ボールがくれた出会い   作:御沢

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白井海帆の父親

「拓人君、楓ちゃん、葵ちゃん、未雲ちゃん、どうしたの?」

「「「「海帆さんっ!」」」」

私たちが、楓と神童先輩に、聞くことをあきらめた時だった。海帆さんが、こちらに向かって駆けてきた。私は、もう、その楓と神童先輩が隠していることについて追及する気はなかったのだけど、葵はまだあきらめていなかったらしく、海帆さんに尋ねた。

「海帆さん!海帆さんって、楓と神童先輩と面識があったんですね!」

「え、うん・・・って、言ってなかったかな?」

「はいっ!びっくりです!でも、2年くらい会っていなかったって・・・どうしてですか?」

私は、ふと楓と神童先輩の方を向いた。2人は、顔をひきつらせて、怖い顔をして立っていた。きっと、2人が隠したかったわけがわかるのだろう。しかし、海帆さんは顔色1つ変えずに話を続けた。

 

 

「それは、私のお父さんが死んだからよ」

「えっ・・・」

「・・・っ!」

「「・・・」」

葵は絶句、私も絶句、楓と神童先輩は怖い顔をしたまま俯いた。でも、海帆さんはまだ話を続ける。

「でも、気にしないでね?だって、あのお父さんは、継父で、確かに慕っていなかったわけでもないけれど、すごく大好きだったわけでもないの。ウチは、母の方の祖父母の家が、血筋を大切にする代々続く名家でね、やっぱり私も、血筋を第一に考えるようちっちゃいころから言われていたから。だから、大丈夫だよ?それに、そもそもお父さんが死んだのは、お母さんと離婚した後だったし」

「離婚・・・!?聞いてませんよ、海帆さんっ!」

「はいっ」

「ごめんねぇ~。楓ちゃんと拓人君には言ってなかったのね」

「はいっ!・・・って、でも、海帆さんが気にしていなくってよかったです」

「はい、本当にそうです」

「何で?」

「気分を悪くされたら、失礼なので・・・」

「だぁいじょぶよっ!さぁっ!練習練習!」

「・・・はいっ!」

 

 

皆が、海帆さんの事を理解して、再び地獄の練習が始まった。

 

 

その後、グラウンドから遠くのベンチにて・・・

 

 

「海帆さん、思っていたよりもずっと元気そうで安心しました・・・」

「そうだな。でも、楓は知っていたんじゃないか?離婚の事」

「いえ、全く・・・だって、本当に2年ぶりで・・・」

「そうだったのか。まぁ、俺も知らなかったんだから、当然か」

「そうですね・・・」

「お、こんなとこにいたのか、神童、楓」

「霧野!」

「霧野先輩・・・」

「何やってんだ?」

「剣城」

「京介・・・」

「いや、少し海帆さんのことについて話していてな。2人とも、共通の昔の知り合いだから」

「えぇ・・・」

「そうだったのか」

「へぇ・・・ん?楓?」

「・・・介・・・け・・・」

 

 

バタンッ

 

 

「「「楓っ!?」」」

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

 

それは、新たな事の始まりだった。

 

 

 

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