ボールがくれた出会い   作:御沢

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人質交換

「むぐっ・・・んん!・・・むん・・・っ・・・!」

「こらっ!大人しくしろっ!」

私は今、薄暗い倉庫に監禁されている。

なぜそんなことになってしまったかというと・・・

 

 

今から約3時間前・・・

 

 

私は合宿所から外に出て、少し歩いていた。

すると、突然意識がふっととんだ。そして、気がついた時にはここにいた。どうやら、この人たちは楓を誘拐しようとした組織の人らしい。だから、私は楓を守ろうと自分が『山吹楓』として、監禁されることにした。

しかし、もう限界になってきたからわめいている。

その時、私を監視していた人の携帯が鳴った。その人は、私から少し離れて電話に出た。そして、「なにっ!?それ、本当かっ!?」とどなる声が聞こえたかと思うと、こっちにすごい剣幕でやってきた。

 

 

「お前、山吹楓じゃないだろっ!」

「っ!・・・今更気付いたんだっ!おっそ~いっ!」

「てめぇ・・・!まぁいい。本物の山吹楓がもうすぐ来るからな・・・」

「何っ!?楓がっ!?」

「あぁ。自分から名乗り出たらしいな。そして、自分からお前と代わって・・・いや、本来のように自分が人質になると言っている。だから、お前を解放してやる」

「そんなことしないでっ!楓にはかえってって言って!」

「いや、お前を人質にしたって山吹財閥から金は取れないからな・・・はははっ!」

「あんたっ!・・・いやよっ!私が、そのままのこっ・・・!」

私は、『残る』と言おうとして、また口をふさがれた。そして、そのまままた意識が飛び、次に起きたのは合宿所からさほど遠くないとある公園の女子トイレの一室だった。

 

 

「皆に・・・伝えなきゃっ!」

 

 

そして、私は急いで合宿所へと駆けた。

 

 

「皆さんっ!大変ですっ!」

「葵っ!」

「葵さんっ!」

「空野ッ!」

私が帰ってきたと同時に、皆が私に近寄ってくる。きっと心配してくれたんだろう。でも、今はそんなこと何でもない。

「大変なんですっ!楓が・・・!楓が、自分から人質になるって言ったらしくって・・・!それで、私は・・・どうなったかわかんなくって・・・でも、もう人質になってしまってると思うんですっ!私、意識が戻った時、近くの公園のトイレにいたんですっ!」

「落ち着いて、葵。でも、ありがとう」

「あぁ。君には感謝している。よく頑張ってくれたな」

「天馬・・・神童先輩・・・ありがとうございます。それで、楓は・・・楓は、どうすればッ・・・!」

「そうだ、そこが問題だ・・・」

 

 

その時、1本の電話がかかってきた。

その電話には、ためらわず剣城くんが出た。

 

 

「はい・・・てめぇらか!?楓はどうなんだっ!?」

皆が一斉に静かになった。そして、犯人の声も聞こえてきた。

「山吹楓を拉致した。返してほしければ、今から2時間で5000万用意しろ」

「・・・分かった。楓は、無事か!?」

「あぁ。お譲様は無事だ。そうしておかなくては、金が入ってこないからな」

「てめぇ・・・!もう、切るっ!」

「剣城・・・5000万だな」

「5000万なんて大金、どこにあるんだ・・・!?」

「俺の家から出せるが、お父様たちに知らせるのはどうか・・・」

「神童・・・先輩・・・」

「俺の家も、出せるが・・・桜子さんに知られたら楓の意思を尊重できない・・・」

「鬼道コーチ・・・でも、この際しょうがないと思います」

「天馬・・・」

「そうですっ!もうしょうがないですっ!今は、楓の命が最優先ですっ!」

「空野・・・そうだな。じゃあ、伯母さん・・・山吹財閥に電話するぞ!あそこなら、俺が言うのもなんだが5000万なんてすぐに用意できる!」

 

 

皆が、驚きとともに、少し落ち着いた瞬間だった。

このまま、事件が落ち着いてくれたらいいのだけど・・・

 

 

 

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