ボールがくれた出会い 作:御沢
「わぁぁぁぁぁ!!!」
今日は緑君が化身を披露していた。でも、私はあまり集中できなかった。
だって、緑君が輝いていたから。
「緑・・・くん・・・」
「何?お前、緑のこと好きなのか?」
「水鳥・・・さん・・・いえ、そんなことは・・・」
「隠さなくていいよ。あたしと恋バナでもしようぜ?」
「あ・・・はい・・・実は・・・」
そして、私は昨日会った出来事を、水鳥さんに話した。
「そうだったのか・・・そりゃ、びっくりするよな」
「はい・・・本当はうれしいんですけど・・・」
「けど・・・?」
「私、前の学校で小学校の時から付き合っていた恋人がいて・・・」
「マジ!?すっげぇな」
「・・・でも、私の転校によって別れてしまったんです」
「えっ・・・」
「2人ともわかりあいました。でも、やっぱり忘れられなくって・・・」
「その気持ち、わかるな~」
「えっ!?水鳥さんが?」
「あのな、龍馬っているだろ?」
「あぁ、はい、錦先輩ですよね」
「あぁ。あいつ、中1が終わるころから、イタリアに留学してたんだよ。でも、正直言うとあたし、龍馬のこと好きだったから行ってほしくなかったんだよ」
「好き・・・って、付き合っていたんですか!?」
「いや、あたしの片思い。だから、そんな勝手、許されるわけなかったんだよ」
「・・・」
「でもな、中2のとき、帰ってきてくれた。それは、白恋中との試合の時だった。その登場の仕方がもうめちゃくちゃで・・・」
「どんな登場の仕方だったんですか?」
「遠くの空港から、暑いのにチャリで来たんだよ」
「えぇ!?」
「でも、その馬鹿な登場の仕方にひかれてな・・・やっぱり好きだと思ったよ」
ふと、水鳥さんの表情を見たら、優しそうな表情をしていた。
「ふふっ」
「何がおかしいんだよ?」
「いえ、水鳥さんは錦先輩のことを話すとき、とっても優しい表情をされるんですね」
「そ、そんなことねぇよ」
「いいえ、本当です。私は、そんな水鳥さんがうらやましい。もっと、緑君のことを話すとき、そんな優しい話し方をしたいな・・・」
「なんだよ、じゃあ、やっぱ、緑のこと、好きなんじゃねぇか」
「へっ!?緑君がのことを・・・私が・・・好きっ!?」
「あぁ!だって、すごく優しい顔をしてるよ?」
「そ、そうなの・・・かな・・・」
「あぁ、きっとそうだよ!なら、返事は決まっただろ?」
そう、返事は決まっていた。
私は、たった1日で緑君が好きになっていたのだ。
そして、私は思い出した。
「水鳥さん・・・」
「ん・・・?」
「水鳥さんも、錦先輩とお幸せに!」
「あぁ!?な、なんだよぉ~」
そう、まだ錦先輩と水鳥さんは付き合っていないのだ。
もう、相思相愛なのはわかりきっているのに。
そして、私は明日必ず返事すると決めたのだった。