魔法科高校の劣等生 達也×リーナ   作:エリュトロン

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入学編I

魔法。

それが伝説や御伽噺の産物ではなく、存在が確認され、現実の技術となってから1世紀が経とうとしていた。

 

 

2095年 4月 入学式の朝

 

達也は料理を完成させ、テーブルに置くといつまでも起きてこない同居人に少し呆れていた。

 

「さて、リーナを起こすとするか」

 

リーナの部屋の前に立ち、ドアをノックして返事を待つが、いつまでも反応はない。

 

「リーナ、朝だぞ。早く起きろ!」

 

「うぅん おはよ…タツヤ」

 

瞼をこすりながら、起き上がるリーナ。

 

「やっと起きたな。早く着替えて下に行くぞ。料理が冷めてしまう」

 

「わかったわ。すぐに行くわ」

 

そうやり取りをして、達也はリビングに戻っていった。しばらくしてリーナが降りてきた。

 

「どう? 変じゃない?」

 

と制服を見せて、不安げに聞いてくる。

 

「変じゃないさ。とても似合ってるよ」

 

達也がそう言うとリーナは嬉しそうに笑った。

 

「そう? ありがと。じゃあ早く朝食にしよ?」

 

座ってすぐに食べようとするリーナ

 

「俺は待たされている方なのだが?」

 

苦笑いしつつ、達也も食べ始める。

 

食べ終えて、後片付けをし終えると丁度良い時間になり、達也とリーナは学校へと向かい始める。

 

 

国立魔法大学付属第一高校

 

学校に着き、講堂へと向かっていると掲示板の前で困ってる男子生徒を見つけた。

 

「どうした? 道がわからないのか?」

 

「んぁ? あぁ端末を忘れてきて場所がわからなくてよ」

 

「じゃあ一緒に行くか? 目的地は一緒だからな」

 

「良いのか?じゃあ、お言葉に甘えて、そうだ自己紹介がまだだったな。俺は西城レオンハルトだ。レオって呼んでくれ」

 

「俺は風間達也だ。俺のことも達也で良いぞ」

 

「ワタシは九島アンジェリーナよ。リーナって呼んでね」

 

「OK、達也にリーナさん。よろしくな」

 

「あぁ、こちらこそよろしく頼む」

 

 

講堂

 

「これは…」

 

講堂に入り、まず目に入ったのは、一科が前に二科が後ろに別れて座っているところだった。

 

「入学して間もないのに何故こうも差別意識が芽生えているだろうな」

 

「達也、どこに座るんだ?」

 

「後ろで良いのではないか? 友人同士なのに態々離れて座る意味もないしな」

 

「それもそうだな、あっ、あそこの席が空いてるぜ」

 

達也たちは最後尾でリーナ 達也 レオの順で座った。

 

「まだ式まで時間があるな」

 

「あの、お隣は空いていますか?」

 

リーナは達也の方を見る。達也もそれが何を意味するかを察して、頷いた。

 

「えぇ、空いてるわ。どうぞ」

 

「ありがとうございます。ここ空いてるって」

 

と彼女が言うと4人の女子生徒がこっちに来て座った。

 

(なるほど全員で座れる場所を探していたわけか。)

 

「あの…私、柴田美月っていいます。よろしくお願いします」

 

「風間達也です。こちらこそよろしく」

 

「九島アンジェリーナよ。よろしくね」

 

「あたしは千葉エリカ。よろしくね、風間くん、九島さん」

 

(数字付きか?だか、あの千葉家に「エリカ」という名前の娘はいなかったはずだが?まぁ傍系の可能性もあるが…)

 

達也がそう考えているうちに残りの二人も自己紹介を終えていた。

 

「ところでなんで風間くんとリーナはこっちに座ってるの?」

 

唐突にエリカが理由を聞いてきた

 

「席は自由なんだろ? それにさっき知り合った友人と一緒に座っただけだ」

 

「そうね、達也の言う通りね。それにワタシたちは同じ新入生なんだから、仲良くしましょ」

 

「そうなんだ…、風間くんもリーナもほかの一科生とは違うんだね。ほかは二科ってだけで見下してくるいけ好かない奴らばっかりだったし」

 

「まぁそんなのは、気にするな。あぁそうだ、忘れていた。こっちが…」

 

と達也がレオの紹介をしようとそっちを向くとレオはぐっすりと眠っていた。

 

「って、いつのまに寝ていたんだ? おい、レオ。起きて自己紹介をしたらどうだ?」

 

ガタンと音を立てて落ちそうになりながら、レオは目を覚ました。

 

「イテテ、達也なんだ? もう終わったのか?」

 

どうやら式の最中は寝て過ごす気だったらしい

 

「ん、達也。そいつら誰?」

 

「うわっ、いきなりそいつら呼ばわり? 失礼なヤツ! モテない男はこれだから」

 

「なっ、失礼なのはテメーだろうがよ! 少しくらいツラが良いからって、調子こいてんじゃねーぞっ!」

 

「ルックスは大事なのよ? だらしなさとワイルドを取り違えているむさ男にはわからないかもしれないけど。」

 

「なっ、なっ…」

 

「エリカちゃん、もうやめて。少し言い過ぎよ」

 

「レオも、そこまでにしておけ、もうすぐ入学式も始まる。二人とも静かにしておけ」

 

「…美月がそう言うなら」

 

「…わかったぜ」

 

案外、似た者同士で気が合うのかもしれんな、と達也は思った。

 

