ボールがくれた出会い   作:御沢

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最凶最悪

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「なんだよ、もうへたばったのかぁ?」

「いえ・・・違うわ・・・はぁ・・・」

「じゃあなんだよぉ?あ、もしかしてぇ熱か?」

「ちがっ・・・はぁ・・・」

私は、おそらく39度は越えたであろう熱のあるからだで、薄暗い部屋に監禁されていた。犯人たちは、どうやら自分たちの犯行にすごい自信があるらしく、覆面マスクもしていなければ、声も変えていない。ここから解放されたら絶対警察に言ってやる・・・そんなことをやっと考えて、今はとにかく記憶が飛ばないようにとにかく一生懸命。

 

 

そして、チャンスは突然やってきた。

 

 

犯人たちが、いなくなったと思ったら、次に帰ってきたときには目測で5000万くらいのお金が目の前に現れた。きっと、お兄さんか神童先輩の家・・・もしくはお母さんが出してくれたのだろう。でも、私は5000万くらいじゃ動揺も興奮もしない。いつも家には1億以上はあることは確実だし、5000万なんてすぐ用意しようと思えばすぐに用意できるからだ。

「何・・・これ・・・だけ・・・?」

「何ぃ?強がりぃ?」

「・・・いいえ・・・本当に・・・これだけ・・・って・・・思って・・・」

「・・・強がりだろぉ?まぁいい。お前は約束通り開放する。その代わり、警察(サツ)には知らせるなよ?」

「・・・」

私は気がついた。

財閥や資産家の令嬢や御曹司はきっとこういう脅しに弱いものなんだ、普通。だから、警察には見つからなかったんだろう。しかし、私はそんなかわいいお譲さまじゃない。縄をほどかれた瞬間、警察に通報しようと携帯を出す。そして、外に出てみると・・・

 

 

そこには、たくさんのパトカーがいた。

私は、ただ安心した。

 

 

「っ!・・・な・・・なぜ・・・っ・・・!?」

「・・・ってめっ!嘘ついたなっ!くらえっ!」

「うぉーっ!」

しかし、警察がこちらに着く前に、最悪の事が起こってしまった。

 

 

―――――バンッ、バンッ、バンッ・・・

 

 

「イタッ・・・!」

私は最初、何が起こったかわからなかった。

そして、自分のお腹を押さえていた掌を見て理解した。

――――私、銃で撃たれたんだ。

理解した瞬間、痛みが全身から襲ってくる。自分でわかるだけでも、お腹は3発、肩に1発、足や腕には数えきれないほどの傷が入っている。やがて、立っていることすらままならなくなり、おまけに熱があったということも重なり私は、その場に倒れこみ、そのまま意識を失った。

 

 

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!楓ぇぇぇぇぇ!!!!」

「イヤァァァァァァ!!!!」

マネージャーたちが、声にならない大声で叫んでいる。

俺は、ただその風景を呆然と見つめていた。

―――楓が、銃で撃たれた・・・

「か・・・え・・・で・・・」

俺の足が、カクンと折れ、そのままその場に座り込む。そんな俺の周りに、神童先輩、緑、浩一、鬼道コーチが近寄ってくる。

「剣城っ!」

「剣城っ!しっかりして!」

「剣城さんっ!」

「剣城っ!大丈夫かっ!?」

そんな皆の顔も、その場で起きたことが理解できず、青白くなっている。いつも冷静なコーチたちでさえも、動揺を隠せていない。

そして、その真っ赤に染まった少女のいる方を見てみると、そこにはすでに救急隊員たちがいて、もう楓は救急車に乗せられていた。その顔は、青白く、でもからだは真っ赤で生気がなかった。

その救急車の方に、円堂監督と鬼道コーチと豪炎寺コーチが走っていく。俺は、周りの事など見ないでその3人の方にかけて行った。後ろの方から、神童先輩と霧野先輩が追ってくる。

しかし、先輩2人が追いつく前に俺は監督たち3人のところに着いた。そして、いつもの冷静さなど嘘のような興奮状態で問いただす。

「楓はっ!?どうなってんですか!?」

「剣城・・・今は、どうとも言えないんだ・・・神童、霧野・・・お前たち3人も救急車に乗れ。後の部員たちは、不動たちに任せている。そのうち・・・病院につくだろう・・・」

いつも元気な円堂監督でさえも、少しの事では動揺しないコーチ2人も動揺を隠せていない。

その様子を見れば、今楓はとても危険だということがわかった。しばらく間をおいた後、俺は質問に答える。

「・・・はい。俺は乗ります」

続いて先輩たちも「乗る」と返事をした。

 

 

そして、俺たちを乗せた救急車が大きな音を出し、赤い光を発しながら進み始めた。

 

 

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