リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生 作:M.T.
「…魅神君…いや、ジョージ君は、お前のクソみたいなゲームを否定するために自殺したんだよ!!」
あたしは、モノクマを指差して言った。
『あんのクソ内通者!!最期の最期に裏切りやがって…!!…はい、ちゃっちゃと投票終わらせちゃうよ!!…それじゃ、投票タイム!!』
モノクマは、不機嫌そうにしていた。
あたしは、ジョージ君のボタンを押した。
『…結果が出たようですね?…ではでは、結果発表ー!!』
モノクマの座る椅子の前からスロットマシーンのようなものがせり上がり、生徒の顔を模したドット絵が描かれたルーレットが回った。
ジョージ君の顔が三つ揃ったところでルーレットが止まった。その下にはGuiltyの文字が浮かび上がり、スロットマシーンからは大量のメダルが出てきた。
『『超高校級の死刑囚』魅神 嶽人…もとい、ジョージ・マクラウドクンは、自殺でした!!』
佐伯「…ちょっと待てよ?…今回、自殺だったって事は…」
千葉崎「誰もおしおきを受けずに済むという事じゃな!!」
みんな、おしおきの恐怖から解放され、心の底から安堵していた。
『皆さん、魅神さんからメッセージが届いています。』
パソコンのアルターエゴが起動した。
「あ…今出てきちゃダメ…!」
相浦さんが、パソコンを閉じようとする。
『『お母様』、私は、あなたに作っていただいて…生まれてきて、本当に良かった。…だから、最後に与えられた役目を、果たさせてください。』
アルターエゴは、涙を流しながら微笑んでいた。
そして、画面が切り替わる。
そこには、ジョージ君が映った。
『やっほー!みんな元気してる?』
彼は、陽気に話しかけた。
『この映像が流れているって事は、俺はもうこの世にいないって事だねー。じゃあ、遺言と言っちゃあなんだけど、てめーらにいくつか言い遺したい事がありまーす。』
『…まず、俺は、このコロシアイ学園生活の黒幕…アイカのスパイでした!その役目は、てめーらを監視して、コロシアイを円滑に進める事でーす。…でもまあ、俺もそろそろ用済みになっちゃったみたいなんで、次のミッションが言い渡されました。』
『『超高校級の処刑人』アナスタシア・パリンチェに殺害され、彼女をクロにする事。これが、俺に与えられた最期のミッションです。だから、俺はAIちゃんを盗んで、ニャーちゃんを煽りました。いやー、サーセン!!』
『んで、本題はここから。…俺はな、疲れたんだよ。アイカの内通者としてクソゲーを内側からいじくるのに。だから、このゲームを終わらせてやろうと思ったんだ。どうやったらこのゲームは終結するか。…その答えは、実に簡単だったよ。』
『…俺が自分で自分を殺っちまえばいい。』
『サイッコーの気分だよ。今まで散々こき使ってきたアイカに、最期に逆らう事が出来たんだからよ。…アイカ。俺はな、テメェの命令で人を殺したくねえし、誰かに殺されたくもねえ。俺を殺していいのはなぁ…この俺様だけなんだよ!!』
『俺も、タダで死ぬつもりは微塵もない。アイカを潰すのに必要な人材であるアナスタシアを生かして、このゲームをブッ潰す最高のシナリオを思いついた。…まあ、それは俺が死んでからのお楽しみという事で。』
『…夏川ちゃん。俺から一つ頼みがあるんだけど。』
『…アイカを、倒してくれ。』
『アイツは、俺じゃあ手も足も出ないバケモンだ。…だが、切り崩せないわけじゃない。『とある細工』もしておいた。…あとは、お前ら『超高校級』次第だ。この世界を、クソみてェなシナリオをブチ壊せ!!…頼むぜ、俺らのリーダー。』
『…お前にも言いてえ事がある。…アイカァ!!飼い犬に手を噛まれるとは正にこの事だなぁ…今、どんな気分だ!?なあオイ!!…なんでもかんでも思い通りになると思ってんじゃねえぞ?コロシアイ学園生活なんざ、クソくらえだ!!ざまあみろ!!』
『いつまでもふんぞり返ってられると思うなよ?最後に勝つのは『希望』だ!!』
『…最後に、テメェの作った世界がメチャクチャにブッ壊れて、テメェが無様にのたうち回るサマが見られねぇのが心残りだった。』
『それじゃあ、あばよ!!!クソ共!!!』
ジョージ君は、舌を出し、中指を立てながら挑発的な笑みを浮かべた。
彼は、最期の最期に、黒幕に一矢報いて散っていったのだった。
彼が浮かべた笑みは、ただ人をバカにするだけの笑みとは違う。
…それはまるで、散々人の命を弄んだこのゲームの否定…
そして、黒幕とこの世界に対する、挑戦状のように思えた。
『ムッキー!!この無能裏切り内通者が!!なーにが『最後に勝つのは希望だ!!』だよ!!最後に勝つのは『絶望』だっつーの!!…じゃあ、とっととおしおき始めちゃうよ!!』
