IS転生 俺の相棒は胃薬です   作:魚介(改)貧弱卿

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第17話

「それで、二人はどんな関係なんだ?」

 

晴羽の言葉に、共に幼馴染を自称し始めた『篠ノ之 箒』(しののの ほうき)『凰 鈴音』(ファン リンイン)の二人

 

見る見るうちに険悪な雰囲気を放ち始めた二人から、馬鹿晴羽を引き剥がし

(アニメ展開を見たかったのはわかるが)

少し離れた席に座る

 

とはいえ、壁仕切りとは逆の、通路を挟んだ隣のボックスであるため

距離的には離れていても視界は良好

二人+一夏の口論を見るにはちょうど良い位置だ

 

 

詳しい流れは俺たちが介入していないから原作と同じ、なので原作を見ることを勧める

 

簡潔に書くのなら『篠ノ之箒幼馴染時代』is発表→束に巻き込まれて箒転校→『凰鈴音幼馴染時代』→鈴音帰国→中学卒 の流れに従う形で時代が推移しており

互いに互いを知らないという状況が明らかになった上で

鈴音のほうが『結婚の約束をした』と言い出すわけだ

 

まぁその内容は未熟な中学生らしい『毎日味噌汁を作る』というような古臭く稚拙なもので、『毎日酢豚を作る』という文だったのだが、その意味を理解していなかった馬夏はそれを覚えているにも関わらず、『毎日酢豚を奢ってくれる』と勘違いしていた

 

鈴音はそれに大層お冠であり

その屈辱(一方的かつお門違いなものだが)をクラス代表トーナメントで晴らすと言ってきたわけだ

 

ちなみに現在の時刻は

午後19時、現在の所在地は

クレナイコーポレーションの本社ビル6階、機械開発部門である

 

「で、フィーネさん」

「分かっているわよ、ストライクのデチューンは現在設計段階よ

性能にリミッターを掛けるだけではうまく動いてくれないし、センサーの超感度が売りの機体なのにそれを下げたら並みの第二世代機にも遅れを取りかねない駄作に成り下がっちゃうわ」

 

「了解、じゃあ今は代用でラファール使いますわー」

「申し訳ないけど、そうして頂戴…ネフシュタンが使えれば…はぁ…」

 

 

「「いや完全聖遺物(それ)はダメだから!」」

俺と晴羽の声が完全に一致した瞬間であった

 

無限の再生能力。

言葉にすれば簡単だが

それを再現するためには永久機関か質量無限増大のどちらかの禁忌を破る必要があるので、どちらにしろアウトだ

 

そもそもSE(シールドエネルギー)を自力で回復するなんてのは、開発者(デザイナー)が使用者を勝者にするために『絶対勝てる機体』として作った八百長機体である紅椿だけである

 

無限くいしばりとかやめてくれよー

頼むよー

 

というわけだ

そもそも絶対防御がどうこうよりも早く回復する関係上、相手のエネルギーが尽きるまで耐えるだけで自動的に勝利するし、それでなくても弾数制限や残エネルギー量を一切気にしないという絶大にすぎるアドバンテージがあるわけだし

適当に撃ちまくるだけで(試合なら)勝てるのだ

 

「俺はそんなチーターにはなりたくないし」「そうだな…『システム上勝てる』機体なんてのは勝負にならないわけだしな…」

 

「その機体の使い方さえ把握してればな、『絢爛舞踏』が常時発動かつ展開装甲の完全操作が出来ればシステム上負けないんだから、使いこなせなきゃ普通の機体と変わらないよ」

 

晴羽と俺とでチート機体を安易に作ってしまう束をディスりながらとりあえずラファールを受け取る

 

「データ取り用の改装機体だから壊さないように気をつけてね?」

「分かってますよ、大丈夫!」

 

機体を専用化はせず

待機形態(仮)の状態である

左腕用の腕輪にして(これはフィーネが設定してくれた)腕につける

 

 

「で、暁と模擬戦するって?」

「第三世代機相手に第二世代機で戦うのって、どのくらい難しいかを知りたいし

それにアレだ、そのファンネル射撃はのちのセシリア戦で役に立ちそうだから」

 

場所は晴羽の世界の中のアリーナ…というか、グラウンド?

