リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生 作:M.T.
拳銃から、弾丸…ではなく、アホ面をした鳩が飛び出す。
「…引っかかってくれてありがとう。…君がただ『超高校級のエンジニア』っていう才能を持ってるだけのか弱い女の子なら、銃弾を咄嗟に避けるなんて、できるわけないもんね。」
一瞬で普通の女子高生ではあり得ない距離まで移動していた相浦さんに、あたしは言い放った。
「ふふっ。」
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
相浦さんは、気が狂ったように笑い出す。
そして、自分の席の台に座った。
「…あーあ。しくった。私とした事が、こんな三文芝居に踊らされるなんて。…夏川、あんたが本気で私を殺す度胸なんて、あるわけ無いのにね。」
「…認めるんだね。」
パチ…パチ…パチ…
相浦さんは、ゆっくりと、そして大袈裟に拍手をした。
「…コングラッチュレーショーンズ。」
相浦さんは、ポケットから機械のようなものを取り出し、スイッチを押した。
『うぷぷ…お見事大せいかーい!!!このコロシアイ学園生活の黒幕は、この私、『超高校級のエンジニア』相浦 つぐみでしたー!』
モノクマが、相浦さんの声で喋る。
どうやら、今までの声は、相浦さんの声を変声したものだったようだ。
「つぐみ…どうして貴女が…!」
「ごめんね。…私、本名は相浦 つぐみじゃないの。」
相浦さんは、モノクマを抱きかかえながら、豪華な椅子に深く腰掛け、足を組んでふんぞり返る。
「体力自慢の姉、戦刃 むくろと可愛くて繊細な妹、江ノ島 盾子という双子のお姉様を持つ、天才かつクレイジーなスーパー美少女がこの私…『超高校級の絶望』江ノ島 哀華ちゃんでぇえええええっす!!!あーっはっははははははははははははははは!!!」
相浦さんは、フードを脱いで、狂気的な笑みを浮かべた。
「あ、相浦ちゃん…」
「二度とその名前で呼ばないでくれる?おバカでブスでビビりなメスブタを演じるのは、私にとっては自殺行為なんだからさ。私に役が合ってなさすぎて、マジでゲロ吐いちゃいそう。」
「お…お主は一体…」
「言ったでしょ?私は、絶望的なお姉様達に恵まれ、生まれながらに天才的な頭脳と類稀なる美貌を持つ、完璧美少女江ノ島 哀華様だよ!!…まあ、そんな完璧すぎる私の人生の中での唯一にして最大の汚点は、宇田川ァ!!…てめぇみてぇなクソザコで処女を失った事だな。あん時はイラついてつい殺しちゃうとこだったけど、拒否ったら演技がバレちゃうからね〜。」
「…クソザコ…?…そんな、嘘ですよね?…全部、演技だったんですか…?」
「当たり前だろうが。演技じゃなかったら、お前みたいなモブキャラが、この超絶スーパー美少女アイカちゃんと付き合えるわけ無えだろ?私とまともに付き合いたいんだったら、せめてもっと金持ちのイケメンになってから来いってのよ!!夢見てんじゃねえよドブネズミが!!あっはははははははは!!!」
「…僕は、貴女の事が、本気で好きだったのに…」
「宇田川…お前…」
「…初恋、だったんだ。…今までうまく女性と接してこられなかった僕が、初めて好きになった人なんです…!!」
宇田川君は、泣きながら言った。
「何泣いてんだよ。泣きたいのはこっちの方なんだけど。…っていうかさ、その反応酷くない?演技だったとはいえ、私みたいなウルトラ美少女ちゃんと付き合えたんだからさ、もっとありがたがれよ。何被害者面してんのー?キモいんですけど!!」
「…うるせぇブスが。」
佐伯君が、アイカを睨んでいた。
「…あ?…お前、死にたいの?…望み通り、ミンチにしてやろうか?クソが…!!」
アイカが佐伯君を睨み返す。
「…まあいいや。正体もバレちゃった事だし?お前らは、出来損ないの屑のくせによく頑張ってくれたし?特別に、お前らの知りたい事、なーんでも教えてあげる。…何が知りたい?」
「…アイカ。…君は一体、何者なの…?何が目的で、こんな事を…?」
「あーもう!質問責めうぜえな!!質問は一個にまとめてからしろよノータリンが!!」
「…あー、めんどくせえから全部話すわ。私が、『超高校級の絶望』になるまでの物語を。」
アイカは、語り始めた。
「私は、絶望シスターズの妹として産まれ、めっちゃ天才で可愛いって事を除いてはフツーの女の子ちゃんとして育った。ここまではOK?」
「…それで?」
「その後、絶望シスターズが実の姉だと知って、私はお姉様達を探した。そして、見つけたと思ったらすぐに絶望に堕とされた。…その時、私は魅了されたんだ。『絶望』そのものに!!『絶望』に堕ちた私を、お姉様達は受け入れてくださった。ああっ、お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様!!」
