IS転生 俺の相棒は胃薬です   作:魚介(改)貧弱卿

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第10話クラス代表決定戦

「そこの貴方達もですわよ!」

 

その一言、それが異様なまでにトントン拍子で進んだ、もとより他人事であり、自分らにとっては見世物でしかないが為に気軽に迷惑を撒き散らす一般女子生徒達によって強引にレールを敷かれ、その上をディーゼルエンジン積んだ一夏に引き摺られているような気分だ

 

結局その日の授業など何一つ聞いている余裕がなかったが、寮に戻ってきた後

いったん落ち着いて、原作の流れを思い起こしてみたのだが…

 

「それで、結局のところ、俺はどうすればいいんだ?」

 

この一言に尽きる、俺はこうならないように頑張って用意をしていたはずなのに

このままでは、いつのまにか

『主人公』(ヒーロー)である織斑一夏の為に前座をやらされる負け犬ポジが確定してしまう

 

「専用機は未だ開発途上だし、することもないんだから寝てれば?」

 

「いや寝てたらダメだろ、試合来週だぞ来週、でも下手に汎用機使ってたら感覚がズレるから再調整が必要になる云々って言われて訓練禁止なんだよなぁ…」

「オルガは凝り性だからね、歳星(偽)で今頃設計図睨んでるんでしょうよ」

 

掛け合いをしながら頭は止めない

どう動くかのシュミレーションやら、攻撃を受けたときの立て直しの動作確認などisを実際に使わなくでできることはある…のだが、

百時間以上isを動かしている(うろ覚え)総合的な訓練量だけなら四人中最高であり、現時点で唯一ちゃんと専用機持ちとしての訓練を積んでいるセシリアに対する戦闘である以上、やはり実機訓練は外せない

 

武装の全てはブレード一本、射程距離極短(というかほぼ接触距離)の近接特化isをつかう一夏相手という話でもなく

『超高速で一直線突進』というような稚拙な作戦は通用せず、セシリア相手では遠距離戦主体の戦術は分が悪い

 

「こればっかりは機体の形状や性能やらの特徴も顕著になってしまうし

迂闊な作戦を立てて機体に合わないんじゃ困る」

 

どうしようもないことはどうしようもない

機体がない上に訓練もダメというのなら、もう理論シュミレートくらいしかすることはない

 

………どうしよう

 

「…僕も僕のis作るので忙しいんだよ、いや製造自体はすぐにできるんだけど

それだけじゃなくて調整やプログラムの書き換えが必要になるからね」

 

先ほどからずっとキーボードを叩いていた晴羽は、俺のことを完璧に無視したまま声だけを投げてきているようだ

 

「…製造だけならできるのか?」

「AEGシステムはその為にあるんだよ、すぐにできる…でも、プログラム書くのは人力だし、事前に用意したものとはいっても、実際に出来上がる専用機に対して直接適用できない『噛み合わない』状態の可能性もある、だから調整とかに手間がかかる」

 

「なーる…諦めて寝るか」

 

俺はできない方はできないと認める派である

 

そして、残酷なまでにそのまま時は過ぎ、気づけばいつもどおりの肉体トレーニングしかしていない状況で一週間がすぎてしまっていた

 

「…はぁ」

「どうした織斑、そんな疲れた顔で」

「ん?…あぁ 笛吹か、…どうしたも何も、箒のやつ、この一週間isの訓練全然させてくれねぇんだよ、鍛え直すとか言ってよー」

 

突然なため息の理由を聞けば

篠ノ之箒プレゼンツの特訓についての文句だった

 

「…生身でしか訓練できないのは俺も同じだ…それに、箒………?…あぁ、お前の隣の席の女か?…まぁ、生身と同じ感覚で動かすモノなのだから、生身で動くことにも意味はある

それに」

 

「それに?」

 

「『鍛え直す』という事はつまり、そいつは以前のお前を知っていて、その『以前のお前』は『今のお前』より強かったのだろう?感覚を取り戻しておいて損はない筈だし、最低限の体力を養う程度の訓練にはなるんじゃないか?」

 

一応擁護しているつもりではあるが

特訓自体は…まぁ非効率だろうな

最適なのは一夏が打鉄を使った上で、箒は複数の人員を用意した上で第二世代機であるイギリス製機体『メイルシュトローム』を使った射撃戦を演じてセシリアのis 『ブルーティアーズ』のビットによる多角射撃を再現した『対遠距離戦闘』の訓練を積む事なのだが、やはりそう何機も訓練機を借りられるようなはずはない

 

…うん、総合的に考えた上で、やはり今の彼にできるのは打鉄で格闘戦の練習、程度だろうし、それならシャドーで剣を振っているよりも生身で相手取った方が訓練としての形にもなるか

 

結局、1対1でできルー形にするならそれが最適、と取ることもできる判断だし

悪くないとは思う

 

「でもだからと言ってよぉ」

「isを使って訓練しようにも、訓練機と専用機にはレスポンスや機動性に違いがあるからな、変に癖や先入観的な慣れをつけるよりは

最初から『そういうモノ』として専用機だけに特化したパイロットに仕立てた方が、動きとしては良いと思うぞ」

 

「ビギナーが鈍い機体に慣れちゃって高機動型を使いこなせない、みたいなやつだね」

「急にエースコンバットみたいに聞こえるようになったんだが?」

 

横から入ってきた晴羽にツッコミを入れる

 

「単純にできる中での最善ってだけだろ、できなかった努力を悔やむより

できる努力を尽くそうぜ」

 

結局の一言を叩きつけて

俺は、本日に行われるクラス代表決定戦の開始宣言を待った




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