遊戯王ARC-V 千変万化   作:ユキアン

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第7話

 

街全体を使ったサバイバル形式のバトルロイヤル。その試合中に、アカデミアの襲撃が起こった。零児からの連絡を受けて現場に急行する。

 

「飛ばせ、レッドアイズ!!」

 

3対1で襲われ、今にもカード化されそうになっている所に黒炎弾を放って邪魔をする。

 

「ここからはオレが相手だ!!」

 

「チャ、チャンピオン!?」

 

「今すぐ逃げろ!!他にも襲われている奴が居たら数で押せ。こいつらはバーン主体だ。こいつも持って行っとけ!!」

 

バーンメタのカードを何枚かまとめて渡して走らせる。

 

「貴様、まさかエクシーズ次元の賞金首の片割れ!?」

 

「エクシーズ使いか、それともデッキがコロコロ変わる方か!?」

 

「見たら分かるだろうが!!構えやがれ!!」

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

「先行はオレだ。手札の【真紅眼の黒竜】を墓地に送って【紅玉の宝札】を発動。2枚ドローして、デッキから【真紅眼の黒炎竜】を墓地に送る。デッキから2枚目の【真紅眼の黒炎竜】を墓地に送って魔法カード【レッドアイズ・インサイト】を発動。デッキから【真紅眼融合】をサーチして発動。デッキから2枚目の【真紅眼の黒竜】と【ライトパルサー・ドラゴン】を融合。可能性を秘めし紅き眼の竜よ、心理を司る光と闇より生まれし竜と混じりて流星となりて降り注げ!!融合召喚!!来い、【流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン】!!」

 

流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン ATK3500

 

メテオ・ブラック・ドラゴンが流星と共に空から舞い降りて現れ、流星がアカデミアを襲う。

 

「「「うわあああああああああ!?」」」

 

オベリスク・フォースA LP4000→2600

オベリスク・フォースB LP4000→2600

オベリスク・フォースC LP4000→2600

 

「な、何が起こった!?」

 

「【メテオ・ブラック】が融合召喚に成功した時、デッキから『レッドアイズ』モンスターを墓地に送り、送ったモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。どうやらバトルロイヤルでは相手全員にダメージを与えるようだな。都合がいい、喰らえ!!【黒炎弾】3枚!!」

 

「バカが【真紅眼の黒竜】が場に居ないのに【黒炎弾】が使えるものか」

 

「残念だったな。【真紅眼融合】で特殊召喚したモンスターは【真紅眼の黒竜】として扱う。つまり、3500の【黒炎弾】だ!!」

 

「「「なっ!?」」」

 

メテオ・ブラック・ドラゴンが撃ち出した3発の炎弾に飲み込まれアカデミアの三人が消え去る。すぐさま次の獲物を求めて零児に連絡を取る。既にユースチームが何人かカードにされているが大会の参加者はまだ全員無事らしい。瑠璃もアカデミアを優先して狩っているそうだ。柚子が無事なのかどうかを確認してもらうと

 

『何!?『征竜』だと!?』

 

「はあっ!?アカデミアに『征竜』使いだって!?」

 

まずい、1killデッキの準備をしなければ。

 

『違う、柊柚子が『征竜』を使っている。しかも、これは、親が3、子は2か。他にも一線級のドラゴンに【トリシューラ】に【F・G・D】まで』

 

「塾長の封印してるデッキじゃないか!?持ち出したのか!?」

 

『柊プロが絶対に勝たないといけない時にだけ使っていたデッキか。調整だけは続けていたのか』

 

「ごめん、オレがちょっと前に気になって借りて調整した。ランク7がポンポン出てきて6・9シンクロも簡単に湧いてくるふざけたデッキだった。色々制限して組んでも『四肢をもがれ、翼を剥がされ、牙を抜いてもまだ強かった』って感じだった」

 

『だろうな。だが、柊柚子が持っていてくれてよかった。あのデッキでは負けるほうが難しい』

 

「それでも危険な目に会わせる訳にはいかない。位置は?」

 

『氷山エリアだ』

 

「くっ、反対方向か」

 

『新たな転移反応だ。地図をそちらに送る』

 

送られてきた地図に目を向けると直線コースにかなりの人数が現れている。

 

「くそっ!!待ってろよ、柚子!!」

 

再びレッドアイズの背に乗り戦場を駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝てる。この『征竜』なら『幻奏』と違って瑠璃にも勝てる!!これで遊矢を取り戻せる!!