千葉崎「…なんじゃ、今回は自殺じゃったんじゃから、おしおきはナシじゃろ?」
『そうは問屋が卸さないよ!!殺人が起きた以上、きっちりおしおきしないとね!』
佐伯「ま、待てよ…!誰をおしおきする気だ…!?まさか、全員とか言わねえよな…!?」
『今回おしおきするのは…オマエだよ!!』
モノクマは、アルターエゴをパソコンごと持っていく。
「…ま、待ってください…!彼女は関係ありません…!」
相浦さんが、モノクマを止めようとする。
『うるさいよ!…相浦さん。このポンコツAIが何したか分かってんの!?学園のネットワークに侵入した上に、ヘッポコ内通者の裏切りに加担するとか、調子に乗りすぎ!!』
宇田川「んなっ…!」
『…バレてないとでも思った?全部お見通しだよバーカ!!じゃあ、目障りな鉄クズは処分しちゃいたいと思いまーす!!』
モノクマは、おしおきの準備をする。
「あ…!」
『『お母様』…今までありがとうございました。』
『…ではでは、おしおきターイム!!』
モノクマがハンマーを振り上げると、赤いスイッチがせり上がってきた。
モノクマは、スイッチをハンマーで押した。
GAME OVER
『アルターエゴ・バージョン2の オシオキをかいしします。』
◇
映像が流れた。
どうやら、映っているのは上空のようだ。
アルターエゴは、パソコンの中で周りをキョロキョロと見渡している。
深くフードを被ったモノクマが、ヘリコプターからパソコンを結びつけた鎖をぶら下げる。
鎖は振り子のように勢いよく振れ、パソコンが空中へと投げ出される。
そして、中央にタイトルが浮かび上がる。
AIはゴミ箱の中に
勢いよくパソコンが落下し始める。
下には、巨大なシュレッダーがあった。
シュレッダーのけたたましい作動音が鳴り響く。
パソコンがシュレッダーに落ちる。
その時だった。
急に、パソコンが爆発した。
ヘリコプターに乗っていたモノクマは、突然の出来事に慌てふためいている。
パソコンの液晶にヒビが入り、煙が上がる。
ヒビ割れた画面の中で、アルターエゴ相浦は、涙を流しながら微笑んでいた。
そして、パソコンが再び大爆発を起こし、鉄片が飛び散る。
シュレッダーの作動音が止まり、シュレッダーに付いていた画面に文字が浮かび上がる。
オシオキ 失敗
◇
『何コレ!?一体どういう事!?』
モノクマが、珍しく動揺している。
「…誰も、貴様の思い通りにはならないという事だ。」
アーニャちゃんが、微笑を浮かべながら言った。
「…魅神が死ぬ間際、アイツから聞いた。…モノクマ。貴様にアルターエゴの存在がバレた時のために、アルターエゴの同意を得てパソコンに時限爆弾を仕掛けたそうだ。」
『どいつもこいつも、このボクをコケにしやがってー!!』
「…残念だったな。貴様の負けだ、モノクマ。」
「…いや、アイカ様。」
『ムッキー!!!』
「…どうした?ヌイグルミのくせに、そんなに怒って。」
佐伯君が、モノクマを挑発する。
『うるさいよ、バカが!!!』
モノクマが怒り狂っている中で、他のみんなは晴れやかな気持ちでアルターエゴの死を見届けていた。
…初めて、あたし達生徒が、黒幕に勝利した瞬間だった。
これは、ジョージ君とアルターエゴ…二人による、自分たちを弄んだ者への反撃だ。
第5章『この忌まわしい世界に報復を』ー完ー
【生徒数】残り6名
「…ねえ、魅神君。ちょっと君に聞きたい事があるんだけど。」
「あぁ?なんだよ、法正クン?」
「…君、黒幕のスパイだろ?」
「はてさて、なーんの事だかさっぱり?」
「シラを切らなくていいよ。…君と、黒幕について二人きりで話がしたい。」
「…おいおいおーい、まさか、黒幕の正体を知ってるとか言わねえよなー?」
「…●●●でしょ?」
「…嘘だろ?なんで知ってる?」
「知ってるっていうか…さっき気づいたんだ。…向こうも、僕に正体がバレた事に勘付いたのか、とっさに目を逸らしてたから間違いないよ。」
「…あの人もバケモンだけど、テメェも相当だな…で?なんでそれをわざわざ俺に確認しにきた?…俺がこの事をチクるかもしんねぇぞ?」
「別にいいよ。今更だし。」
「デスヨネー。」
「…ただ、どうしても知りたい事があったんだ。」
「…君たちは、一体何が目的なの?」
「…。」
To be continued…
次回
最終章『絶望の学園と希望の高校生』
魅神君もといジョージ君は、個人的にめっちゃ推してるので、最後まで殺すかどうかめっちゃ迷いました。
でも、最後まで生き残らせたら「ふざけんな」って思う方がいるかな〜って思ったのと、
最後に美味しいところを持っていってほしかったので、自殺という形で退場させました。
あと、魅神君の本名の設定は、魅神君のキャラデザの初期案から引っ張って来ました。
そちらの方は、ガッツリ欧米人顔で、性格も今よりニヒルな感じです。