IS転生 俺の相棒は胃薬です   作:魚介(改)貧弱卿

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第12話 クーゲル・リュミエール

一夏を倒した僕は一気にピットへと戻り、そのままisを解除する

待機形態のisには自己修復機構が自動的に働き、ある程度までは損傷を自動的に修復できる

 

「…次の一夏とセシリア戦の間だけでも、回復しておかないとな」

 

SEの回復を狙うべく、少しでも機体を休ませる事にした僕は、クレナイコーポレーションのスパコン、フィリップに指示を送った

 

 

原作通りの流れで一夏が惜敗し、

セシリアvs巽の大戦が消滅した事で自動的に順番が回って最後の戦いになった

 

僕vsセシリアの戦いが始まる

 

「…一夏さんにはギリギリまで追い詰められてしまいましたし、ティアーズも失ってしまいましたけれど…それでも易々と負けてはさしあげられませんことよ?」

 

「いちいち間延びする謎の嬢語はどうにかならないのか…?まぁどうでも良いけど

時間もできたし、汎用武装(ワイドアームズ)も形にはなったんだ

僕だって、そう簡単にはやらせない」

 

破壊されたガーベラ・ストレートに代わって展開された武装は、同型の刀

 

「先ほどと同じ刀…ですの?」

「いや、これはさっき使っていたガーベラ・ストレートと対になる剣

タイガー・ピアスさ、本来なら二刀流なんだけど、僕自身の力量から片方ずつにしているだけだよ」

 

セシリアの問いにこたえつつ

AGE(エイジ)システムでつい今さっき作ったという事実は隠す

 

「そうですか…自分の実力を弁えるということは重要ですものね」

「全くその通り、背伸びをしても結局無理の代償が降りかかるだけだ」

 

ブレードを軽く振り、不知火パックのスラスターを起動する

 

「さぁ、やろう」

「望むところですわ」

 

その言葉と同時に試合が開始され

セシリアはスターライトMk Ⅲを構え、ほぼ同時に(ノータイムで)撃つ

 

僕はイグニッション・ブーストで加速し、それを躱して同時に共通規格の汎用武装(ワイドアームズ)であるビームカービンで単発射撃

大した効果は期待できないが

それでもただ撃たれるよりはマシ

 

向こうのスターライトMKⅢから放たれたビーム弾が僕のISである

アカツキに着弾

 

そして、アカツキの本来の装甲性能を発揮する

 

「ヤタノカガミッ!!」

 

ビームカービンの弾を躱したセシリアに、ビームが跳ね返される

「っ!二連射!?」

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

期を見たりとばかりにイグニッション・ブースト、急速に加速した僕は

そのままセシリアに向けて突撃し、左手のタイガー・ピアスを振りかぶる

 

「させませんわ!」

 

セシリアの手中にはショートブレード

その名は『インターセプター』

名の通りに『割り込み(インターセプト)』を掛けてたのだ

 

「貰いますわっ」

「くっ!」

 

右手のビームカービンをトリガー引きっぱなしで振り、擬似的にブレードにして、そのままぶつける

セシリアはそちらに対処を迫られ

ビームカービンを短刀で貫く

その瞬間、内部カートリッジが爆発して、短刀(インターセプター)を破壊した

 

そしてそのまま、左手(タイガーピアス)の一撃を入れる!

 

「取った!」

「ですからぁっ!」

 

袈裟斬りの一撃は、対IS刀

『葵』で弾かれていた

 

「そう易々と負けられないと言ったはずですわ!」

「それは打鉄の刀?!」

 

「その通りですわ、一夏さんにティアーズを破壊されて、拡張領域に随分と空きができたもので、隠し玉として持たせていただきましたの」

 

「…君、近接は苦手なんじゃなかったの?」

「苦手ですわ、ですが、それが近接をできない理由にはなりませんもの」

 

「随分と勤勉なことで…」

 

ため息をつきながら一旦離れ

すかさず放たれるティアーズのビームをタイガー・ピアスの鎬で受け流す

 

「ビームを切った…?」

「光を切るのは、水を切るより遥かに容易い」

 

実際はビームコーティングが施されているから、直撃でも弾けるというだけなんだけど…まぁここは格好良く?

 

「行くよ…てぇぁぁぁぁっ!」

 

大上段の構えで突撃の姿勢を取り

セシリアの連射をあえて装甲で受けながら突進する

 

「なんですのその装甲は!」

「ヤタノカガミダァッ!神の才能だぁぁっ!ふぁぁっはぁっはぁっはぁ!」

 

執拗にセシリアを追いかけて

ついに追い詰める

 

「っ!…ここまでですの…?」

「私の才能の前にぃいひざまづけぇぇぇっ!」

 

そのまま上段からの面打ちを仕掛け、その瞬間、セシリアの体当たりを喰らう

 

「ぐぼがぁぁっ!?」

 


視点チェンジ

 

「ビームを切った…?」

「光を切るのは水を切るのより遥かに容易い」

 

彼が無造作に放ったその一言で、わたくしに残された数少ない武器であるスターライトMkⅢ、その優位性であるところの遠距離からの攻撃能力が完全に喪失したことを確認したわたくしは、それでもただやられるなどと言う屈辱を受け入れはせず

全力で抗う為に

 

全力で逃げ回ることを決めました

前の試合からして武装以外の損失のないわたくしと違って、彼は僅かなりともダメージがあるはず

 

SEの残量で勝負がきます時間切れまで逃げ切れば勝ちにはなる

 

 

…そんな見苦しいモノを勝ちと呼べるの?…いえ、勝利は形ではなく結果

最終的に勝てばそれで良いのです!

