リボーンダンガンロンパ80th 帰ってきた絶望の高校生   作:M.T.

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第0章 希望編

「今日の実験はここまでだ。…お疲れ様。」

 

「夏川君。今日の成績も素晴らしかったよ。明日もこの調子で頑張れよ。」

 

…今日も、実験キツかったなぁ。

 

あたしの才能はSランクだから、けっこうキツい実験を受けないといけないらしい。

 

認めたくないけど、ここまで耐えられたのは、中学でのいじめで耐性がついたからなのかな?

 

まあでも、今まで特にこれといった才能が無いあたしが、希望ヶ峰に入学できるチャンスなんだし、残りの1年半頑張らなきゃ!!

 

あたしは、実験室から出た。

 

「…あ。」

 

「おつかれ、良馬!」

 

「おつかれ、メグ。…大丈夫?ステージ5って、発狂する人多いみたいだけど…」

 

「あたしならこの通り!絶好調!!」

 

「…ならいいんだけど。」

 

「えへへ…良馬があたしの心配してくれるなんて、なんか嬉しい…」

 

「…そ、そう…」

 

「よぉ、夏川に法正!お前らも実験終わったん?」

 

明石君が話しかけてきた。

 

「にしても…法正はステージ4、夏川はステージ5やろ?お前ら、ようそんなモン耐えられんな。」

 

「希望ヶ峰に進学するためだからね!」

 

「いや、お前らは頑張らんでも進学は確実やろ。SランクとAランクなんやから。俺なんかEランクやぞ?」

 

「でも、明石君も、頑張ればきっと進学できるよ。」

 

「そうそう。才能の優劣だけが全てじゃないよ!」

 

「うーん…なんかお前らに言われてもなぁ…」

 

「確かに、説得力が無えのは否めねえよなー。」

 

「まあそうだよねー。」

 

「わかりますぞ…」

 

後ろから佐伯君、魅神君、大田君が現れた。

 

「…君たち。」

 

「なあなあ夏川ちゃん。またおっぱいデカくなったんじゃねえの?」

 

「むむっ!?やはり、胸囲が3cm程伸びていますぞ!!」

 

「あははー。男のロマンだよねー。」

 

ガツンガツンッ

 

ガツンガツンッ

 

ガツンガツンッ

 

「痛ってぇ!!なんで法正まで殴ってくんだよ!!」

 

「痛ってぇー。」

 

三人の頭に大きなタンコブが二つできる。

 

「メグにセクハラしたら、僕が許さないから。」

 

「くっ、ここは一旦退くであります!」

 

「賛成だぜ、相棒!」

 

「さいならトンズラスタコラサッサ〜。」

 

三人は、颯爽と走り去っていった。

 

「アイツら、ホンマアホやな〜。」

 

「ホント、なんで佐伯君と大田君ってエロの事しか頭にないんだろうね!!ついでに魅神君まで便乗しちゃってるし!」

 

「今度、先生に言いつけてみようか?たっぷりお仕置きして貰えるんじゃない?」

 

「法正…お前、今サラっとえげつない事言いよったな…」

 

「施設の風紀は守らなきゃいけないと思わないかい?」

 

「…まあ、そうなんやけど…」

 

「貴方達、何をそんな所で突っ立っているんですか。」

 

宇田川君が後ろから話しかけてきた。

 

「この通路は、物理室に行くのに使うんです!早く退いてください。」

 

ついでに、湯川さんも宇田川君についてきていた。

 

「…あ、ごめん…。」

 

「謝る時間があるなら退いてください。通行の邪魔です。」

 

そう言うと、宇田川君と湯川さんは行ってしまった。

 

「あはは…相変わらずキツいなぁ。宇田川君は。」

 

「あんなんだからモテないんじゃないの?」

 

「…いや、そうでもあらへんみたいやけど。」

 

明石君が、物陰を指差す。

 

コソコソ隠れているつもりなんだろうか、奴目さんのツインテールが見えていた。

 

「…奴目さん?こんな所で何やってんの?」

 

「メ、メグメグ!?嘘!?バレてた!?」

 

「うん。丸見え。」

 

「ふにゃあああああ!!!」

 

