ボールがくれた出会い 作:御沢
楓は、あのミーティングの後、剣城に抱かれてベットに寝かされた。
そして、今は俺が看病をしている。
そして、今のところうなされているが一度も起きていない。いや、目が覚めることはあったのかもしれない。しかし、目が覚めたところであんなことを言ってしまったのだ、俺と話すのははばかられたのだろう。
そして、楓はその日のうちには目を覚まさなかった。
―――次の日
「楓、目を覚ましませんね・・・」
「あぁ・・・もうそろそろ、犯人(やつら)が来ると思うが・・・」
その時だった。天馬と信助があわてた様子で飛び込んできた。
「神童先輩っ!鬼道コーチっ!」
「静かにしろ!楓が寝ているんだぞ」
「大変なんですっ!葵が・・・葵がどこにもいないんですっ!」
「何っ!?」
「それは、本当なのか!?」
「はいっ!もしかしたら・・・葵が、さらわれてしまったのかも・・・」
「そんなことはないと思う!第一、楓と空野さんでは髪の色、瞳の色など違いすぎるんじゃないか!?」
「・・・いや、犯人が『山吹財閥の娘はショートカットで、赤いリボンの制服を着ている』という情報しか知らなかったとしたらどうだ?」
「「「!!!」」」
「葵ちゃんも楓ちゃんも同じくらいの髪の長さだし、瞳の色は知らなかったとして、制服も同級生だから同じ色だし・・・」
「そんな・・・」
俺たちは、ただ唖然とした。
そして、俺が横を見ると、はっとした。
楓が、生気のない顔でこっちを見つめていた。
「楓・・・」
「葵が・・・いなくなったって・・・本当・・・ですか・・・?」
「いや、まだどこかにいるかもしれないし・・・」
「でも・・・いないのは・・・本当・・・ですよね・・・」
「楓、きっと葵は大丈夫だ・・・」
「私のせいよ・・・私が、サッカー部に入ったから・・・雷門中に入ったから・・・あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「楓落ち付けっ!」
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
真イナズマジャパン、最大のピンチだ。
それに追い打ちをかけるように、新たな事件が起こった。
それは、剣城が楓の看病の時、少しだけトイレに立ったときにおこった。
楓が、どこかへ消えてしまったのだ。
ただ1つ、置き手紙だけが残っていた。
『葵を取り戻し、私が本来のように人質になります。母には伝えないでください。もし、私の身にもしものことや最悪の事が起こった場合は、お兄さん、宜しくお願いします。楓』
「楓っ!」
「楓・・・」
「楓ちゃん・・・」
「楓さん・・・」
「楓ちゃんっ!」
「なんと言うことだ・・・」
「アイツ、バカな真似を・・・一応女なのに・・・」
「鬼道・・・不動・・・」
「円堂、どうする」
「豪炎寺・・・どうするもなにも・・・っ!」
真イナズマジャパンは、大混乱に陥った。
そのころ、楓は・・・
「葵・・・どこっ・・・はぁ・・・」
葵を、38℃以上の熱がある体で、探し回っていた。そこに、全身黒スーツの怪しい男性がやってきた。
「君、ここに何の用だ?」
「私は・・・山吹楓・・・私の代わりに・・・誘拐された・・・友達を返して・・・!」
「山吹・・・楓っ!?じゃあ、あの子は・・・!?」
「きっとその子は・・・空野葵・・・私と・・・間違えた・・・女の子よ・・・だから・・・私と・・・かえて・・・!」
「ふん・・・わかった。じゃあ、ついてこい」
「・・・分かったわ・・・」
事件は、一刻と進んでいた。