ボールがくれた出会い 作:御沢
新しい土地で・・・
私は、金田未雲(かねだみう)。今日からここ、雷門中学校に転校してきた。
学年は2年生。ここには、父の仕事の関係で引っ越してきた。
「ここが、雷門中学校かぁ・・・おっきい・・・」
そう、もうとにかくおっきい!その大きさはあっけにとられて、開いた口がふさがらない。そんな私を生徒たちは、不思議そうな目で見ている。
そんな私を見て、不思議に思ったのか、3人の女の子と3人の男の子が話しかけてきた。
「ねぇ、あなた、転校生?」
「え・・・あ、はい。えっと・・・」
「あ、ごめんなさい。私たちは、5人、2年生なんだけれど・・・」
「そ、そうなんですか?私、今日からここに転校してきた、金田未雲っていいます。今、2年です」
「転校生なんだ!2年なんだ!俺、松風天馬!天馬って呼んでね!」
「あ、はい。じゃあ、天馬・・・くん。あと・・・皆さんは?」
「私は、空野葵。葵でいいよ」
「私は、山吹楓。楓でいいわ」
「僕は西園信助!宜しくね!」
「俺は、剣城京介」
「私は、黒谷ちかです。私は1年なので、金田さんの方が先輩ですね!」
私は顔を赤らめた。前いた中学校は、かなり悪い中学校だったから、先輩のことも『~~ちゃん』とかと呼んでいたからだ。
「////そ、そんな、先輩だなんて・・・私、呼ばれたことがないので・・・」
「わっ!未雲ちゃん、かわいいっ!」
「そうだね、可愛い。あ、そうよ。先生のところまで私たちで連れて行きましょうよ」
「え、いいんですか?か、楓ちゃん、あ、葵ちゃん」
「もうっ!可愛すぎっ!いいに決まってるじゃん!あ、でも、私たちクラスが違ってるんだけど・・・どうする?楓?」
「いいんじゃない?だって、職員室なんだから」
「あ、そうか。なら、大丈夫だね!あ、でもちかちゃん・・・」
「私なら、今、純太くんを見つけたから大丈夫です」
「純太くんって、サードチームに入らず、ファーストチームに入れた天才1年生?後1人いたよね」
「はい。降森純太(ふるもりじゅんた)くんです。もう1人は、清原真男(きおはらまお)くん。2人とも1年生です。同じクラスです。あ、純太くんが行っちゃうので、もう行きます。また、放課後です」
「ばいばぁい!・・・じゃあ、いこっか」
「えぇ。ほら、天馬、信助、剣城、行くよ」
「「「はーい」」」
そして、私と5人で職員室に向かった。
職員室についても、私はあっけにとられた。とにかく広かった。そして、きれいだった。先生たちが、こんなに多人数できたから、不思議そうな顔でこっちを眺めていた。その後しばらくして、一緒に来てくれた皆はそれぞれのクラスに帰ってしまった。
それからまたしばらくして、頭に赤ぶち眼鏡を乗せたウェーブがかかった藍色の髪の女性が近付いてきた。
「あなたが、金田さん?」
「はっ、はい!」
私は、かなり緊張しながら答えた。その私の顔がおかしかったのか、赤ぶち眼鏡の女性はふっと微笑んだ。
「緊張しているのね。大丈夫よ。私は、音無春奈。2年1組の担任よ。さっき一緒に来てくれたこの中だったら、楓ちゃんや剣城くんの担任、つまり、この2人はあなたのクラスメイトってことよ」
「はぁ・・・あ、ありがとうございました」
「え・・・ふふっ、今から始まるのよ?」
「あ・・・す、すいませんでした」
「いいのよ。大丈夫。じゃあ、行きましょうか」
「はいっ!」
そして、私と音無先生は、2年1組の教室に向かった。行く途中で、1人の男の子にすれ違った。先生の後をついているから、もしかしたら転校生?なんて考えてたら、いつのまにか教室についていた。
音無先生が教室に入った途端、ざわめいていた教室が静かになった。だから、私は余計に入りにくかった。まぁ、楓ちゃんや剣城くんがいるんなら、大丈夫かなっておもったけど。
「皆にお知らせよ。今日は、転校生がいるの。入って来てくれる?」
「は、はい・・・」
そして、私のご登場。皆が何か言ってるけど、全然聞こえてこなかった。唯一聞こえてきたのは、音無先生の
「それじゃ、自己紹介してくれるかしら?」
だけ。だから、私は自己紹介をした。
「金田未雲です。金曜日の金に、田んぼの田で金田、未来の未に、雲っていう文字で未雲です。雷門中学校(ここ)には、父の仕事の関係で引っ越してきました。何部に入るかも決めていないし、その前に、稲妻町のこともまだ全然知らないので、宜しくお願いします」
私が自己紹介をした途端、拍手が起こった。まぁ、当たり前といえば当たり前だけれど、やっぱり恥ずかしかった。
「じゃあ、未雲ちゃんの席は・・・楓ちゃんの席の隣よ。楓ちゃん、案内してもらってもいい?」
「はい、分かりました」
そういうと、楓ちゃんは私の方に向かってきた。さっきはよく見なかったけれど、もう1度よく見ると、楓ちゃんはとても美人だった。、黄色を基にして、赤や茶色の混じったつやのあるきれいな色の髪の毛、燃えるようだが冷静にも見える赤い瞳、整った顔立ち、バランスのいい体系、同性の私でさえも、見とれてしまった。
「未雲ちゃん?どうしたの?」
「あ、え、う、ご、ごめん・・・なんでもない」
「そう?じゃあ、席について。ほら、ここよ」
「あ、ありがと、楓ちゃん」
「いえいえ。あ、後で私の席に来てね」
「う、うん」
「ほらほら、そういう約束は後にして、HR(ホームルーム)、始めるわよ~」
「「すいません・・・」」
そして、私の雷門中学校生活が始まった。