 

「見つけたぞ、セレナ様だ!!」

 

いつの間にか青い服に仮面をつけた男たちに囲まれていた。

 

「なに、貴方達は」

 

「何をおっしゃっているのです。我々はオベリスクフォース。プロフェッサーの指示を受けてセレナ様をお迎えにあがったのです」

 

「おい、こいつまさかセレナ様じゃなくて捕縛対象の方じゃないのか?」

 

「ならば捕縛するぞ!!」

 

オベリスクフォースを名乗った仮面の男たちがデュエルディスクを構える。

 

「いいわ、相手になってあげる」

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

「俺のターン、【古代の機械猟犬】を召喚、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー【古代の機械猟犬】を召喚して効果発動。相手の場にモンスターが居る時、600ポイントのダメージを与える」

 

「バトルロイヤルだからこそのコンボね」

 

柚子 LP4000→3400

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターン、【古代の機械猟犬】を召喚して効果を発動。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

柚子 LP3400→2800

 

オベリスクフォースA LP4000 手札3枚

古代の機械猟犬 ATK1000

セットカード1枚

 

オベリスクフォースB LP4000 手札4枚

古代の機械猟犬 ATK1000

セットカード1枚

 

オベリスクフォースC LP4000 手札4枚

古代の機械猟犬 ATK1000

セットカード1枚

 

「私のターンね。ドロー、永続魔法【未来融合 -フューチャー・フュージョン】を発動。エクストラデッキから【F・G・D】を選択して公開。その後融合素材をデッキから墓地に送り、2ターン後に融合召喚されるわ。私はデッキから【巌征竜 - レドックス】【瀑征竜 - タイダル】【焔征竜 - ブラスター】【嵐征竜 - テンペスト】【エクリプス・ワイバーン】を墓地に送るわ。墓地に送られた【エクリプス・ワイバーン】の効果を発動。デッキからレベル8の光属性【光と闇の竜】を除外。そして【龍の鏡】を発動。今墓地に送った5体を除外して融合。5色の竜よ、野望を糧に交わり産まれよ、融合召喚!!【F・G・D】!!更に除外された『征竜』達の効果を発動。除外された『征竜』と同じ属性のドラゴンを手札に加えるわ。なお、『征竜』は3つの効果を持つけど同名ターン1でどれか1つしか発動できない。その効果の中には手札・墓地の同属性、またはドラゴン族を2枚除外することで手札・墓地から特殊召喚する効果があるわ。だけど、そのデメリットは機能しない。私は【地征竜 - リアクタン】【水征竜 - ストリーム】【炎征竜 - バーナー】【風征竜 - ライトニング】を手札に加え、【エクリプス・ワイバーン】が除外されたことで自身の効果で除外していた【光と闇の竜】を手札に加えるわ。そして今手札に加えた『子征竜』は自身と同属性モンスター、あるいはドラゴン族を手札から墓地に送ることでデッキから親を呼び出す。【リアクタン】と【伝説の白石】を墓地に送り、デッキから【レドックス】を特殊召喚。更に墓地に送られた【伝説の白石】の効果で【青眼の白龍】を手札に加える。【ライトニング】と【青眼の白龍】を墓地に送って、デッキから【テンペスト】を特殊召喚。2体の『征竜』でオーバーレイ。幻を操りし機械の獣よ、その力で世界を制せ!!エクシーズ召喚【幻獣機ドラゴサック】ORUを1つ取り除き【幻獣機トークン】を2体特殊召喚。【ドラグニティ-ブラックスピア】を通常召喚。2体の【幻獣機トークン】に【ブラックスピア】をチューニング。世界を滅ぼせし禁忌の竜よ、今此処に降臨し敵を滅ぼせ!!シンクロ召喚!!【氷結界の龍トリシューラ】そして効果を発動。相手の場・墓地・手札を1枚ずつ除外する。誰でも良いわね、とりあえず一番最初の貴方の伏せカードと手札を1枚ずつ除外しておきましょう。【アドバンス・ドロー】でトリシューラをリリースして、2枚ドロー。続いて【バーナー】と【光と闇の竜】を墓地に送ってデッキから【ブラスター】、【ストリーム】【エクリプス・ワイバーン】を墓地に送って【タイダル】を特殊召喚。【エクリプス・ワイバーン】の効果で【レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン】を除外。2枚目の【龍の鏡】で墓地の『子征竜』と【エクリプス・ワイバーン】を除外して2枚目の【F・G・D】を融合召喚。最後に手札を1枚墓地に送って【ツイン・ツイスター】を発動。残りの伏せカードも破壊」