「…美羽ちゃん、だから言ったじゃん…美羽ちゃんに尾行は無理だよ…」

 

「ごめんさとかな〜!」

 

奴目さんと倉里さんが物陰から姿を現す。

 

「メグメグ!ジョージ君、どこ行くって言ってた!?」

 

「確か、物理室の方に…」

 

「だってさ!ほら、さとかな!早く追いかけて声かけてきなよ!!」

 

「え〜…無理だよ〜。湯川さんいるし…」

 

「何のために尾行に付き合ったと思ってんのさ!ほら、行った行った!!」

 

「やめてよ〜。」

 

二人は、宇田川君の尾行を続けた。

 

「…意外とモテるんだね。宇田川君。」

 

「まあ、イケメンやからのぉ…」

 

「二人とも、もうそろそろ食堂行かないと、学食取れないよ。」

 

「えっ!?もうそんな時間!?」

 

「早よ行かな!!」

 

あたし達は、焦って食堂に駆け込んだ。

 

 

「なんとか間に合ったね。」

 

「せやな。…夏川?どないしたん?」

 

「ショック…クリームパン一個しか買えなかった…」

 

「はぁ!?ホンマか!?お前ホンマ運ないな〜。」

 

「メグ、僕の分あげるから元気出しなよ…」

 

「いいの!?」

 

「うん…僕、こんなに食べられないし…そのパンくれる?」

 

「よっしゃああああ!!」

 

「エラい喜び方やな…」

 

三人でそんなやりとりをしていると、食堂の奥が何やら騒がしかった。

 

近くにいた根無さんが話しかけてきた。

 

「ねえ〜。あれ、止めてくれな〜い?」

 

根無さんは、あくびをしながら、騒がしい方に指を差して言った。

 

「小林君!!学食を買いすぎるなと何度言ったらわかるんだ!!!みんなが迷惑してるんだぞ!!!それに君、学食のお金払ってないだろう!!?」

 

「うるせぇな!!この熱血ガチムキ野郎!!一番に来た俺が学食を買い占めて何が悪いんだよ!!これ以上俺に逆らうと、ハラワタ引きずり出すぞ!!?」

 

「なんだその口の利き方はッ!!!」

 

…またあの二人か。

 

あたしが二人を見ていると、良馬が二人の間に入って言った。

 

「小林さん、みんなはちゃんとお金を払ってるんだから、君もちゃんとお金払おうよ。…あと、九十九君。君は声が大きすぎ。ボリューム下げて。」

 

「むっ…す、すまない…」

 

「チッ…」

 

二人とも、大人しくなった。

 

「お待たせメグ。じゃあ、食べよっか。」

 

 

学食を食べ終わった後、真樹さんに声をかけられた。

 

「ナツカワ、アンタこの前のアクセの弁償は?」

 

以前、真樹さんが、あたしの目の前で自分のアクセサリーをわざと落として壊し、あたしに弁償しろと言ってきた事があった。

 

「…いや、あれはあたしじゃなくて真樹さんが…」

 

「言い訳はいいから早く弁償しろよ!」

 

「…真樹さん。僕も見てたけど、あれは真樹さんが勝手に落としたんだよね?」

 

「うっ…あ、アンタが口出しする事じゃ無いでしょ!?アタシは今夏川と…」

 

「恐喝は立派な犯罪だよね?おまわりさん呼んでこようか?」

 

「や、やめてよぉ…もうしないからそれだけは勘弁してよぉお…!」

 

良馬が携帯を操作し始めると、真樹さんは泣いた。

 

「…本当にもうしないね?」

 

「しない!しないからぁ…!!」

 

「…良馬、そろそろ許してあげたら?」

 

「せやで法正。流石に女子泣かすのはアカンやろ。」

 

「…それもそうだね。もう行っていいよ。」

 

「ひぃいいいい!!」

 

真樹さんは、泣きながら逃げていった。

 

「いくじなし。本当に通報するわけないのにね。」

 

良馬は、いつも通り笑みを浮かべながら言った。

 

「法正、お前ホンマ怖いわ。」

 

「でも、あたしの事助けてくれてありがと。」

 

「え、へへ…」

 

良馬は、頭を掻きながら照れた。

 

可愛い奴め。

 

