In the dark Stratos 漆黒の悪神 作:蓮山
パソコン取り上げられてるけどまあ、気長に待ってください
私はとても苛立っている。
その原因が現れたのはいつだったか?
たしか、157日と6時間23分前あたりにゴミどもが無駄なあがきをした際に偶然現れた。
本当だったらいっくんだけが私の子供を動かせるように細工したのにあれだけは自然に動かした。動かしてしまったのだ。
動かしたときに慌てて適正値をCにしたけど本来ならS+。ちーちゃんと同じかそれ以上という値。私にとって最も邪魔な存在となった。
それからも動かせないように子供たちに指令を与えたのに無理やり動かしていて思わず爪を噛み切ってしまった。
そして極め付きはあの事件。あの時、いかなる要因か、首に届くはずだった剣をあり得ない方法で防いだ。
あのシステムはちーちゃんの動きをトレースした模造品。それでもあの状態で防ぐなんてできないはず。それなのにISを無理やり二次移行までもっていって、あまつさえ雪片と同じ剣であの剣を防ぐどころか切ったのだ。
もはやこちらからの言葉も届かなくなった子供。そしてイレギュラー。
私にとってすべて不都合で、始末するように動くのは自明の理。
そして今―――
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「うっ……ぐぅ…」
目の前の女の首をつかみ持ち上げる。
この女がISを作り出した天災、篠ノ之束。
そして、俺が理不尽を強いられた諸悪の根源。
そう考えると笑みが浮かぶ。まさか自分が始末しようとした結果逆に殺されるなど天災であっても、想像だにできなかったことに。俺を一度殺した奴を殺せるこの快感に。
「束様を…っ。放せっ…」
脚部で踏みつけている少女が言う。よく見れば…たしか、ラウラ・ボーデヴィッヒだったか?アレに似ている。
ついでに言わせてもらうならその要求にはNOと答える。誰が自身にとって害にしかならないものを放っておく?
「カっ…ふっう…」
どうやら天災にとっても酸欠というのは苦しいようだ。若干泡が口から出ている。見ていて気持ちがいい自分と気持ち悪いと感じている自分がいるな。だがもうすでに決めたのだ。
「いいか?質問に答えろ。虚偽の返答をすれば貴様を殺す。正直に答えれば、そうだな…。命だけは許してやろう」
これが最大限の恩情。侵食によって手に入れた「雪片・蝕」を首に突きつけ質問をする。
「なぜ俺を、俺の心を殺そうとした?」
「そ、れは…いっくんだけが注目されるようにしたかったのに…君みたいなイレギュラーのせいで思ったよりも注目されないなんてことにしないため…だよ…。だからね…君は、死ね!」
俺の後ろから無人機のISが迫る。だが、
「無駄だ」
30機のビットがレーザーで打ち抜く。死角はなくなっているから何をしようが対処できる。
そもそも、近接武器ではアンリ・マユに触れた時点でアウト。そして
「正直に答えたようだな?命は取らないが俺には絶対に逆らえないようにしておこう。今までの行動を鑑みるにな」
俺の機体。「アンリ・マユ」のインヴェイジョンは生物・非生物を問わない。つまり触れている時点でこいつは侵食可能だ。
「え?」
徐々に皮膚を透過し、肉に食い込み、神経を通って脳を侵食し始める。
「あ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
絶叫。
ああ、心地いいな。
「束さ…っ」
こいつもついでに侵しておこう。こいつ自身は知らないがISはとても優秀だ。俺にとって害になる可能性もあるからさっさと侵食しておく。
「「あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝!?!?」」
「フッハハ…ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
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哄笑と絶叫が響く、誰も知らない研究室。
何が起きたか、誰も知らない。
しかしそこでは世界にとって邪悪が生まれる。
そして、一筋の光が転げ落ちる。
どうなるかは天災の頭脳をもってしてもわからない。
悪神は世界を呪う。
人を嗤う。正義を嗤う。在り方を嗤う。希望を嗤う。絶望を嗤う。世界を嗤う。
明日など来るのだろうか。暗く閉じた心を持つ凡人は狂い果て、未来すらも侵し、食らう。
これは人が作り出した業。
もし、彼がかわいそうだというのであればそれは違うといわせてもらう。
かわいそうなのは―――
きっと、世界のほうなのであろう。