 

「風間くんとリーナは何組?」

 

「俺はB組だ」

 

「ワタシはA組ね…」

 

と達也はいつも通りに、リーナは少し残念そうに答えた。

 

「やっぱり一科と二科は別のクラスか…」

 

「ちなみに俺はE組だったぜ」

 

「あんたには聞いてないし」

 

「なんだと!」

 

達也はよくこんな些細なことで喧嘩ができるなと呆れていた。

 

「まぁそこまでにしておけ、それにクラスが違っても休み時間や放課後は一緒にいることができるだろ?」

 

「それもそうね」

 

エリカは取り敢えず大人しくなり、達也の言葉に返答した。レオはまだ不服そうだったが…

 

「そうだ風間くんたちは今から暇?」

 

「あぁ特に用事はないがそれがどうした?」

 

「せっかく知り合ったんだし、一緒にお茶でもどうかなって思ったんだけど…」

 

「いいわね。タツヤ昼食はそこでとりましょ」

 

「それもいいかもな。なら俺たちも一緒に行かせてもらおう」

 

「そうこなくっちゃ! 美味しいケーキ屋さんがあるらしいんだ」

 

と5人は講堂を出て、ケーキ屋に向かおうとしていた。その時

 

「お兄様!」

 

とこちらに向かってきた。

 

「何度も言っているが、司波さん。俺は君の兄ではない。赤の他人だ」

 

と達也は振り返りながら答えた。

 

「いいえ、あなたは私の兄ですよお兄様。もう一度私たちの元に帰ってきてはいただけませんか?」

 

「何度も言わせないでくれ。俺は風間で貴女は司波だ。俺は司波ではないし、貴女も風間ではない。それに俺には司波という知り合いもいないし、君の所にいた事もないし、今は帰るべき場所がある。そこを勘違いしないでくれ。」

 

「すまない待たせたな。じゃあ行こうか」

 

と達也は深雪に背を向けて進み始めた。

 

「達也、彼女とはどんな関係だ?」

 

「沖縄で出会った赤の他人だな」

 

達也は冷たく言い放った。

 

「でもよ、それだけであそこまで執着されるか?」

 

「それは俺にもわからん。だが、俺の家族は義父だけだし、知り合いにも司波という名前の人はいないはずだ」

 

「ところでさ、風間くん。」

 

「どうした?」

 

と達也は訝しげに聞き返す。

 

「風間くんのお父さんって、もしかしてあの大天狗?」

 

「義父を知っているのか?」

 

「まあね。あの有名な大天狗なら軍に関わりのあるものなら知ってるよ」

 

「流石は『千葉』だな」

 

と二人はニヤリと笑いながら話していた。

 

「へ〜、親父さんがそんなに凄い軍人なら達也も軍人志望か?」

 

「いいや、俺は魔工師志望だ」

 

「なーる… 達也、頭良さそうだもんな」

 

「風間さんも魔工師志望何ですか? 私も何です」

 

「そうなのか? じゃあ共に頑張ろうな」

 

とみんなで話しているうちにケーキ屋に着いた。

 

その後、少なくない時間話をし続けて、夕方に帰路に着いた。

 

 

風間家 夜

 

「あの子、やっぱりタツヤに接触してきたわね」

 

「何故だろうな。俺は以前に彼女に出会った記憶はないし、沖縄で始めて会っただけの他人に何故あそこまで執着するのか甚だ疑問だ。まぁいい、考えたって仕方がない。関わりを持たなければいいだけの話だ」

 

「えぇそうね、それがいいわ。でも、達也はトラブルに愛されてるからそれは無理かもしれないわね」

 

「勘弁してくれ…」

 

達也は苦笑い気味に答えた。

 

「明日も早い。今日はもう寝ようか」

 

と達也は立ち上がりながら言った。

 

「おやすみ、リーナ」

 

「えぇおやすみ、タツヤ」

 

 

司波家

 

『やはり達也さんは否定しましたか…』

 

「はい、私としてはお兄様に一刻も早く帰ってきて欲しいのですが…」

 

『本人にその気はないという事でしょうね…(しかし、おかしいわね… 達也さんには妹に対する感情しかないはず… なのに何故、深雪さんの言葉に耳を傾けないのでしょう…)』

 

達也はそもそも深雪とは会ったこともない。それなのに妹と認識するのは無理があるだろう。

 

「はい… というよりも自分が四葉の血縁者であることすら知らないという節が見えます」

 

『あの子を隔離していた上、ガーディアンとして育てていたからそうなったのかしら… まぁいいわ。深雪さん引き続き、達也さんに帰ってきてもらうように説得を頼むわよ。あの子も四葉の血筋です。必ず帰って来るわよ』

 

真夜の中では達也が戻ってくることが決定事項であり、成長した達也を次期当主候補に入れるほどだ。

 

「はい、わかりました。叔母さま」

 

通話を終え、深雪は一息ついてから考えた。

 

達也をどうやって説得し、帰ってきてもらうか。考えていると気が滅入りそうになる。深雪としては帰ってきてほしいが、四葉が達也にしてきた事を考えるとそれはかなり難しい。深雪はリーナが羨ましい。もしリーナがいなければ自分があそこにいたかもしれないのに…

 

「深雪様、紅茶が入りました」

 

「えぇ、水波ちゃんすぐに行くわ」

 

(これ以上は止そう…)

 

深雪はすぐに切り替えて水波が待つリビングに向かった。

 

 




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