「夏川、お前法正に甘すぎるんとちゃうか?」

 

「でも、良馬は優しくてすっごい頼りになるよ?」

 

「せやから、甘すぎゆうとるやろ!!バカップル!!」

 

「褒めないでよ明石君〜。…あ、もうこんな時間だ。大浴場空いてるけど、行く?」

 

「そうだね。じゃあ一緒に行こっか。」

 

三人で大浴場に向かった。

 

 

大浴場の前には、変態三銃士がいた。

 

何やら、女湯の前で作戦会議をしているらしい。

 

「今日こそ…今日こそ覗くぞ…!」

 

「佐伯氏、作戦の方、頼みましたぞ。」

 

「任しとけって。オレの覗き歴ナメんなよ?」

 

「佐伯クン、それ胸張って言える事じゃないよね〜。」

 

「よし、じゃあ作戦通り…」

 

「一体何の作戦ですか?」

 

黒須君が現れる。

 

「く、黒須…!?違うんだ、これは…えっと…」

 

「違うこと無いですよね?…今ここでゆっくり話し合いましょうか?御三方?」

 

「あはは〜。黒須クン怖〜い。」

 

黒須君の説教タイムが始まった。

 

それから約30分が経過した。

 

「…あー、気持ち良かった…って、まだ説教続いてたの!?」

 

黒須君に正座させられていた三人は、生気を失っていた。

 

「…すみませんでした。もう二度としません…」

 

「自分は…欲まみれのクズであります…」

 

「…黒須君。」

 

黒須君はあたしに気付いた。

 

「おや、夏川さん。お見苦しい所を見せてしまいましたね。」

 

「真面目なのはいい事だけど、ちょっと行き過ぎじゃない?かれこれ30分は経ってるよ。」

 

「もうそんなに経っていましたか。私とした事が、くだらない事で時間を使い過ぎました。…ところで、夏川さん。」

 

「何?」

 

「…そろそろ、入信の方考えて頂けましたか?」

 

「遠慮しときます!!」

 

いきなり宗教勧誘された。

 

油断も隙もありゃしないよ、全く。

 

 

「もう黒須君の勧誘がしつこすぎ!!」

 

「それは災難だったね…」

 

「でしょ!?」

 

廊下を歩いていると、金剛寺さんと銀杏田君に会った。

 

「こんにちは、夏川様、法正様、明石様。今日も御三方ご一緒でございますか?」

 

銀杏田君が先に挨拶をした。

 

「うん、まあね。実験が終わってからは、三人でずっとお話してたね。」

 

「左様でございますか。」

 

「こんにちわんこ蕎麦もういっちょ!!」

 

「ほぇ?」

 

金剛寺さんがわけのわからない挨拶をした。

 

「金剛寺…何やそれ?」

 

「あら?庶民の方はこのように挨拶をなさると教わったのですが…皆さんは、使っていらっしゃらないんですの?」

 

あちゃー…これ、絶対誰かが変な入れ知恵したヤツだ…

 

そんなしょーもない挨拶する人いるわけないでしょーが。

 

天然にも程があんだろ。気づけよ金剛寺さん…

 

「…金剛寺さん?その挨拶、誰に教えて貰ったの?」

 

「ええと、魅神さんが教えてくださいましたわ。」

 

あいつ!!マジでくだらない事しかしないな!!

 

「…他に変な言葉教えてもらってないでしょうね?」

 

「と、おっしゃいますと?」

 

「魅神君に、どんな言葉教えて貰った?」

 

「ええと…他には…『よっこいしょういち』とか…あとは…『おはよオナn

 

「ストーップ!!!もうええわ。それ以上言わんでええ。」

 

明石君が、慌てて金剛寺さんの言葉を遮る。

 

「?」

 

金剛寺さんは、キョトンとした顔をしていた。

 

…っていうか、銀杏田君何やってたんだよ…止めろよ…

 

「…よし、今から魅神のドアホウをしばきに行こか。アイツ、金剛寺におもんない親父ギャグ教えるだけやなく下ネタまでブッ込んでくるたぁええ度胸しとんなぁ…」

 

明石君が完全にブチ切れモードになっていた。

 

…この人、笑いの事になると妥協できないからなぁ。

 

