ボールがくれた出会い 作:御沢
私たちは、勉強の合間に、皆がまだ1年生だったころのアルバムを見ていた。
その当時、私はまだ雷門中に来ていなかったから、すごく興味深々だった。それは、私と同時期に転校してきた、緑君も同じようだった。
「わぁ・・・可愛いっ!皆、今より幼い感じだね~」
「ん・・・?剣城の学ラン・・・今と違うよね・・・?」
「あ、ホント!昭和のヤンキー?今の方がいいよね~」
「そうよね。私もそう思うわ。あら、京介の後ろにいるのって・・・天馬?」
「あっ!俺だ~!うわ~!小さい気がする~!」
「ホントっ。天馬って幼い感じだよね。あ、こっちのページに移ってるのって、楓じゃない?」
「えっ!?どこ?葵~?」
「ほらほら、ここ、ここ」
「ん・・・?あッ!これっ!?髪長かったんだ~!」
「本当だぁ!」
「ふふっ。まぁ、2人は知らないわよね」
「楓、本気になること滅多になかったけどね、本気になったらポニーテールにしてたんだよ。まぁ、2回くらいしか見たことなかったけどね~」
「そうなんだ~!私も見てみたかったな~・・・あっ、これは葵っ!?」
「えぇ。今は後ろで少しくくっているけど、昔はショートでくくってもなかったわね」
「そうだったね。あ~・・・ホーリーロードの頃が懐かしいな~」
「「ホーリーロード?なに、それ?」」
私と緑君は、その聞き覚えのない言葉に頭を傾けた。その言葉をさえぎるように、楓が話が話し始める。
「さてさて、皆さんは、テスト勉強、大丈夫なのかしら?」
「「「「「あ・・・」」」」」
そして、私たちは再びテスト勉強を始めたのでした。
「ん~・・・ここ、何だろ~?中1の復習なのに分からない私って・・・バカ?」
「いや、そんなことないよ。ここはね~・・・『-1、-4、-9、-16、-25・・・と並んでいる数で、m(番目)の数。』か・・・多分・・・わかんないかも・・・」
「緑君もぉ?じゃあ、葵や天馬君や信助君は?」
私は、この難問(?)を、一緒にいた残りの3人に投げかける。しかし、3人とも答えは分からなかった。
「えぇ・・・なんなんだろ~?」
5人そろって頭を抱えているところに、楓が忘れ物を取りに帰って来てくれた。
「あっ、楓~!この問題、分かる~?」
「どの問題?・・・あぁ、これね。答えは『-mの2乗』よ。意味がわかる?」
「「「「「・・・いえ」」」」」
「えっと・・・つまり、カッコを付けていない-(マイナス)は、数だけに指数をかけるでしょ?」
「「「「「はい」」」」」
「だから、-はそのまま。そして・・・例えば3番目の数である『-9』を例にしてみると、3番目の数だから3で、全てに2乗を付けるの。すると、3の2乗になって、その答えは3×3で9になる。ここまではOKかしら?」
「はいっ!」
そう元気よく返事したのは、緑君だけだったが、楓は気が付いていなかったらしく、そのまま続けた。
「そして最後に-を付けると・・・?」
「あっ!そういうことかぁ!」
「分かったかしら?もちろん、他の数でも同じことよ。だから、答えは・・・」
「『-mの2乗』・・・ってことだね!」
「そうよ!分かったかしら?」
「「「「・・・ん・・・」」」」
「あ・・・後は僕が教えておくから・・・じゃあね、楓ちゃん。ありがとう!」
「いいえ、いいのよ。じゃあね」
そういうと、楓は華やかに去って行った。
その後、たった1問の問題だけで2時間もかかったのでした。
そして、皆で緑君にそれぞれお礼をしました。
疲れたけど、楽しかった勉強会でした♪
小説内で出てきた問題は、私の通う中学校で中1で出てきた問題ですww