ボールがくれた出会い 作:御沢
ベスちゃんが転校してきて2日後・・・
私たちは、HRIの予選が始まる3カ月後に控えて、学校を休学し、再び合宿所へと戻った。
しかし、ここからが悪夢の時間だった。予選から『真イナズマジャパン』として参加できるのは、選手は17人まで。だから、29人(楓も入れて)から17人を選抜するの。皆がドキドキしている。この選抜は、化身が使えるから、とか、HRで頑張ったからなどというものは通用しない。1人1人が実技のテストを受けるのだ。
「今日はテストだね、緑君」
「そうだね・・・はぁ・・・なんか、ドキドキするよ」
「でも・・・っ。それは、緑君だけじゃないみたいだよ?」
私のその言葉に、はっと顔をあげた緑君と一緒に周りを見回した。そこには、様々な人の思いがあった。
――楓と剣城――
「・・・」
「・・・」
「な、なぁ・・・何かしゃべんない?」
「そ、そうね・・・でも、緊張しているんでしょ?」
「まぁ、そうだな・・・」
京介は、少しひきつった顔で、私に返事をした。その顔を見た私は、笑ってしまった。
「私は、落ちてもマネージャーだし大丈夫なんだけれどね」
「だから、いつもの落ち着きがあるんだな」
「でもね、そんなに落ち着いているわけでもないわよ?やっぱり、緊張はしているもの」
「それはそうか」
京介は、やはりひきつった笑顔をこちらへ向けた。私は、少し哀しくなった。だって、いつもは自信に満ち溢れている京介が、こんな顔をしているのだ。私は、息を大きくすって、渇を入れた。
「そんな顔、しないでっ!私の、知っている京介は、もっと自信に満ち溢れていたわっ!大丈夫っ!あなたなら、絶対に代表入りできるわ!私が保証・・・っていっても、頼りないわね・・・でも、絶対に京介ならっ・・・!」
私がヒートアップしていることに気がついた京介が、私の口を無理やりふさいだ。そして、その雪のように白い肌を真っ赤に染めた。
「ありがとう・・・/////俺もがんばるから、楓も頑張れよ?」
「!!・・・えぇっ!」
そして、私たちは各自それぞれの練習に励んだ。
――ちかと霧野――
「蘭丸・・・くん?」
「・・・」
「蘭丸くぅん?」
「あ・・・ご、ごめん」
「別にいいけど・・・大丈夫??ドキドキしているの?」
「う、うん・・・」
そういうと、蘭丸くんはまた俯いた。私は、頭を悩ませた結果、葵さんに教えてもらったあることを実践見てみた。
「うわっ!?」
ツンツンツンツン・・・私は、蘭丸くんの腰を人差し指でつついてみた。案の定、蘭丸くんには効いたらしい。
「わっ!?はははっ、や、やめっ、ははっ、ちかっ!?」
「・・・蘭丸くん、元気、ないんだもん。だから・・・ごめんなさい」
「そういうことだったのか・・・ありがとな、ちか」
「!!・・・う、うんっ!頑張ってねっ!」
私は、心の底からの笑顔で応援した。
そして、実技テストはあっという間に終わった。
――1時間後――
円堂監督から、選抜メンバーが発表された。
「選抜メンバーを、発表するっ!豪炎寺大地、降森純太、清原真男、雪村豹牙、若林浩一、貴志部大河、龍田緑、西園信助、雨宮太陽、霧野蘭丸、錦龍馬、雅野麗一、喜多一番、山吹楓、神童拓人、剣城京介、そして、キャプテン・松風天馬っ!以上17人だっ!尚、楓に関してはマネージャーでの参加も決まっている。そして、マネージャーの空野葵、瀬戸水鳥、山菜茜、金田未雲、黒谷ちか、川口紫音、桃瀬和葉だ!これが、本戦に参加する『真イナズマジャパン』のメンバーだっ!」
円堂監督の声に、喜ぶ者、落ち込むもの・・・様々な人がいた。何にせよ、このメンバーで戦うのだ。
世界への戦いの歯車が、回り始めた!!