IS転生 俺の相棒は胃薬です   作:魚介(改)貧弱卿

16 / 18
第十六話

「颯爽登場!」

「銀河美少年!タウっ…バーァン!」

 

「繋げるな!」

 

馬鹿な!鈴の奴

俺と晴羽渾身のスタードライバーネタを!?

 

「ん…あれ?お前もしかして鈴音か?」

「ひ、久しぶりね!一夏!」

 

おっと、主人公一夏の台詞が入った

ここからは彼のステージ(鎧武)

なので、俺達脇役は道を譲ろう

 

(実は誰か知ってるが)「誰だ?」

 

敢えて空気を読まずに割り込むだけ割り込んだ晴羽に、張りのある声が直撃した

 

「私は凰・鈴音(ファン・リンイン)、中国の代表候補生よ!」

「俺の幼馴染のリンだ」

 

「………」

「…………」

 

クラスの面々はその瞬間

一瞬でシンクロして、押し黙った

 

「しかしあんた、少し見ない内に何isなんて動かしちゃってんのよ」

「そういうそっちこそ」

 

なにやら再会補正の高いテンションで話し合っている二人の背後で

般若の如き形相に成り果てている箒の存在が理由であることは、想像に難くないであろう

 

「…………すまない、

もうじきHR(ホームルーム)が開始時間になる、なのでそろそろ……えっと、ファンさん?は帰った方が良いだろう、このクラスの担任はご存知世界最強(ブリュンヒルデ)だ、出席簿を喰らいたくなければ撤退するべきだと思うが?」

 

「うっ……千冬さんの一撃……しかも出席簿…?帰らせてもらうわ……」

 

なにやら急に肩を落として

歩き去っていった鈴

 

そして

無情にもチャイムは鳴る

 

「戻るのが遅いぞ鳳!」

「ひっ!ひゃい!」

 

スバァーン!!という、何かが爆発したような音とともに、悲鳴が聞こえる……どうやら一撃受けてしまったようだ

 

哀れなり、中国代表候補(おおとりすずね)

 

 

そして、この爆音は

「試験通りの性能が確認できた…最高だね」

「やはりこれはあの…出席砲か」

 

exactly(その通りだよ)

 

通信で連絡を取り合うながらクスリと笑う

 

「貴様らもなにをしている!」

ガラッ!と教室に踏み込んでくるや否や大声をあげる織斑先生に

晴羽が突撃する

 

「さぁ先生!出席簿ご使用の感想をどうぞ!」「あぁ最高だよ……お前にも一発食らわせてやろう」

 

その瞬間、賢明なる者は身を伏せて耳を塞ぎ、愚かなる女子はその姿を静観した

 

そして

 

ズバァーン!

 

溢れる爆音が全てをなぎ倒した

 

 

 

「レビューにはその身で体験するのが一番だろう?」

「うごぁぁぁぁぁ………貴重な脳細胞が……」「聴覚が……」

 

敢えて聴覚レベルを押さえて脳破壊を防いでいても、なおもダメージを受けるほどの大音響とは、これはもはや兵器なのでは……?

 

「おかしい…設計段階ではこんな威力はないはずなのに……」

 

「『織斑先生が使ってる』っていう条件の下でか?」

「それは想定していなかったよ……」

 

どうも晴羽の想定が甘かったようだ、紙一枚ですらも魔導騎士にかかれば鉄パイプを切断するというし、織斑先生(ブリュンヒルデ)が使うのならばただの出席簿を持ってですらもisの装甲を破壊できるに違いない

 

「チッフ……お前おかしいよ……」

「世界最強がおかしいのは当然だろう?」

 

ことあとしばらく晴羽は起き上がってこなかった

 

 

「…大丈夫か?」

「九龍!?」

「先生と呼べや」

 

晴羽の頭に追い討ちゲンコツ一発を入れた翼は、同時に誰にも見えないように、晴羽のホログラムキーボードに触れる

 

『俺用のは完成したか?』

『現在完成率は85%クルーズモードなら通常通り、スペックは万全

それ以上の機能は未実装だよ』

 

瞬時に手元のデバイスで情報が行き交い、翼せんせーは満足げな表情になる

 

「それじゃあ今日のhrは俺が担当するからよろしくな?」

副担の山田先生がいない代わりに、なかなかのイケメンである九龍がホームルームを執り行う…それに燃えない女子はいなかった

 

「うぉー!」

「やる気が湧いてきますよ!」

「きゃー!」

 

なんというか女子は群れると鈍くなるというが、その通りなようだな

「よし、それじゃあ段取り踏んでいくぞ、今日の朝礼当番だれ?」

 

「はーい!私です!」

 

手をあげるのは名も無き女子生徒

…たぶん名前はない

 

とはいえ、原作は顔出しにしか出てこなくても、ちゃんとパーソナルデータは存在している

 

「はーいじゃあ朝のSHR始めまーす!」

 

テンションが高い女子たちによるショートホームルームのあと、クラス代表によるクラス対抗戦(トーナメント)が近い事が宣伝され

一夏にプレッシャーがかかる

 

当然俺たちは出ないので構わない

どころか晴羽は今にも寝そうだ

 

「おい晴羽」

「………………」

 

眠ってやがる…早すぎたんだ

(風の谷)

 

「クラス対抗トーナメントは各クラス代表しか出ないから俺達はやることないよ…

ないよ、やることないよぉ!」

「剣ない事件やめろ」

 

突然ハイテンションになった晴羽の怪演は結局ごく一部にさか認識されていなかったが

その元ネタを知っている俺たちからすれば爆笑である…が、それは理性で抑えて

 

『いくら無いって言ってもゴーレムは来るだろ』『だから対策してあるよ

対策あるよぉ!』

『だからあるないコールやめろっての』

 

 

 

そして、その日の昼休み

 

 

「待ってたわよ!一夏!」

「…………」「!」「……」

 

俺はそのセリフを邪魔しないためにそっと離れて…全力で首を突っ込む態勢だった晴羽の首を掴んで影に引っ張り込んだ

 

「それで二人は、どういう関係なんだ?」

 

開口一番に突っ込まれるところは

やはり関係のチェックか

 

一夏は年ごとに別の女と出会っては別れているから必然的に知り合いも多いが

こういうブッキングには苦労するのだろう……せいぜいがんばれよ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。