ボールがくれた出会い 作:御沢
時がたつこと、私たちの中学校卒業から8年後・・・。
私達には剣聖に続き、1年後に長女、みかを出産した。
一方葵たちは、剣聖と同い年の健大(けんた)くんと、今1歳の優(ゆう)ちゃんを産んだ。
少し前まで、私は精神的不安定な状況だった。でも、今はとても幸せ。そして、色々な人とも再会を果たした。そしてみかを出産後、私は自らの意思で『山吹財閥』を継いで、山吹財閥の総帥となった
まずは、円堂監督、豪炎寺コーチ、鬼道コーチ(お兄さん)と、それぞれの奥さん。豪炎寺さんは春奈さんと、お兄さんは冬花さんと結婚をして、円堂家には5歳の娘、夏帆(かほ)ちゃんが、豪炎寺家と鬼道家には4歳の息子がそれぞれ生まれた。豪炎寺家は浩(こう)くん、鬼道家は暖(ひなた)くんという名前だ。
次は神童先輩と茜さん。この2人は、神童先輩が稲妻高校、茜さんが雷門高校と違う高校に進んだが、神童先輩が霧野先輩の手助けもあり、自分の気持ちに気がついて、茜さんに告白をした。神童先輩は、私たち稲妻高校サッカー部のキャプテンでもあった。
そして、今から4年前に奏(かなで)君という長男が生まれたのをきっかけに結婚。その1年後、桃(もも)ちゃんも生まれた。そして昨年、神童財閥の総帥となった。
それと同じころに再会したのは、錦先輩と水鳥さん。中学時代から付き合っていた2人は、なんと2人して中学卒業と同時にイギリスへと留学。つい1年ほど前に帰ってきたらしいけれど、その間に2人は結婚、ただ今4歳の息子、響(きょう)くんと1歳の娘、龍菜(りゅうな)ちゃんにも恵まれた。
錦夫婦と再会した時、その2人がもらってきた手紙に、書いてあった電話番号に電話をすると、その先には・・・
―――未雲と緑がいた。
未雲は、中学卒業と同時にお父様の事情でやっぱりイギリスへと転勤になってしまったのだった。しかし、それになんと緑もついて行ったのだった。
そして未雲は、自分の実母の不倫相手は実は、エドガーお兄さんのお父様だったという衝撃の事実と、未雲の異父妹はあのベスちゃんだったということを教えてくれた。
未雲は、最初はベスちゃんが憎かったけど、今ではベスちゃんが大好きらしい。そして、緑とも結婚。ただ今2歳の娘、杏(あん)ちゃんも生まれたらしい。
今は家族3人で幸せに暮らしているらしい。
最後は霧野先輩とちかちゃん。
2人はともに稲妻高校へと進学し、ちかちゃん20歳、霧野先輩22歳のときに娘をもうけた。
名前は蘭愛(らあ)ちゃん。おてんばでかわいい女の子らしい。
霧野先輩は、親ばからしい。
・・・私は、今日ちかちゃんと葵と会う。
8年前は『友達』だった私たちも、現在は『ママ友』なんだ。
「あっ!楓さんっ!」
「おっそ~い、楓!」
待ち合わせの場所へ行くと、もう2人は来ていた。
葵は美しい藍色の髪がすっかりロングとなり、そのロングヘアーを無防備に垂らしている。
一方のちかちゃんは、ロングだった髪を一気にショートにして、美しい黒髪を揺らしている。
私はというと、セミロングの金髪を斜め横で結っている。
―――そして、3人とも子供を連れている。
子供たち計5人をキッズパークのようなところに預けて、私たちはお茶をした。
「最近はどう?」
「もう、蘭愛が言うこと聞いてくれなくって・・・しんどいんですぅ~」
ちかちゃんは私の質問に、ぐったりした様子で答える。そんな姿を見ながら葵は、微笑んだ。
「私は幸せかな~。天馬も、剣城君と仲良くできてすっごく嬉しいって!」
「天馬と京介、仲がいいものね」
優しげな笑みを見せた葵に対して、私も笑みを見せた。それに続くかのようにちかちゃんが
「蘭丸くんも、神童さんと仲いいですもんっ!すっごく、嬉しそうです!」
と嬉しそうに言う。そして、3人で見つめ合ってふふっ、と笑った。
―――同時間、イギリスの首都、ロンドン―――
「あっ、杏っ!ベスお姉さんからまた何かもらったの?」
「うんっ!ベスお姉ちゃんがね、クッキーくれたの!・・・ママもほしいの?」
この地では珍しい日本語が、とある家から聞こえてきた。