 

 

柚子 LP2800 手札0

F・G・D ATK5000

F・G・D ATK5000

幻獣機ドラゴサック ATK2700

焔征竜 - ブラスター ATK2800

瀑征竜 - タイダル ATK2600

 

「さて、バトル。【F・G・D】で1体ずつ、残りで最後の一人に残りの3体で攻撃」

 

「「「うわあああああ!?」」」

 

オベリスクフォースABC LP4000→0

 

3対1でも余裕で勝てる。ふふふっ、私は力を得た。この力なら遊矢を取り返せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「零児、一体どういうことだ!!柚子は、柚子はどうしたんだ!!言え!!何があった!!」

 

遊矢が零児の胸ぐらをつかみ、今までに見たことのない位の怒りの表情を見せる。アカデミアの襲撃が始まってから半日、とりあえずの撃退は終了した。そして生存者を確認し、その中に柚子がいなかった。

 

「零児、頼むから隠し事は止めてくれ。オレはお前を恨みたくない」

 

「私にも何が起こったのか分からないのだ。その時の映像がある。多少見やすいように加工はしてあるが、それ以外に細工は一切ない」

 

零児がそう言ってモニターに映し出した映像には柚子がオベリスクフォースを蹴散らした後にユーリに絡まれ、そこにバイクに乗って現れた遊矢達と同じ顔の男と共に消え去るシーンだった。

 

「詳しいことはわからない。おそらくだが、別の次元に転移したと思われる。転移先は現在調査中だ。そして、何故転移が起こったのかはわからない。アカデミアの転移技術とは別物であるためか反応はない上に、あのバイクに乗った男が転移してきた時の反応とも違う。そして、もう一度よく見てもらえば分かるが、転移の直前、柊柚子のブレスレットが発光している。まるであの二人を割くかのようにだ」

 

「……どういうことだ?何故、あの二人なんだ?いや、それならオレとユートと瑠璃でもあの現象が起こって、違う、オレとユーリと瑠璃でもなかった。柚子だからなのか、オレが原因か」

 

遊矢が何かを考え始める。

 

「どういうことだ。前提が間違っていたのか?だが、それだと説明できないことが、なんだ、何を見落としている。だめだ、情報が足りない。今は、置いておくしかないのか。ごめん、頭を冷やしてくる。明日のランサーズの結成式までには戻る。少しだけ一人にしてくれ」

 

そう言って出ていく遊矢を追いかけようとしてお兄ちゃんに腕を取られる。

 

「今はそっとしておいてやれ。色々な感情があいつの中で複雑に絡み合っている。それを周りに見せたことにすら、あいつは苦しんでいる」

 

「なんでよ?吐き出した方が楽になれるわ!!」

 

「瑠璃、あいつは何者だ?」

 

「遊矢は遊矢じゃない!!何を言い出すの」

 

「そうだ、奴は遊矢だ。そして遊矢は自他共認める一流のエンターテイナー。誰かを楽しませ、喜ばせるのがエンターテイナーだ。それ以外の感情を持たせてしまうのは自分の否定だ。先程の零児に掴みかかる行為をオレ達に見せてしまったことすら、あいつは苦しんでいるんだ」

 

「なによそれ。それじゃあ遊矢はずっと苦しむだけじゃない!!どうやったら苦しみから開放されるっていうの」

 

「もう忘れてしまったのか?遊矢は、遊矢のエンタメデュエルで楽しみ、喜ぶ者達を見るのが一番好きなのを。だが、それもしばらくは出来ない。耐えるしかない。遊矢も、オレ達も」

 