アイカは、顔を紅潮させ、体をくねらせながら話す。
「気持ち悪りい…」
「はいそこー。口を慎まないとブッ殺だよ〜!にゃはは!!」
「んで、政府が水面下で『希望』を量産するっつークソみてぇな計画進めてんのを知ったわけ。私はそれを内側から『絶望』に染めるために、自ら被験者として名乗り出て、拷問レベルの人体実験を最高段階のステージ6まで耐え抜いたんだよね。…おかげで。」
アイカは、一瞬であたし達の所まで移動し、アーニャちゃんの胸ぐらを掴んだ。
「アーニャちゃん!!」
「くっ…速すぎて、反応できなかった…!」
「こーんなに才能溢れる強くて賢い完璧な美少女になれたんだ♪」
「化け物め…!」
「アーニャちゃんひっど〜い。…で、その実験が始まってから1年後、お姉様達の手によって、『人類史上最大最悪の絶望的事件』っていう最高にエクストリームな事件が起こされたわけ!!私もお姉様達の役に立ちたいなーって思って、とりあえず施設にいたノイローゼになりかけのゴミ共を『絶望』に堕として同士討ちをさせたんだ〜!!」
「『人類史上最大最悪の絶望的事件』…?何よそれ…?」
「まあ、『絶望』に堕とされた『超高校級』達が起こした大規模なテロだね。街が破壊されたり、大量に人がブチ殺されたり…大体そんな感じかな。やっぱ、『超高校級』とだけあって、その影響力はすさまじく、世界はあっという間に『絶望』一色に染まっちゃいましたとさ!めでたしめでたし!!」
「…じゃあ、お父さんとお母さんは…その事件に巻き込まれたって事…?」
「ザッツライ!!お前ら勘違いしてたみたいだから言っちゃうけど、お前らの家族やお友達は、事件に巻き込まれて勝手におっ死んだだけだかんな!?私は別に何もしてねーかんな!?」
「おい、お主…!さっき、『同士討ち』と言ったな…!?余らが殺し合いをしていたというのか…!?」
「そうだよ。まあ、ちょっとカオスすぎるから、実際に思い出して貰った方が早いと思うよ。」
そう言うとアイカは、別のリモコンを取り出してスイッチを押した。
その瞬間、頭に一気に映像が流れる。
…いや、これは、あたしの記憶だ。
荒らされる教室。
次々と息絶えていくクラスメイト達。
気が狂ったように、刃物を振り回し銃を乱射する大人達。
親友を殺す生徒達。
血で真っ赤に染まった教室。
次は自分だと怯える生徒達。
…なんだこれは。
こんなの、地獄じゃないか。
「っ、ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
あたしは、頭を抱えて、涙を流しながら叫んでいた。
他のみんなも叫び、そして戦慄していた。
「あっははは!!!ウケるwwwまさかここまで面白いリアクションしてくれるとはねw」
「うぐっ…うぅうう…!!」
「よーし、じゃあ話続けるよ。で、事件から1年後…信じられない事が起こった。」
「…お姉様達が、死んだ。」
「それから、『絶望』の勢いは減速していった。…この時、私は確信していた。世界を再び『絶望』に堕とせるのは、妹である私しかいないってね。だから私は、世界を再び『絶望』に堕とす計画を立てた。そして2年後…ついに、計画が完成した!!」
「まず私は、より『絶望的シチュエーション』を新鮮な気分で味わってもらうために、入舎してからの4年分のみんなの記憶を消去したわけ。…そして新たに、『
「まあ、ジョージのクソ野郎は使えそうだったから、記憶を消さずに犬として有効活用させてもらったけど…私が暇つぶしに作った失敗作のAIと一緒に私に歯向かったのは、マジで調子乗りすぎだよね!まさか、自分が作った失敗作が、裏切り者のクソ野郎に反逆の意志を植え付けられて私に牙を向くなんて…とんだ不覚だったよ。」
「…とまあ、これが、このコロシアイ学園生活の真相だよ。」
「そんな…じゃあ、オレらは一体なんのために…」
「…そうだよ。お前らが生きる糧にしていた『幸福な時間』は、そもそも私が植え付けた偽物の記憶…お前らの守るべきものは、とっくに全部ブチ壊されてる…そして現状は、ここに留まろうが地獄、外に出ようが地獄だ。
…これでわかっただろ?」
「お前らには、
いやあ、ちょっとアイカの性格をゲスくし過ぎましたかね。
作者自身、どちらかと言えばSになりたいMなので、こういう口汚く罵ってくれる子を書くのが楽しいんですよね。
構想を練っていた時は、原作キャラを登場させる予定はなかったのですが、絶望シスターズの妹が事件の黒幕というストーリーにしたら面白いんじゃないかと思い、アイカこと創作妹を登場させました。
ちなみに、つぐみの容姿が金髪碧眼だという情報をプロフィールに載せたのは、いうのは、彼女が江ノ島 盾子の妹であるという伏線でした。
今はショートボブですが、2年前まではツインテだったので、容姿も(身長以外は)江ノ島 盾子に近い感じだったと思います。