ボールがくれた出会い 作:御沢
親睦を深める合宿・・・というのはただの建前で、今日から本格的に真の目的である『強化合宿』が始まった。
私は、C班の金田未雲。
この強化合宿に参加している『真イナズマジャパン』のマネージャー。今日は、オリエンテーリングみたいで、何かと色々決めることがあるらしい。
まず初めに決めるのは、キャプテン。
私の予想では、天馬くん。この真イナズマジャパンの中の大半を占める雷門中学校サッカー部のキャプテンだから。きっと断らないと思うし。でも、もしかしたら神童先輩とか、貴志部さんとか、真命さんとか、喜多さんとかキャプテン候補の3年生はたくさんいるから、分らない。
いよいよ、キャプテンを決める時が来た。
皆が固唾をのんで見守る中、円堂監督の口からキャプテンとなる人物の名前が呼ばれた。
「色々考えたが、やっぱりここは天馬、お前だ」
「お、俺ですか!?」
「あぁ!」
パチパチパチ・・・皆が拍手を天馬君に送る。予想内のことだったから、皆比較的真顔だ。
そして、次に副キャプテンを決める時が来た。今度は、鬼道コーチから発表される。
「副キャプテンは、4人いる。1人目、神童拓人。2人目、貴志部大河。3人目、黒裂真命。4人目、喜多一番。この4人だ。この4人は、天馬が行き届かないところをしっかりサポートしてくれ」
「「「「はいっ」」」」
副キャプテンにふさわしい4人の3年生が、大きな返事をした。そして、キャプテン、副キャプテンが前に出る。意気込みを一言語るのだ。
「キャプテンの松風天馬です。えっと、と、とりあえず頑張りますっ!」
「しまらないよぉ~」
「き、緊張して・・・つ、次、どうぞっ」
「天馬・・・じゃあ、改めて副キャプテンの神童拓人だ。宜しくな」
「「「「はいっ」」」」
「俺も、副キャプテンの貴志部大河だ。宜しく」
「「「「はいっ」」」」
「同じく副キャプテンの、黒裂真命だ。仲良くしてくれ」
「「「「はいっ」」」」
「最後になったが、副キャプテンの喜多一番だ。一緒にがんばろうな」
「「「「はいっ」」」」
そして、一通りの流れが終わった。
就任式が終わった後、私はある女性と会った。
深い青色のウェーブのかかったショート・・・神童副キャプテンくらいの長さで、少し垂れ目で澄んだ水色の瞳をしている。
「えっと・・・あなたは?」
「私は、白井海帆(しらいみほ)。高校1年生よ。真イナズマジャパンのマネージャー・・・なんだけど・・・」
「えっ!?わ、私は真イナズマジャパンのマネージャーの金田未雲です。でも、昨日まではいませんでしたよね?」
「うん、急に知り合いに呼ばれてね。今日からマネージャーをすることになったのよ」
「へぇ・・・え、でも海帆さん、高校生って・・・」
「うん。でも、特別にOKしてもらったの」
「へぇ・・・」
その時、後ろから声が聞こえた。
「海帆さん!来て下さったんですね!」
「拓人君!久しぶりね」
「え!?神童副キャプテンと海帆さん・・・知り合いですか!?」
「あぁ。海帆さんのお父様がウチの会社に勤めていてな」
「そうだったんですか・・・」
「拓人君、元気そうで何よりだわ」
「そう見えますか?結構疲れているんですけど」
「そうなの?あら、ごめんなさい」
「いえ、そう見えるんならよかったです」
私は目を見張った。神童副キャプテンが、こんなに人と楽しそうに話すのは、始めてみた気がする。いや、楓と剣城君と霧野先輩にはこんな顔で接しているが、その3人以来だ。
この白井海帆(ひと)が、真イナズマジャパンを強くしていくことになるとは、誰が予想しただろう。