 

「行くよ、てぇぁぁぁっ!」

 

特殊な造形の白と赤の刀…タイガー・ピアスを大きく振りかぶる構えで突進してくる彼

その姿は酷く無防備で

その装甲型と言ってもダメージの余地は大きいように見えました

 

その瞬間、わたしくはスターライトM kⅢの引き金を引いていました

そう、一矢でも報いるために

 

しかし

 

「なんですのその装甲は!」

 

奇怪なことに、最初は単なる飾りだと思っていた金色の装甲がビームを吸収して

まるごと反射してきたのです

その光景に、わたくしは最初に放った一撃も跳ね返されていた事を察して

一気に飛び上がりました

 

「ヤタノカガミダァッ!神の才能だぁっ!ふぁぁっはぁっはぁっはぁ!」

 

一瞬にして異常なまでに気迫を引き揚げた彼は、そのままわたくしに突進してきて

今度は『葵』の展開も間に合わない事を悟りながら、頭を巡らせ

回避ルートを探し続ける

 

どれだけ無様であろうと

負けるわけにはいかないと

動き続け、考え続ける

 

しかし、ついにアリーナ最上部、障壁に道を遮られ、隅へと追い詰められてしまう

 

「っ!…ここまでですの…?」

「私の才能の前にぃいひざまづけぇぇぇっ!」

 

当たってもダメージにならないと確信しているからか、もはや銃には脅威を感じないとばかりに真っ直ぐに飛び込んでくる彼

そして、わたくしは

 

何をするかと考えるよりも前に

体が動いていた

 

「ぐぼがぁぁっ!」

 

「…先ほどあなたが取っていた手、使わせてもらいましたわ」

 

本来ならば自分のSEも削ってしまう体当たりは避けるべき手段、しかし

相手の態勢を崩す為の

起死回生の一手としてならば!

 

「打つ価値のある一手ですわ!」

 

葵を出現させて、刃筋など通す余裕もなく、それでも一撃を当てる

 

「ぬぐぅぁっ!」

 

たしかに、一撃として『入った』感覚

手応えはあった

 

「このままっ!」

「させん!」

 

体制を切り替えて

追撃に入ろうとしたわたくしに

さらなる一手が待ったをかけてくる

 

強烈な閃光と爆発的な音

それは

「ショックスタナー、閃光手榴弾…規格化していて良かったよ」

 

そう、手持ち武装どころか

手榴弾などという古典的なモノ

 

しかし、それはたしかにハイパーセンサーを撹乱し、過剰な負荷を掛けて

一瞬のみ空白の時間を作り出す

 

「パンツァーアイゼン…は無いから、リールフィッシャー…もないか…そうだな」

 

右手を掲げて次々に武装らしきものの名称を宣言している彼に対して

牽制がわりにスターライトを撃ち

反射されてくる弾を躱そうとして

 

バチィッ!という

絶対防御の発動音を聴いた

 

「っ!もう見抜いたのか…」

 

彼の持つ装甲は、完全な遠距離攻撃無効化ではない…?いや、何発撃っても無効化されていたのですし、それは無いと考えるべき

ではなぜ反射されなかったのでしょうか

反射される場所に限りがある…?

 

「まさか!」

彼の装甲は、黄金の部分のみがビーム反射機能を有し、他の色の部分はそうではない?

 

「気づかれたなら隠す必要もないか」

 

薄く呟く彼の声を、ハイパーセンサーで強化された聴覚が聞き取る

 

「このまま攻め落とします!」

「仕方ないなぁ…全く!」

 

やや下方正面からイグニッション・ブーストで急接近してくる彼の姿を捉えて、こちらは対応して『葵』を振るために若干の前進を含んだ動きで振りかぶる

 

「ぜぇぇぁっ!」

 

彼のタイガー・ピアスに合わせて

擦り込むような動きで刃を擦れ違わせ、そのまま振り下ろす

 

「ふっ!」

 

しかし、それも上手くは決まらない

前進装甲型の彼のisは通常のタイプに比べて重い代わりに硬い

装甲が強い

わたくしにも『零落白夜』のような装甲突破能力があれば…いえ!

わたくしには多角射撃能力がある

それだけで十分!

 


 

 

互いの装甲とSEの削り合いに発展した至近距離戦を見つめながら

誰かは笑った

 

「まだ未熟だが伸び代はある…か、全く、期待していなかった所から面白いものが出てきたものだ…だが、あのままでは削りきられるぞ?

 

さぁ、これにどう対応する?」

 

その影は揺るがない

 


 

剣と銃、そして爆弾が幾筋も交錯する中

時代に互いの力は、(SE)は弱っていく

 

「あはははっ!もっと僕を笑顔にしてよ!」

「急に人が変わったように…きゃぁっ!」

 

イグニッション・ブーストを3連発

角度をつけて急旋回、エイジシステムから転送されて来た鋼糸をタイガー・ピアスにくくりつけて、タイガー・ピアスを投擲、そのまま振り回す

 

「あはははっ!」

 

「くっ!」

 

速度を維持したまま放り投げて

タイガー・ピアスを爆発させる

先ほど転送されて来た閃光手榴弾をくくりつけていたのだ

 

「あははは!」

 

爆発と同時に突撃、

右手のビームサーベルのコネクターにエネルギーを収束させる

 

アストレイでレッドフレームが使っている『光電球』と同じ技術だ

 

「せえぁぁっ!」

 

全エネルギーを込めた光電球…いや、

『クーゲルリュミエール』

を、掌底に載せて叩きつけるっ!

 

 

「終わりダァァっ!」

 

その瞬間、試合終了のブザーがなった

 

「シールドエネルギー、エンプティ

勝者 セシリア・オルコット」

 

 

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