 

いかにもなフィールドが広がる擬似環境エリアのなかの一角にあるisの操作練習用の無人エリアだった

 

「よし、暁…起動!」

「ラファール  take off」

 

シーデス機体特有の動きで

ふわり、と浮き上がった晴羽に対し、俺は機械らしく強引な挙動で浮き上がる

 

「いくぞ!」

「こい!」

 

一気に突撃した俺は、蝙蝠のような骨しか残っていない翼からエネルギーを解放し、それを吸収してさらに再放出、さらに吸収して再再度放出!

 

都合三回分の加速で超加速する

イグニッション・ブーストって、出来てはいるけど理論は不明、という

不透明な技術だから、解析をお願いしてたんだけど

 

「そんなの分かり切ってるわよ」

の一言でバッサリされて

そのあと詳細なレポートをもらい

それを読み込んだ結果…理論上は可能な筈の複数回同時圧縮イグニッションは

なぜ行えないのかはすぐに判明した

単純にisの外殻の強度が足りないのだ

 

故にアラートに止められる

ならば、単純に耐えられる強度を用意すればいい

 

それは簡単なことだ、そう

ガンダニウムがある、サイコフレームがある、PS装甲がある、この『軸と歯車の太陽系』に於いては、その程度の話は楽勝で片付くのだ

 

というわけで、最高5回分の圧縮イグニッション・ブーストに成功したデータを持つこの機体『ラファール・エンプティ・ドレス』…別名を『魚の骨』を使って、速度で上回る戦い方をする

 

「というわけだ!」

「プレラーティかな?!」

 

ビームサーベルを発振される前に突撃して、加速しながら太刀を展開、

それを一気に突き出し…投擲する

 

危なげなくそれを弾く晴羽

しかし、視界を遮る太刀が行き過ぎるまでの一瞬、その視界は閉ざされ…

その一瞬は、俺にとって捉えるに難くない時間として与えられた

 

「しぇぁあっ!」

 

突き出すのは本命のシールド

先端を削った尖形のシールドは

無論盾として使うだけではなく、その先端による打突をも可能とする

 

「たては…さいきょうなのです!」

「たてにもーっと、頼っていいのよ!」

 

絶望的なビジュアルの男二人での格闘戦、二人とも声真似が妙にうまいのが救いか

 

「シールドは邪魔だなおい?」

「クラス、シールダーのサーヴァントがいるものでね」

 

「ローマ(ボソッ)」

「黄金聖闘士が来るからやめて!」

 

悲痛な叫びは、結局なんの意味もなく

そして晴羽が憂慮していた

ローマ座の黄金聖闘士はというと

 

…警備部の控え室にいたため、別に呼ばれたことを感知していなかった

 

 

「うぉぉっ!」

「盾と棒があれば十分!」

 

突き出される盾は風を切り

反撃は拳と槍を織り交ぜ、互いに互いの攻撃をかわし合う

 

どれだけの時が経ったのか

それも考える余裕はないが

時間加速を使わずにやればこの程度か

 

「…スタートアップ」

 

時間加速、5倍速

五倍に引き上げられた体内速度をそのままに、急激に減速した相手の槍を

上に乗ることで足場とし

跳ね上げられるそれを利用して跳躍

 

さらにビームライフルを放つ

当然それはシールドで弾かれるが

バリアは無展開、シールドに傷が刻まれる

 

「はぁぁぁっ!」

「っ!」

わずかでも狙いを逸らせば装甲材に反射される事も厭わず、俺は躊躇なくビームライフルを連射し

 

全弾を完全に命中させる

 

「流石だね、思考加速ってのは」

「へっ…よくいうよ全くね」

 

着地の反動を無理やり

慣性制御で上方向へ変換して、

大きく飛び上がる

 

「エアキック・ターン!」

 

跳躍した直後、その起動を読まれた反撃

飛行方向の160°変換によって

相手の方向に向けて急加速突進する

 

「これで俺の…勝ちだ!」

 

減速する視界の中で

晴羽が笑うのが見えた

 

「!」

 

反転加速をかけるも、

PICの性能が追い付かず

 

そのまま、急激に展開した十数メートルの剣に貫かれる

 

「試作剣、対艦刀askaionn

実際に対艦刀を作ったらこうなるっていう試作用のブレードだよ」

 

「…そうかよ…」

 

決着の光が浮かぶ視界で答えた

 

 

ラファールエンプレスは

ものの見事に大破した

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