ボールがくれた出会い 作:御沢
それは、突然のことだった。
私たちサッカー部は、急に円堂監督に呼び出され、部室に集まっていた。
「監督は、なぜ俺たちを呼び出したのか?なにか、理由がわかる人はいるか?霧野、どうだ?」
「いや、俺もわからないんだ。すまない、神童」
「いや、構わないが、本当に何なのだろう」
「「「・・・ん~・・・」」」
皆が頭を悩ませてしばらくたったころ、部室のドアが開いて円堂監督と知らない男性が2人は行ってきた。その2人の事を、皆は知っているようで目を見開いていた。
「鬼道コーチ、お久しぶりです!」
「あぁ、そうだな。皆、また上達したんだろうな」
「そうですよ、おに・・・鬼道コーチ、びっくりしますよ?」
「楓・・・言うじゃないか。なぁ、豪炎寺」
「あぁ。そうだな。でも、その前にこの子が鬼道の従妹の女の子か」
「はい。山吹楓です。私も、おそらく皆さんもあなたのことは存じています。豪炎寺修也さんですよね?天馬と葵は、会ったことがあるそうですが、私たちは初めてですよね?」
「あぁ。そうだ。ホーリーロードでは、大変申し訳なかった」
「そんなことありません!むしろ、あんなことがあってくれたから、俺たちはサッカーの大切さを知ることができましたし、感謝しています」
「そういってくれると、よかったと思える。それで、今日から俺も雷門中サッカー部のコーチになった。よろしくな」
「豪炎寺さんがコーチですか!嬉しいです!」
「うんうん!あ、じゃなくてはい!」
「よしっ!じゃあ、皆豪炎寺も宜しくだ!」
「「「はいっ!」」」
私は、この豪炎寺さんと鬼道さんいう人が誰かわからなかったから、近くにいたちかちゃんに質問した。
「ねぇ、ちかちゃん。この豪炎寺さんと鬼道さんって・・・?」
「え・・・未雲さん、知らないんですかぁ!?じゃあ、円堂監督のことも?」
「はぃ・・・え、そんなにすごい人なの?」
「はい!とっても!なんて言ったって、日本のサッカーの存在をこれほどまで大きくしたのは、円堂監督たちですよ!」
「えぇ!?それ、本当なの!?ってことは、この豪炎寺さんや鬼道さんも?」
「はいっ!3トップですよ!」
「そうなんだっ!私、サッカーの事、全然知らなかったし、えっ、でも、そんなすごい人がなんで雷門中学校(ここ)に?」
「だって、3人とも雷門中学校(ここ)の出身ですし」
「えぇっ!?もう、すごすぎじゃない!」
「何がすごいの?未雲?」
「だってだって・・・!」
そして、私はやっと気がついた。
みんながわたしのほうを、ガン見していることに・・・
「す、すいません!私、サッカーのこと全然知らなくって、すいません!でも、もう皆さんの事よくわかりましたし、もうすごいですね!」
「そうだな。うん、びっくりだよね」
そして、大騒ぎ(?)の自己紹介が終わって、もう解散かと思ったとき、円堂監督が私たちを引きとめた。
「もう1人、紹介する人がいる。入ってくれ!」
「はいっ!」
ドアの方から声が聞こえて、私たちは一斉に振り返った。
そこにいたのは、スポーツ刈りの緑色の髪の毛で真っ黒の瞳の男の子だった。一般的に言うとかっこいい・・・と思う。私は、その顔に見覚えがあった。
「・・・!あなたは!」
不思議に思ったらしい神童先輩が、私に質問してきた。
「金田さん、知り合いか?」
「いえ、転校してきたときに見たんです」
「あ、キミはあの時の女の子・・・!赤い髪の色をサイドで結んでいて、ピンク色の瞳・・・!やっぱりあの子だよね!?」
「はい。で、あなたのお名前は・・・?」
私は、皆が1番聞きたいであろう質問をした。
「あ、ごめんね。僕の名前は、龍田緑(たつたりょく)。宜しくね。サッカー部に入部したんだ。ポジションはGK以外ならどこでも出来ますが、DFが得意です」
その完璧さに、皆は息をのんだ。そして、神童先輩と霧野先輩が前に出てきた。
「俺は、キャプテンの神童拓人だ。ポジションはMF。宜しくな、緑」
「は、はいっ!」
「俺は霧野蘭丸。DFだ。緑にもDFをしてもらおうと思っている。宜しくな」
「DF・・・させてもらえるんですか!?」
「あぁ。じゃあ、宜しくな。次は、皆の自己紹介だ。右から霧野、倉間、速水、浜野、青山、一乃、錦。皆3年だ。そして2年生は、右からキャプテンの天馬、信助、狩屋、輝、剣城、楓だ。そして1年。純太と真男だ。これが、雷門中学校サッカー部ファーストチームのプレイヤーだ。そしてマネージャーは、3年は瀬戸さん、山菜さん、2年は空野さん、金田さん、1年はちかちゃん。これがファーストチームメンバーだ」
「ありがとうございます!で、すいませんが、ファーストチームって・・・?」
そう、それ!
実は、私もずっとそれが気になっていたのだった。
「あ、すまないな。ここ、雷門中学校はチームが3つにわかれていて、さっき紹介したのがファーストチーム・・・トップに立つチームだ。次がセカンドチーム。セカンドチームというのは、次にランクの高いチームだ。まぁ、部室がこことは違うから、会うことは少ないだろう。そしてサードチーム。ここは今年1年になった人たちで結成された。まぁ、ちかちゃんと真男と純太は例外だが。そしてここも、部室が違うから会うことは少ないだろう。2チームとも、部員はもちろんキャプテンも全く違う。」
「そうなんですか・・・ありがとうございます!すごいですね!」
「サッカーで有名な学校だからな」
そして、新たな仲間、龍田くんも加えてサッカーの練習が始まった。