あたし達は、明石君に付き合わされる形で魅神君を探した。

 

「おい魅神ィ!!」

 

「ん〜?三人ともどしたの?」

 

「何惚けとんねんこのドアホ!!お前、よう悪びれもせず女子にしょーもない親父ギャグや下ネタを吹きこんだなぁ!!」

 

「いや、真に受ける方が悪いんだろー。俺のせいじゃねーし〜。」

 

「今先生呼んできたよ。たっぷりお仕置きして貰うといいよ。」

 

『魅神君。至急職員室に来なさい。』

 

放送と同時に、先生達が魅神君を連行する。

 

「え、ちょっと待って。おかしくない?ねえ、ちょっと〜!」

 

魅神君の姿が見えなくなる。

 

「これで良し、と。」

 

「汚物は消毒や!」

 

…今回は、魅神君が悪いから、いい…のかな?

 

 

魅神君をチクった後は、娯楽室に行ってみた。

 

「なんか、最近実験続きでストレス溜まってるからね。たまには発散しないと!」

 

「いいアイデアだね。…何で遊ぶ?」

 

「そうだな…」

 

部屋の隅を見てみると、千葉崎さんとアーニャちゃんがいた。

 

「…あれ?珍しい…二人とも、どうしたの?」

 

「こやつと遊んでやろうと思ってな。」

 

千葉崎さんは、猫型のロボットを抱きかかえていた。

 

『ニャー』

 

「かわいい〜!」

 

「ふ、ふん!バカじゃないの?そんなオモチャを可愛がって…」

 

アーニャちゃんは、そっぽを向いて言った。

 

…本当は一緒に遊びたいんじゃないの?

 

「ほら、タマ。猫じゃらしで遊ぶぞ。」

 

千葉崎さんが猫じゃらしを振る。

 

すると、アーニャちゃんが猛スピードで猫じゃらしを捕まえる。

 

…完全に猫じゃん。

 

『ニャー』

 

「お主が捕まえるんかい!!」

 

「ふん…新参者になど負けるものか。…タマよ、もうひと勝負しようではないか。」

 

アーニャちゃんは、満足そうにアホ毛をピコピコ動かしていた。

 

「…猫が二匹いるね。」

 

「せやな。」

 

あたし達は、アーニャちゃんとタマに癒された。

 

「どうよ!!私のロボットは!!」

 

後ろから、江ノ島さんが話しかけてきた。

 

「これ、江ノ島さんが作ったの?」

 

「そうだよ。このスーパー美少女哀華ちゃんの手作りロボットだよ!…で?どうよ。感想は?」

 

「すごいね。本物の猫みたい。」

 

「当たり前だろうが!この天才完璧美少女の哀華様が作った、人工知能を搭載した超高性能のロボットだぞ?そこらのガラクタとは出来が違ぇんだよ!!」

 

江ノ島さんは、あたしと同じSクラスの才能の持ち主だ。

 

小学生の時に、数学の未解決問題を証明したという、超天才の理系女子だ。

 

おまけに、めちゃくちゃ美少女。…高飛車でナルシストなのが玉に瑕だけど。

 

「そうだ、夏川。お前、確か部屋の時計が壊れたっつってたよな。」

 

「よく覚えてるね。…最近、調子が悪くてさ。」

 

「今度、それ持ってこいよ。私が秒で直してやるよ。」

 

「いいの?」

 

「私に不可能なんて無えんだよ!」

 

江ノ島さんは、得意げに言った。

 

「じゃあ、お願いしよっかな?」

 

「あ、江ノ島!俺のスマホのバッテリーも見てくれるか?」

 

「僕の部屋のテレビもお願いできる?」

 

「お前らもかよ!?…ったく、しょうがねえな!この哀華様が一肌脱いでやるよ!」

 

「おおきに!!」

 

「ありがとう。」

 

「感謝が足りねぇぞ!私に修理して貰えるんだから、もっとありがたがれよ!そして媚びろ!この私に!」

 

「…あはは…相変わらずだなぁ。」

 

 

 

 

 

この時、アイカを除いては、誰も予想していなかった。

 

まさか4年後に、記憶を無くした親友同士が、地獄のようなデスゲームで殺し合いをするなんて…

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