ボールがくれた出会い 作:御沢
「今日から新しく仲間になる、エリザベス・バルチナスさんだ。宜しくな」
「エリザベス・バチルナスです。ベスって呼んでください。宜しくお願いします」
「「「「はぁい!」」」」
私はちか。今日から、私たち1年1組に留学生が来た。名前は、エリザベス・バチルナスちゃん。もう、とにかくかわいい子。こんな子は、サッカー部のマネージャーにするほかないでしょ!・・・ということで、私は秘かに計画を練っていた。
そして、チャンスが来た。
ベスちゃんが、1人で席にいのだ。私は、即座にベスちゃんの席へ行った。
「ベスちゃん!はじめまして」
「えっと・・・ごめんなさい・・・名前、覚えていなくて・・・」
「いいよっ!私は、黒谷ちか。サッカー部のマネージャーなんだ」
「サッカー!お兄ちゃんと一緒だっ!」
「お兄ちゃん?お兄さんがいるの?」
「うんっ!まぁ、ママが違うんだけどね。でも、お兄ちゃん、わたしにたいしてすっごくやさしいんだよ。それでね、すっごくサッカーが上手!」
「へぇ~。お兄さんのお名前は?」
「エドガー!エドガー・バチルナス。11年前のFFIで、我が母国・イギリスの代表として参戦した『ナイツオブクィーン』のキャプテンだったんだよ!」
『ナイツオブクィーン』――――その名前は、聞いたことがある。
―――2週間前―――
「ねぇ、ちかは『ナイツオブクィーン』って知ってる?」
ある日の帰り道、一緒に帰っていた純太くんが質問してきた。
「『ナイツオブクィーン』?なに、それ?」
「11年前のFFIで、イギリス代表として参戦したチームだよ。俺、そのチームのキャプテンのエドガーが好きでさぁ~」
「ふ~ん・・・」
私は、早く帰って蘭丸くんと出かける予定だったから、ずっと純太くんの話を聞き流していた。
まさか、2週間後にそのエドガーの妹が来るなんて、予想もしていなかったから。
―――現在―――
(あぁ、純太くんが好きな選手だな・・・え、えぇ~!?)
「!!!!・・・」
「ちか・・・ちゃん?」
「・・・へっ!?」
「だ、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
しかし、私の心の中は大丈夫じゃなかった。そんなすごい人の妹だったんだ・・・私の気持ちはもう限界を超えようとしていたが、何とか抑えた。
「ね、ねぇ・・・サッカー部のマネージャー・・・やる気はない?」
「ん~・・・ごめんなさい・・・私、ちょっと用事があって・・・転校してきたはいいけど、半年ほど学校を休むの。だから・・・」
「そっかぁ・・・じゃ、残念だね・・・そういえば、ベスちゃん、どこに住んでるの?」
「えっとね~・・・『木枯らし壮』って言うアパート」
「木枯らし壮!?それって、キャプテンの住んでいるアパートだよっ!」
「そうなんだっ!あ、もしかして松風さん?昨日あいさつしに行ったときに、管理人さんの部屋にいた人・・・?」
「多分そうだよ!じゃ、木枯らし壮に行けば会えるんだねっ!」
「そうかな。あ、本当にごめんね?」
「ううん、全然!」
でも、正直、マネージャーが駄目だったのは悲しかった。でも、ベスちゃんと仲良くなれて本当に良かった!それに、ベスちゃんが休んでいる間、私たちもHRIで休むからあんまり関係ないしね。
そうだ、明後日からまた学校休学になるんだった。