ボールがくれた出会い 作:御沢
あぁ~っ、もう、なんで今日サッカー部、朝練ないのかなぁ~っ
私は、そんなことを考えながら前にいる楓のところへ走って行った。
あぁ・・・今日は告白の返事(へんじ)、返そうと思ってたのにぃ・・・
「未雲?早く行かなきゃ遅れるよ?」
「楓・・・うん、わかってる、ごめんね」
「ううん、いいけど・・・あ、もしかして緑がらみ?」
「へぇっ!?な、そ、そんなこと・・・」
「知ってるのよ?あなたが緑の事、好きなことくらい。もちろん葵も茜さんも水鳥さんもちかちゃんもね」
「な、なんで・・・」
「気付いてないの?未雲、ずっと緑のこと見てたよ?」
「そ、そんなこと・・・」
「嘘は?」
「・・・つきませんっ。はい、お話します」
ということで、私は昨日水鳥さんに話したことを、そのまんま話した。
「やっぱりね。大方予想はついてたわ」
「なら、聞かなくてもよかったんじゃないの・・・?」
「一応、事実を聞いておきたかったし」
「むぅ・・・」
「・・・ふふっ、大丈夫よ。未雲と緑、お似合いよ?」
「本当・・・?でも私、楓たちみたいに美人じゃないし・・・」
「私が美人っ!?どこがよぉ!?」
「全部だよっ!自覚、ないの?」
「自覚もなにも・・・そんなことないよ・・・それに、未雲の方が可愛くってうらやましいよ。女の子らしいから・・・」
「・・・でも、緑君、かっこいいから似合うかなぁ・・・」
「大丈夫よ。自信を持ちなさい」
「かっ、楓ぇ~」
「ふふっ、あ、あれって緑じゃない?」
「えっ・・・!?」
「・・・ほら、私のことはいいから行った行った!」
「・・・うんっ!」
そして、私は緑君のところまでかけて行った。
「緑君!」
「あ、未雲ちゃん。おはよ~」
「うん、おはよう。あ、あのね、返事・・・なんだけど・・・」
隣で、緑君が唾を呑む音が聞こえてきた。
「私・・・緑君のことが好き!」
「ほ、本当っ!?」
「うんっ!だぁいすき!」
「未雲ちゃん・・・ありがとう!僕も、大好きだよ!」
「はぁ・・・なんか、付き合うなんて、変なカンジっ・・・」
「僕も、相思相愛なんて初めてだよっ」
「へへっ。じゃあ、これからよろしくねっ」
「うんっ!」
私たちは、ここが皆が通る道路だということを忘れていちゃいちゃした。
でも、そんなこと気にならなかった。
だって、好きな人と一緒に入れるんだもの。
私は、その姿を楓と剣城くんと天馬君と葵がこっそり見ていたことは、知らない。
「よかったなぁ・・・未雲」
「えぇ、本当」
「ねぇ、剣城と楓が幼馴染って本当!?」
「え、天馬、それ、なんで知ってるの?」
「えっ、じゃあ本当なんだ!」
「えぇ。結構前から一緒にいるよ、京介とは」
「「京介・・・ねぇ・・・」」
「ん?何か変なこと言った?」
「「いやぁ・・・」」
(楓って、自分のこういうことに対しては鈍いんだな・・・)
「京介?私の顔に何かついてるの?」
「んっ!?い、いや・・・」
「?変なの」
その姿を見て天馬君と葵がにやついていたのは、また別の話・・・