ボールがくれた出会い   作:御沢

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練習の後のお楽しみ

「ほらぁ!京介ぇ・・・腕、いや、脚が落ちたわね」

「なんだとっ!?・・・じゃなくて、楓!今はテスト期間中だぞ!?それに、いくら怪我が治ったからって・・・まだ無理しちゃいけねえんだぞ!?」

「ふふっ。大丈夫よっ!だって、サッカーやらなきゃ自分じゃないみたいなんだものっ!それっ、パスよっ!」

「うわっ!?」

 

 

俺は、今雷門中のグラウンドで、楓と中間テスト期間なのにもかかわらずサッカーをしている。楓は、あの大怪我が治りきり、体を動かしたくて仕方がなかったらしい。・・・しかし、まだ完ぺきに治りきったわけではないから、俺は心配でならない。でも、きれいで細くて長い人差し指を立てて、とてつもなくきれいにウインクしながら

「お願いよっ?」

って言ってきたら、反対する気が一気に失せて・・・気がついたときには、一緒にサッカーをやってしまっていた。本当は止めなきゃいけないのは分かっている。しかし、久しぶりにみた楓の生き生きしている顔を見ると、止められない。そして、またサッカーをし始めてしまう。それの繰り返しで、もう2時間ほど経ってしまっていた。

 

 

もうすぐサッカーをし始めて、3時間たつころだった。

ふと空を見上げると、もう空は真っ暗になりかけていた。けっこう明るく感じていたのは、明るすぎるくらいの照明灯が、グラウンドを照らしていたからだった。そして時計を見ると、もうすぐ7時半になろうとしていた。俺は、楓を呼び止めた。

「おい、もう7時半になるぞ?」

「えっ!?もうそんなに経つのかしら?じゃあ、もうやめようかしら・・・」

「あぁ。っていうか、3時間ほど前からやめとかなくちゃいけねえんだが・・・」

「いいのよ、楽しかったんだから」

そういう楓の顔は、本当に楽しかったらしく、満面の笑顔だった。その笑顔は、この暗闇さえもぱっと明るくしてしまいそうなくらい輝くものだった。

「・・・ならよかった。じゃあ、帰るか」

そういった途端、楓は猛反対し始めた。最近・・・というか、フィフスがなくなってから、楓は性格が丸くなった。もちろん、大人っぽくて知識も豊富・・・などという点は変わっていない。しかし、もっと・・・明るくなったと思う。まぁ、それは置いておいて、楓が反対し始めるのはとても珍しいことだった。

「いやよ・・・その・・・まだ帰りたくない・・・その・・・あの・・・えっと・・・その・・・だから・・・あれよ・・・」

「なんだよ・・・怪我のことで、まだお母さんと対立中か?」

「うぅん・・・それもあるっちゃあ、あるけどぉ・・・その・・・」

その時、俺のお腹がぐぅぅぅ・・・となった。最初は、俺は恥ずかしくなって、顔を真っ赤にしたが、楓はそれを待っていたかのようにこっちを見つめていた。

「・・・もしかして・・・腹、減ったのか?」

「//////」

楓は、その質問に答えず、顔をさっきの俺よりも、ずっと真っ赤にした。俺はというと、やっと納得して、俺より少し背の低い楓を見つめる。そして、吹き出した。

「ひ、ひどいわっ!」

「だって・・・ぶっ!腹減ったんなら、はっきり言えばいいのに・・・ぶっ!」

「そんな事、言えるわけがないわよ・・・一緒に食べに行きたいなんて・・・」

「・・・ったく、昔っから変なところでためるよな~。いいぜ、一緒にどっかいくか?」

「本当?あのね、ファミレス・・・行ってみたいの・・・」

「ファミレス・・・!?なんでだよ?」

「い、行ったことが・・・ないのよっ!お母さんったら、高級レストランとかしか、連れてってくれないのよ・・・」

「そっか・・・お前の家、そういう家だったな・・・じゃ、行くか、ファミレス」

「本当!?やったっ!」

そういう楓の顔は、本当に子供みたいだった。

――――複雑な生い立ちで、昔から本当の自分を出すことができない場所にいたであろう少女。そんな少女が、ようやく本当の自分を出すことができるようになったのだ・・・と、心の底から思った。

 

 

そして、ファミレス

 

 

「へぇ・・・ここが・・・ファミレス・・・すっごい・・・その・・・ね?」

「・・・あぁ、いいたいことは分かった。・・・じゃあ、何頼むんだ?」

「私は・・・この『ブルーベリーチーズケーキ』かしら?」

「じゃ、俺は『ショートケーキ』」

「イチゴ・・・好きだったわね」

「///////・・・わ、悪いか?」

「いいえ、全然。むしろ、いいことよ。自分の気持ちを出せているんだもの」

「そうか・・・ありがとう。じゃあ、頼むぞ」

「えぇ」

そして、すぐに頼んだ2人分のケーキは、早くきて、美味しく食べたのでした。

 

 

「はぁ・・・意外とおいしいわね」

「俺たちも、昔は一緒に来てたな・・・兄さんとか・・・」

俺がもらしてしまった声を聞かなかったかのように、でも楓は話を続けた。

「ねぇ、また来ようね?」

「あぁ」

「約束よ?」

「あぁ、約束だ」

 

 

俺たちは、幼かったころのようにそれぞれの最高の笑顔で、小指を絡めて『指きり』をした。

 

 

「さぁ、中間テストも頑張れよ?」

「・・・京介もよ?」

「はいはい・・・ははっ」

「ふふっ」

 

 

 




指きりって・・・w

こいつら、一応中2ですが・・・wまぁ、可愛いから私がさせたかっただけですwwうん、かわいい~❤
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