ボールがくれた出会い 作:御沢
私は、昨日、眠れなかった。
だって、緑君に告白されてしまったから。今日の私は、きっといつも以上に間抜けで、ドジで、見た目もクマがあって・・・もうやばいんだろうな~・・・って考えながら学校の制服に着替えた。
そういや、雷門中学校の制服を私はよく見たことがなかった。
真っ白なシャツ、おっきめのリボン。私たちは赤色のリボン。そして、水色のスカート。
その後、自分の容姿を見てみた。
腰くらいまである真っ赤な髪の毛を、サイドで結んでいる。そして、ピンク色の瞳。自分で言うのもなんだが、特別美人なわけでもなく、ブサイクなわけでもない。
でも、葵や水鳥さん、茜さんに比べたら全然敵わない。楓なんて、もう敵う要素が1つもない。
なんで、緑君は、私のことなんか好き・・・なのかな・・・
疑問が解けないまま、私は学校へと向かった。
行く途中、大きな豪邸があることに気がついた。その大きさは、宮殿・・・いや、お城みたいだった。よき見ると、庭もとてつもなく広い。端っこまで見えないくらいだった。
「おっきぃ~!なに、この建物・・・世界遺産!?」
人の家かもしれない、ということを忘れて私はその建物(家?)をまじまじと眺めた。すると、後ろから声が聞こえた。私は、一瞬びくっとしたが、振り返ってそれが誰かわかった瞬間、安堵の声が漏れた。
「なんだ、楓かぁ~。びっくりした・・・」
「何だとは何かしら?まぁ、いいわ。それより・・・」
私は、楓の声をさえぎって話を始めた。
「ねぇ、この建物何かな!?宮殿!?ってかお城!?ノイシュヴァインシュタイン城!?」
「そんなに高くないよ、ここ。5階くらいしかまでしかないし、それにね・・・」
「あと、世界遺産!もう、やばい!ベルサイユ宮殿並み!」
「いや、ベルサイユ宮殿よりは大きい・・・」
「マジでッ!?すっごーい!・・・ん?なんで、楓が知ってんの?」
「だって、ここは、私の家だから・・・」
「へえっ!?何ぃ!?か、楓の家ぇぇぇぇぇ!?」
私は、心底驚いた。こんな豪邸に住む人と、私は知り合いだったのだ。きっと、お嬢様だ。もう、びっくりだ。
「そ、そんなこと知らなかったから、私・・・」
「ふふっ、もう、いいよ。気にしないでほしいし」
「そ、そうなの・・・なら、いいや。うん、じゃあ、行こっか」
そして、私たちは雷門中学校へと向かった。
行く途中で、神童先輩と霧野先輩に出会った。私は、しばらく3人の会話に入り込めなかった。
「神童キャプテン、天馬にキャプテンを・・・という件、どうなりましたか?」
「あぁ、あれか・・・まだ、天馬が引いてくれなくてな・・・」
「俺も、神童の力になれればと思って、天馬に頼んでいるが、駄目なんだよな・・・」
「じゃあ、私も頼んでみましょうか?天馬に」
「・・・あぁ。宜しく頼む」
「はい。そういえば、もうすぐ体育祭ですね。6クラスあるから、きっと今年も6チームに分かれるんでしょうね」
「そうだな・・・そういえば、楓は1組だよな?」
「あ、はい。あと、未雲もです。先輩たちは何組ですか?」
「俺も霧野も1組だよ。あと錦も。だから、3人は同じチームだ。ついでだが、倉間は2組、青山と一乃は4組、速水と浜野は5組・・・だったかな。それで、マネージャーは山菜さんも瀬戸さんも1組だ」
「よく覚えてますね。えっと、2年生は・・・私と剣城と未雲が1組、天馬と輝が3組、信助と緑が4組、葵と狩谷が6組です・・・だったよね?未雲?」
「えっ・・・う、うん。そうだったと思うよ」
「ならよかった。それで1年生は、真男君、純太くん、ちかちゃん、皆1組だったと・・・」
「なんか、1組の割合多くないか?」
「そうだな・・・」
「まぁ、同じチームになれるんです。いいじゃないですか」
「「だな」」
そんな楽しそうな会話を聞き流しながら、私はずっと緑君のことを考えていた。
なんで、なんで私なの・・・?
楓たちの方が、ずっと美人なのに・・・
「・・・う・・・み・・ぅ・・・みう・・・未雲!」
「へっ!?」
「『へっ!?』じゃないわよ。何回よんだと思ってるの?」
「あ・・・ごめんね。って、いつの間に学校の前まで来てて・・・」
「・・・?全く、大丈夫かな?あ、じゃあ先輩たち、また放課後」
「「あぁ」」
そして、私たちは一緒に登校した、学校のアイドル2人組と別れて、一緒に2年1組まで行った。