お兄ちゃんの私の腕を掴んでいるのとは逆の手から血が落ちる。強く握りしめすぎて切れたのだろう。それを見てしまったら、もう動けなかった。やっぱり私は柚子が大嫌いだ。ここまで遊矢に思われているのだから。私が同じような目にあっても、必死に探そうとするだけであそこまで取り乱すことはないはずだ。それが羨ましくて、憎い。その心にカードが応え、生み出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーグルをかけてヒッポに跨り舞網の夜空を駆ける。

 

「なあ、ヒッポ。どうしていつもこうなんだろうな。なんでいつも力が足りないんだろうな。何かが起こって、それをその場で対応できずに、対処療法しか出来ない。父さんが居なくなった時も、ハートランドの時も、あの親子達の時も、そして、柚子」

 

「ヒッポー」

 

「オレのエンタメデュエルじゃあ、守れないのかな。誰かが泣かないようには出来ないのかな」

 

オレのエンタメデュエルが間違っているとは思わない。だけど、その所為で何かを取りこぼしてしまっている。何処か、流されてしまっている自分がいる。その先に嫌な予感が、破滅の未来が待っているように感じているのに。

 

「ヒッポ、オレ、自分が情けなくて、悔しくて、怖いよ」

 

ゴーグル内に涙が溜まる。それを誰かに見せる訳にはいかない。それが一流のエンターテイナーだから。

 

「ヒッポヒッポ」

 

「ありがとう、ヒッポ。慰めてくれて」

 

ヒッポがオレを励ましてくれているが、今だけは泣かせてくれ。弱い所は誰にも見られたくないんだ。久しぶりだよ、泣くなんてさ。まだ幼い頃、そう、デュエルを始めた頃、弱いからと捨てられてしまったカード達を拾い集めていた頃以来か。どうやってもデュエルに勝てなくて、それでもなんとかしてカード達を使ってあげたくて、負けては泣いていた。それを慰めてくれて、一緒にカード達を輝かせるためのコンボを考えてくれたのが柚子だった。そして、そんな柚子を笑顔に出来たのが何より嬉しかった。それがオレのエンターテイナーとしての始まりだ。

 

「それなのに、オレは、柚子にあんな顔にしかしてやれなかった」

 

なんと説明すれば良いのかわからない。一番近いのは捨てられた子犬とか、親を見失った子供の顔が近いか?そんな顔をして、無理矢理デッキを回している姿が脳裏にこびりついている。これが初心を忘れた罰なのか。

 

「そして、シンクロ次元のオレと似た顔をした男。やはりと言うべきなのかな、ユーリやユートと同じで若干の嫌悪感を感じた。映像なのに」

 

皆には黙っているけど、ユートやユーリに嫌悪感を抱いてしまう。ユーリは仕方ないかも知れない。だが、気心もしれているユートにも未だに嫌悪感を感じてしまう。理由はわからない。だけど、その原因があの現象の理由だ。オレ達の中でオレだけが仲間外れな理由。何が原因なんだ。

 

「答えは、たぶんデュエルでも出ないだろうな」

 

新たにエクストラデッキに産まれた3枚のドラゴンを取り出す。

 

「【クリアウィング・シンクロ・ドラゴン】【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】【クリアウィング・ファスト・ドラゴン】オレとあいつによって生み出されたドラゴン達。お前たちはオレに何をさせたいんだ」

 

【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】【スターブ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン】【クリアウィング・シンクロ・ドラゴン】【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】

 

エクストラデッキからの召喚方法の名を持つドラゴン達。お前たちはオレに何を望むんだ。お前たちが語りかけてくれているのは分かる。だが、何を求めているんだ。力を貸してほしい、だが、その時ではないとしか返さないお前たちは何を知っている。念の為にこの4体を同時に扱うデッキとカードを作り出しておこう。他にも産まれたカードを確認しないとな。

 

だけど今は、辛いことや苦しいことや悩みから目を逸らそう。このゴーグルを掛けている間だけは、オレはチャンピオンでもエンターテイナーでもない、ただの榊遊矢に戻ろう。ゴーグルを少しだけ外して溜まっていた涙を落とす。街の灯りに照らされて星屑のような輝きを放ちながら夜の闇に飲み込まれていく。

 

 

 

 

 




征竜が全然回ってないですね。これだけ動いているのに回っていないと感じる征竜怖い。

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