ボールがくれた出会い 作:御沢
「えっ?先輩たちにもあったんですか?」
「あぁ」
そして、俺たちは楓と剣城に、あの日のことを語った。
―6年前―
俺の名前は神童拓人。
俺は、神童財閥の御曹司。だけど、お父様の考えで、公立の小学校に通っている。今は、小学3年生。
そんな俺には、少し中がいい友達がいる。別に、親友とかじゃない。ただ、少し中がいいだけの友達。そいつの名前は、霧野蘭丸。男の子だけど、ピンク色の髪の毛で、ツインテール。別に似合わなくもないけど、女の子みたい・・・そういつも思っている。
でも、俺がどうこう言うことではない。だから、口出しはしていない。
そんなある日、俺は家に帰る途中、変な奴らにからまれた。
「おまえ、かわいい~」
「女の子みたい~」
俺は、だんだん悲しくなって、涙が出てきた。
「うぅ・・・わぁ・・・ひっく・・・」
「何ぃ?こいつ、泣き始めたよぉ?」
「やばっ、どうすんのよ」
俺は、涙が止まらなくなって、どうすればいいかわからなかった。
その時、目の前に手をいっぱいに広げたピンクの髪の毛の奴がいた。
見間違えるわけがない、それは霧野だった。俺は、無意識に霧野の肩を、力強く握っていた。
「き、霧野ぉ・・・」
「誰だよっ、お前」
「神童拓人(こいつ)の親友だよっ!」
「っ!」
その霧野の顔を見たあいつらは、逃げて行った。
「き、霧野・・・」
「神童、大丈夫か?」
「うん・・・助けてくれてありがとう・・・」
「いや、だって俺たち『親友』だろ?」
「親友・・・」
「違うのか?」
「・・・ううん、そうだよ!俺たち、親友だよ!」
「「へへっ」」
そして、俺と霧野は親友になったんだ。
「・・・素敵です・・・」
「はい・・・」
「そうか?」
「はいっ、親友になるまでの過程に、これほどまでに感動的な事があったなんて・・・私、これからは先輩たちの事、少し違う目で見ます」
「今までどういう目で見ていたわけ!?」
「普通の親友・・・」
「あっ、そういうこと・・・」
「はい」
「先輩たち、なんか悪いことを考えましたよね?」
「つ、剣城!」
「そういえば、なんで先輩、座っていないんですか?」
私は、ふと不思議に思ったから、質問した。
そう、私と京介は普通に座っている。神童先輩も私の隣に。なのに、なぜか霧野先輩は京介と私の間に顔を乗っけているのだ。
「確かに、霧野、普通に座れば?」
「そ、う、だな」
「気が付いていなかったんですね」
「・・・あぁ」
私たちは、心の底から笑った。