…」
『ああ、誰がクロになっても正解扱いにするよ!ボクも、できるだけの協力はしてあげるから、何が何でも犯人を探し出せ!!…ほら、ファイル送っといてあげたから、頑張って犯人見つけてよね!!それじゃ、捜査ターイム!!』
「…そう言われてものお。学園長殿にもわからない犯人じゃのお…」
「…おまけに、被害者はあの魅神だ。…あーあ、やってられっかっての!」
「…み、皆さん…捜査は…」
「やらねえっつってんだろ!!犯人はわかんねえ、被害者はあの魅神、オレらに捜査するメリットがねえだろ!!」
あたしは、ゴミ収集場から出ようとする佐伯君を止めた。
「行っちゃダメ。」
「…夏川ちゃん。…どけよ。オレには、捜査をする理由が無えんだ。」
「そんなのダメだよ。…確かに、魅神君がしてきた事は許されない事だよ。…でもさ、やっぱり魅神君を殺した犯人だって、それは同じだよ。…あたしは、被害者と犯人が誰で、どんな理由で殺人が起きたとしても、真実を解き明かさなきゃいけないと思う。」
「…わあったよ。この中に、人を殺しといてそれを黙ってる奴がいるってのも癪だしな。…手伝ってやるよ。」
「…本当!?…ありがとう!」
◇
「…とりあえず、まずはファイルを読もう。」
被害者は、魅神 嶽人。
死亡時刻は午後1時頃と思われる。
アナスタシア・パリンチェが、焼却炉の様子がおかしいと報告し、その報告を受けて焼却炉のスイッチを切って確認したところ、中に被害者の死体が入っていた。その後、死体を取り出した。
死因は不明。
身体は完全に炭化し、所々に何かで刺された穴のようなものがある。
【コトダマ入手:モノクマファイル】
身体は炭化し、何かで刺されたような穴があると書かれている。
「…あと、モノクマが、カメラが映らなかったって言ってたな。」
【コトダマ入手:映らなくなった監視カメラ】
なぜか、魅神君の死亡シーンだけ映っていないらしい。
「…魅神君の死体を見てみよう。」
「…あと、これは…何か握ってるのか…?…これは、拳銃型の機械…?」
「ねえ、相浦さん。これ、何かわかったりしない?」
「…えっと、確証は無いですが、これと同じ型のものを作った事があります…。」
「同じ型のもの?」
「はい…。電子機器の電波を遮断するパルス銃です。対象の電子機器に向かって撃つと、その機器を一時的に使用不能にする効果があります。」
「…そんな物を作ったって…?」
「…はい。小学校の夏休みの自由研究で…」
【コトダマ入手:パルス銃】
同じ型のものを、魅神君が握っていた。
ゴミ焼却場の壁にある足場に登ってみた。
足場には、クロスボウが落ちていた。
【コトダマ入手:クロスボウ】
足場に落ちていた。
それと、クロスボウの矢が数本落ちている。
全部、血まみれになっている。
【コトダマ入手:血まみれの矢】
足場に落ちていた。
足場を見てみると、血痕があった。
血痕を辿ると、足場の手すりのところで途切れていた。
「…引きずったような痕はない、か。」
【コトダマ入手:足場の血痕】
手すりのところで途切れている。引きずったような痕はない。
「…ん?何これ。血文字?」
壁に、Georgeと書かれている。
間違いなく魅神君の字だ。
【コトダマ入手:壁の血文字】
Georgeと書かれている。
「…あれ?これは…」
ひび割れた電子生徒手帳が落ちていた。
「電源は付いたけど…画面のヒビが酷すぎて、誰のものかわからないな…顔写真を見る限り、魅神君のものっぽいけど…」
【コトダマ入手:魅神君の電子生徒手帳】
画面のヒビが酷すぎて、名前までは確認できない。
「…なあ、ちょっと気になる事があるんだけどよ。」
佐伯君が報告してきた。
「…弓道場に、空のガラスケースがあったんだよ。…あれ、元は何が入ってるかとかわかったりするか?」
…え?
あのケースには、クロスボウが入っていたはず…
…だったら、中のクロスボウが盗まれたって事…?
【コトダマ入手:空のガラスケース】
元々クロスボウが入っていた。
…弓道場といえば、あれも追加しておくべきか?
【コトダマ入手:弓道場でのアーニャちゃんの行動】
アーニャちゃんが、何かを懐にしまっていた。
「ううっ…ぐすっ…」
アーニャちゃんが泣いていた。
普段、感情をあまり表に出さないアーニャちゃんが。
…ちょっと心配になった。
「…職員室でこんな資料を見つけたんじゃが。」
千葉崎さんが報告してきた。
サンプル2号 ジョージ・マクラウド
才能ランク:A
実験の成績は非常に優秀。
課題:実験段階をステージ5に上げ、経過を観察。
【コトダマ入手:職員室の資料】
ジョージ・マクラウドという生徒の資料らしい。
「…ジョージ・マクラウド…一体、誰の事なんだ?」
資料をよく見てみると、顔写真を剥がしたような跡があった。
(確か、アイカの資料も顔写真を剥がされてたっけ…?)
その顔写真は、頭の部分だけ残っていた。
髪の色は、青みがかった黒髪だった。
「あれ…?この髪の色、もしかして…」
【コトダマ入手:剥がれた顔写真】
ジョージという生徒の、青みがかった黒髪だけが写っていた。
『夏川さん!!』
アーニャちゃんが抱えていたパソコンから、相浦さんの声が聞こえた。
…多分、アルターエゴ相浦さんだろう。
「…アーニャちゃん。ちょっとだけパソコン借りるよ?」
アーニャちゃんは、無言でパソコンを差し出した。
『夏川さん!』
「どうしたの?」
『いつのまにか録音機能がオンになってたみたいで…録音されている音声があるんですけど…』
「…流して?」
『あ゛ぁあああっあ゛ぁあああああああぁぁあああああああああぁああああああああああ!!!』
そこには、何かが焼けるような音と、魅神君の叫び声が録音されていた。
『あ゛っ…あぁあ…ざ…み…』
そこで音声は途切れていた。
「ざ…み…?なんて言ったんだろ。」
「シンプルにアザミって言いたかったのではないか?」
一緒に聞いていた千葉崎さんが口を挟んできた。
「そんなわけないでしょ…なんでこんな断末魔の叫び声が録音されるような状況でアザミって言うのよ…」
「…『アザミ』という奴に殺されたのではないか?」
「誰だよそれ…まあ、偽名の可能性も否定できないけどさ…」
【コトダマ入手:偽名】
この中に偽名を使っている人物がいる可能性がある。
【コトダマ入手:録音された音声】
何かが焼ける音と、魅神君の叫び声が録音されている。
『…あと、魅神さんから動画ファイルが届いているんですが。』
「開いてくれる?」
『ごめんなさい。魅神さんから、裁判の判決が出るまで開くなって言われてて…』
「じゃあ言うなよ…」
『一応、伝えておいた方がいいと判断したので。』
「あっそ。」
『オマエラ、そろそろ学級裁判始めるよ〜!?』
「…行こう。」
あたしたちは、赤い扉まで向かった。
そして、全員でエレベーターに乗り込んだ。
…また、始まってしまう。命懸けの学級裁判が。
いや、違うな。今回は、真実を解き明かすための学級裁判だ。